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Inside Wine; 透明色
色
親が Desktop Window の場合の Win32 の Window は、X Windowで は、depth = 24 で、XCreateWindow() されます。これは、8*3 = 24 BIT の、RGB カラーに相当します。
dwExStyle に WS_EX_LAYERED 属性を指定して、かつ、完全透明色を用いている場合は、X Window 側の depth は、24 のままです。透明は、XShpae を用いて、実装されています。XShape は、本来は、長方形以外の輪郭を持つ Window を作成するためのものです。だから、実測では、一回辺り、完全に処理が終わるまで、0.15秒(150 ms)程度の比較的長い時間がかかります。それは、XShape の設計においては、Window の外形は、Window 作成時に一回だけ設定されることを前提にしているためでしょう。問題なのは、その速度が遅いことよりも、Linux の場合、XFlush()、XSync() を行っても、10 ms 程度ですぐに帰ってきてしまい、本当の処理が完了する 150 ms は、WINE や、アプリが感知する方法が見つからない事です。
このことは、再描画が必要な時には、いったん、InvalidateRect()で、(再描画が必要な事を示す)マークだけしておけば、メッセージ・キューに残されている未処理のメッセージ(比較的、マウスやキーボードのメッセージであることが多い)の個数によって直前または最近の描画の重たさを測ることで、今後の WM_PAINT の発行タイミングを自動調整する方針を取っている Win32 では、致命的な問題へと発展し、Linux OS の数分間以上の事実上のハングアップ(操作不能状態)に至ります。そうなった場合、マウスカーソルだけしか動かせなくなり、タスクバーも全く機能しなくなります。そのことは、後に述べる予定です。大筋で言えば、処理が追いついて無いのに大量の Request を X Server にとめどもなく発行してしまうために、待ち行列に未処理のリクエストが大量に溜まってしまった X Server を「救うため」、Linux システムが X Server のみに CPU リソースを与え、他の プロセスは、完全停止状態にしてしまうことが原因と考えられます。
X Window で、XShape を使わない本当の透明色
X Window で透明色を扱うのはとても簡単です。
XCreateWindow() を、depth = 32 として Window を作成するだけです。
これで、色値が、ARGB の A,R,G,B 構成となり、A が専門用語で「α値」と呼ばれる値になります。
A = 0 で完全透明、A = 255 で完全不透明となり、その間の値では、中間的な半透明となります。基本的には、最終的な色値 D2 は、その背面にある色値 D に対して、
D2 = (int)( ( D * (255.0 - A) + S * A ) / 255.0 );
のような計算式で計算されます。S は、上に重なっている所の物の色(ARGB の RGB 部分)です。
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