はじめに
もう4年前ですが、応用情報技術者に合格したのでその際の対策や得られた知見について当時を思い出しながら書いてみたいと思います。
受験のきっかけ
大きく分けて2つあります。
①当時エンジニア3年目でしたが、知識の基盤がなく、自信が欲しかったこと
②当時データサイエンティストを目指しており(今はWebエンジニアとしての道を極めようと決意し直しました)、転職活動時に箔をつけたいと考えたこと
不純といえば不純かもしれませんが、頑張るきっかけになったなら良かったのではないか、と考えています(笑)。
試験対策
午前試験
試験対策は4か月前から始めました。
『徹底攻略 応用情報技術者教科書 令和3年度』
上記書籍を購入し、読み込みから入りました。
後述しますが、過去問を中心としたアウトプットをセットにしなければ効果が大幅ダウンします。
私の場合、アウトプットをセットにしていればもっと勉強期間が短くて済んだのではないかと後悔しています。
そして、試験の2か月ほど前から過去問道場(下記URL参照)で過去問中心の学習に切り替えました。
https://www.ap-siken.com/
試験1か月くらい前からかなり危機感があり、「受からなければ!」と焦っていたことを覚えています。
午後試験
午前試験の対策に注力していたため、具体的な対策は1か月ほど前から始めました。
『令和03年【春期】応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 (情報処理技術者試験) 』
上記書籍を3周ほどし、午後の出題形式や解き方を頭に叩き込みました。
選択問題については、4問に絞って対策をするのではなく、難しい問題が出た場合に備えて6問ほど対策していました。私が選んだ問題は下記のとおりです。
・経営戦略
・システムアーキテクチャ
・組み込みシステム
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム監査
自分の場合は文系出身だったことと、基本情報技術者の受験時にプログラミングの問題を解ききれなかったことが理由で、技術寄りの問題は選びませんでした。
ただ、実務経験があったり、そちらの方が解きやすいと感じられた場合は選んでも良いと思います。
一度選択問題をすべて解いてみて、自分に合っていそうなものを中心に選ぶと良いでしょう。
試験前日
午前・午後の過去問を1年分解き、夜は過去問道場でアウトプットをしました。
ネットワーク系の問題に苦手意識があったため、重点的に復習してサブネットやIPについて説明できるくらいまで仕上げました。
また、試験会場で見直すため、引っかかったポイントや理解しきれていない用語をまとめたメモを作成しました。
試験当日の朝
当日は朝5時くらいに目が覚めてしまいました。試験のたびに感じることですが、私はどうやら試験当日にぐっすり眠ることができないようです(笑)……
寝不足を感じつつもなんとか家を出て試験会場へと向かいました。
コーヒー1杯ではカフェインが足りないように感じ、試験会場につく前に缶コーヒーを買い足しました。
試験会場に着いてからは、前日に作成したメモを見返し、万全に近づけました。
試験本番
午前試験
過去問を中心に対策していたこともあり、半分ほどは自信をもって回答できた感覚がありました。
初見の問題については、問題文中の用語の意味を英単語から推測したり(意外とモノをいうことがあります)、山勘に頼ったりしてしのぎました。
なんとなくだけど合格点は取れているだろう、という謎の自信がありました。
午後試験
午前が想定通り進んだのは良いですが、午後で大きなトラブルが起こります。
問1のセキュリティ、問4のシステムアーキテクチャまで解き終えた段階で、試験時間の半分以上を使ってしまっていました。
寝不足やカフェインを取りすぎていたことも相まってか、頭はパニック状態。過呼吸にもなりかけました。
とても問題文を読むどころではなくなってしまいました。そして問題も解けず、時間が過ぎてゆく…という悪循環です。
さらに悪いことに、午後問題でどの問題を解くか決め切れていなかったことから、複数の問題に手を付けてしまいました。時間配分も何もあったものではありません。
かろうじて試験終了ギリギリで選択4題を解ききりましたが、手ごたえは皆無ですし、試験終了後は絶望感しかありませんでした。
自己採点時の心境
帰宅後落ち着いてから自己採点をし、午前は通過していましたが、想像していた通り午後の出来が絶望的でした。
記述式で採点基準が明確でなかったことから、甘めに採点した「楽観パターン」と厳しめに採点した「悲観パターン」の2通りの自己採点をしました。
すると、楽観パターンでも35点、悲観パターンに至っては20点という絶望的な出来でした。
落ちることしか考えておらず、試験のことは忘れようと思って日々を過ごしていました。
試験結果
確実に落ちていると思っていたので、合格発表を見るまでもないだろう、と思っていましたが、なんとなく気が向いて見てみることにしました。
すると、まさかの合格者一覧に自分の受験番号があったのです。
「噓でしょ!?これビリギャル!?」
「他の人の答案と間違えたんじゃないの!?」
と本気で思いました(笑)。
間違いだと思い採点結果も確認したところ、
午前:67.5点(午前の点数に関してはうろ覚えです。すみません。)
午後:61点
かなりギリギリとはいえ、確かに受かっています。
「奇跡ってあるものだ」
と身をもって学びました。
合格後の感想・振り返り
合格したと知ったときは天にも昇る心地で、多くの方から「おめでとう!」という言葉ももらえました。
しかし少しして冷静になり色々と考えました。
結果的に上手くいったとはいえ、「終わり良ければ全て良し」とは思えなくなっていました。
以下のような反省があったからです。
①インプットした後に過去問でアウトプットをしていなかった
試験1か月半前に気づいた失敗でした。もっと効率的に知識を定着させることができただろうと反省しています。
②試験前日・当日のコンディション管理がずさんだった
試験当日の状態はそれまでの準備と同じか、それ以上に重要だと身をもって学びました。寝不足でなければ、またカフェインを取りすぎていなければ、午後試験のときに時間に追われず冷静に対処できたかもしれないと今でも考えています。
それ以来、試験の前日は早めに寝るようにし、万全なコンディションを保つようにしています。
③試験本番でパニックになってしまった
言うまでもなく今回の試験最大の失敗だったと思っています。
システムアーキテクチャを解き終えた段階では、確かにペースは遅かったですが十分に巻き返しが可能な状態でした。にもかかわらず、それが極めて難しいと考えてしまったことが混乱を招いた最大の要因でした。
この一件以来、本番で時間が足りないと感じても冷静に対処できるようになりました。
また、パニックになってとしても事前に解くべき問題を決めていればそれほど大ごとにはならなかったのではないか、とも考えました。
事前に「解く問題」「解かない問題」の線引きをし、計画的に問題を解くべきだったと反省しています。
試験を通して得た学び
①切り替えの重要性
前述しましたが、パニックになった際「もうどうしようもない」と思いながら闇雲に問題を解いていました。
時間が足りないかもしれないという状況を冷静に受け入れ、気持ちを切り替えてを問題を解くことに集中できていれば、あのようなことにはならなかったでしょう。
この経験は仕事でも生かされ、単体試験で想定通りの結果にならなかった際なども冷静に原因を確認できるようになりました。
②最後まであきらめないこと
使い古された言葉ですが、改めて諦めないことの重要性を認識しました。
パニックを起こしたとはいえ午後試験を最後まで投げ出さなかったのは、
「これまでやってきたことをムダにしたくない」
「絶対に受かって力を証明してやる」
という気持ちがあったからではないかと思っています。
人生の壁を乗り越える上で知識や経験はもちろん大事ですが、最後にものを言うのはそういった強いマインドではないか、と考えるようになりました。
その後の人生においても、資格試験に挑戦し続けましたが、もちろんすべてがうまくいったわけではありませんでした。
受かった試験と同じくらい落ちた試験もありました。
それでも諦めずリベンジして合格を手にできたのは、諦めない気持ちはバカにできない、ということをこの経験を通して学んだからだと思っています。
おわりに
応用情報技術者試験は、学習範囲も広く、基本情報技術者よりも深い知識が問われるため勉強は簡単ではありません。
それでも、「諦めないこと」を念頭に置いて学習を続けていれば、必ず合格を手にできる試験でもあると思います。
そして合格後は、周囲の評価も変わるとともに、
「ダメな自分でもやり遂げられた」
という自信にもつながりました。
知識に不安を覚えていても、資格勉強を通して自信へと変え、さらなるステップアップを果たすことを願っています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。