皆さんこんにちは、マイクロソフトの川端です。
2021年9月、10月のPower Automate for desktop(通称PAD)のアップデート情報を紹介していきます。
直近2カ月分のアップデートをまとめてご紹介します。
1. はじめに
元の情報(英語)はこちらになります。
https://flow.microsoft.com/ja-jp/blog/power-automate-desktop-september-2021-update/
https://flow.microsoft.com/ja-jp/blog/power-automate-for-desktop-october-2021-update/
本内容はPower Automate for desktopのバージョン2.14.173.21294(2021年10月アップデート版)での動作内容となります。
Power Automate for desktopのコンソール画面の[設定]>[更新プログラムの確認]から、PADが最新版かどうかの確認を行うことが可能ですし、
最新のインストーラーを直接こちらからダウンロードすることも可能です:https://flow.microsoft.com/ja-jp/desktop/
2. PADの2021年9月アップデート情報
PADの操作を説明する注釈(アノテーション)が付き、ユーザーがPAD内での詳細な操作方法を把握しやすくなりました
最初のインストール時に、下図のようなクイックツアーが起動し、PADの使い方に関する簡単なインストラクションを受けることができます。
なお、PADのコンソールの[ヘルプ]>[開始する]のボタンから、いつでもクイックツアーを起動し開始させることが可能です。
アプリ上にメッセージがホバリングして表示されるので、PAD内で操作方法について、より直接、直感的に把握することができるようになりました。
「SOAP Webサービスを呼び出す」のアクションが追加されました
RESTful APIに対応している「Webサービスを呼び出します」のアクションに対して、SOAP/XMLの従来型のウェブサービスの呼び出しをHTTP経由で行うことが従来は難しかったのですが、このアクションの追加によって、Webサービスの呼び出しが可能なアプリケーションの幅が拡がりました。
3. PADの2021年10月アップデート情報
変数(フロー変数、入出力変数)で機密テキストの指定が可能に
以前はアクションの設定の中で機密テキストをオプション設定できていましたが、右側のメニュー(下図)にある変数の設定の中で、機密テキストのオン/オフを切り替え(サングラスと帽子をかけた人型アイコンがついていれば機密テキストとして設定オン)できるようになりました。
また、フローデザイナーで編集中、デバッグ中、クラウドフローからの呼び出し時、ログデータ内においても、機密情報の保持が一環して保たれています。
DLP(データ損失防止)ポリシーの設定がPADへも適用可能に
クラウドのポータル環境においては、従来からPower Platform管理センターで管理者が「データポリシー」を設定可能でしたが、Power Automate for desktopに対しても設定が可能となりました(下図:DLPが適用されPADの動作に反映された時の警告画面)。
クラウドのポータル環境における「データポリシー」と同様に、ビジネス、非ビジネス、ブロックのカテゴリーを設定し、ブロックのコネクタポリシーに対しては環境内での利用を禁止でき、ビジネス、非ビジネスでは同一カテゴリー内でのみのデータの流通を制限することが可能となります。
※2021年10月現在、Preview機能として無料で使え、2022年に一般公開となり、PADの有償ライセンスを持っているユーザーにのみ提供が予定されています。
インターネットエクスプローラー(IE)への旧バージョンへの更なる対応
インターネットエクスプローラー(IE)のバージョン9から最新版へのウェブレコーダーの記録・実行は従来から対応していました。今回のアップデートで、IEのバージョン5からバージョン8への従来バージョンへの対応が拡充されました。
エクセルファイルのXMLデータ形式での保存が可能に
「Excelの保存」か「Excelを閉じる」アクションのオプションとして、xml形式でのファイル保存が可能になりました。
前方互換性についての注意(後方互換性には対応)
新しいバージョンで作成されたPADのデスクトップフローを旧バージョンで動作させる際に、動作しなくなる、もしくはデスクトップフローを開けなくなります(前方互換性の制限)。一方で、従来通り、後方互換性には対応していますので、最新版のPADでは過去のPADのバージョンで作成されたデスクトップフローは引き続き利用可能です(ご安心ください)。
4. 最後に
Power Automate Desktopの公式ドキュメントもどんどんアップデートがなされ、充実してきています。
何かコメントがありましたらPower Automate Communityまでぜひコメント、フィードバックください!