こんにちは。科学実験担当のお母さんです。
#ストームグラスとは?
ストームグラスは、19世紀からヨーロッパで使われていた天気予報の道具です。
わずかな気温や気圧の差で様々な形の結晶ができ、日々変化していくため、天気の予測に使われたそうですが、天気との相関については科学的な根拠は分かっていないようです。
ストームグラスが気になり始めて数年たち、市販のストームグラスを実際に購入して観察してみました。市販のものの価格は3,000円〜6,000ほどです。
実際に観察していると、夏場は全く変化が起こらず、不良品かと思っていたのですが、秋にかけての台風が頻繁に来るようになった時期に結晶ができ始め、日々姿を変えているように見えました。
インテリアとしてもとても美しいのですが、それだけではもったいないと思います。もっと定量的に天気との相関を把握することはできないのかと思い、自宅でストームグラスの作成に挑戦してみました!
#ストームグラスをつくってみよう!
すでに多くの方が自作されているとのことで、いろいろな方のレシピを参考に自宅で子どもたちと一緒に作りました。
色々とやってみた結果、一番結晶ができやすかった分量・配合を紹介します。
ストームグラスの材料
(容量200mlの場合)
- 樟脳 ...15g
- エタノール ・・・70ml
- 硝酸カリウム ・・・5g
- 塩化アンモニウム ・・・5g
- 精製水 ・・・60ml
子供たちが薬品を扱う際には保護メガネ、手袋とマスクを着用してもらいました。
液体をこぼしてしまったり、薬品を触った手で目や口を触るということもありますので十分大人や保護者が監督をしてください。
ストームグラスの作り方
- 樟脳を湯煎にかけながらエタノールに溶かします。
2. 瓶に硝酸カリウムと塩化アンモニウムを精製水に溶かします。
3. 1.の瓶に2.で溶かした溶液を入れ、完全に溶けるまで混ぜる。最初白っぽく濁り、だんだん透明になります。完全に溶かしきってください。
4. 瓶の蓋を閉めて完成。静かなところに置いて観察してください。
取り扱い上の注意
- ストームグラスはその日の天気だけでなく、お住いの地域や置き場所・部屋の温度などにも結晶のでき方が左右されます。
- 結晶ができない/変化しないこともあります。
- 小さなお子様の手の届かないところに保管してください。
- 中の溶液には触れないようにご注意ください。万が一、溶液がこぼれ、目や口に入った場合はすぐに水でよく洗い、必ず医師に相談してください。
#ストームグラスを観察してみよう!
作成直後は透明ですが、時間を置くと少しずつ雪のように結晶ができ始め、1〜2日後には結晶が瓶の1/3ほどの高さまでできていました。ここから観察を始めていきます。
観察は、デジタル温湿度計(ウエザーステーション)も一緒に並べて行ないます。
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2018年7月25日(日)天気:晴れ 気圧:1009hpa 気温:29℃ 湿度:57%
晴天が続いている間は結晶の量が少なかったのですが、台風が近づいており、ツン ツンと立つように結晶が成長してきました。
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2018年7月26日(日)天気:晴れ 気圧:1009hpa 気温:26.6℃ 湿度:58%
台風の接近にともない、気温が下がってきました。徐々に結晶が増えていきます。
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2018年7月27日(火)天気:晴れ 気圧:1008hpa 気温:25.9℃ 湿度:57%
気温・気圧ともに下がっています。結晶はだいぶ増えてきました。
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2018年7月28日(水)天気:曇り/雨 気圧:999hpa 気温:25.3℃ 湿度:69%
台風12号が夕方から夜にかけて東京に最接近。この日は瓶の水面すれすれのところまで樹枝状の結晶が成長しました。
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2018年7月29日(木)天気:晴れ 気圧:1005hpa 気温:29.0℃ 湿度:67%
台風が通り過ぎ、昨日までの結晶が少し減っていました。
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2018年7月30日(金)天気:晴れ 気圧:1007hpa 気温:27.0℃ 湿度:63%
穏やかな日となると、結晶がだんだんなくなっていきました。
以上、数日間の観察結果でしたが、少しは天気との関係がありそうです。
ただ、毎日毎日写真を取ったり、気温や気圧を確認するのは難しく感じました。
次回は自動で記録したいところです。
これから冬になりますが、このストームグラスが今後どんな変化を見せてくれるのか、楽しみです。今後は、気温や気圧、天気との相関をもっと詳しく観察していきます。
次回をお楽しみに!
「ストームグラスづくり」は、2018年11月3日〜4日の大阪市立自然史博物館で行われる「子供のためのジオ・カーニバル」にも出展する予定です。
http://www.geoca.org/