0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

OSPFでルーティング(CCNA第4回) 座学編

Posted at

OSPFでルーティング(CCNA第4回) 座学編

前章ではマルチアクセス環境でのOSPFを学習した。

前章

こちらの続きになります。まだ読んでない方はこちらからお読みください。

OSPFでのルーティング方法は?

image.png
上記のようなネットワークがある。Router1からRouter3への適切なルートはどこか。

メトリックの計算

image.png
今回の場合、オレンジ色と水色の2ルート考えられる。
OSPFでは、メトリックとして帯域幅から計算するコスト値を使用する。

オレンジ色はインターフェースを3つ経由しているためコスト3
水色はインターフェースを4つ経由しているためコスト4

結果、オレンジ色のルートが最短だと判断されルーティングテーブルに登録される。

OSPFでのコスト

コストは、OSPFでルーティングを行う上で大事な判断材料である。
コストは、

10^8 / 帯域幅(bps)

で求めることができる。

ファストイーサネットおよびギガビットイーサネットのインターフェイスでは、コストは1になる。

林口 裕志; 浦川 晃. シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200 -301 (p.347). 株式会社 翔泳社. Kindle 版.

等コストロードバランシング

image.png
上記のような最短ルートが複数発生する場合もある。
その場合、最大4ルートがルーティングテーブルに登録される。(今回は2ルート)

また、Ciscoルーターでは複数のルートがある場合、トラフィックを分散して異なるルートでの通信を行う。それにより、1つのルータにかかる負担を軽減させることができる。

ルートの変更

image.png
上記のようにデフォルトの帯域幅をそのままコストとして計算すると、1Gbpsでも100Mbpsでも同じコスト1として扱われる。しかし本来は、1Gbpsのほうが最適なルートである。そのため、コスト値を調整する必要がある。

調整方法

調整方法には以下の3種類がある。

  • インターフェースのコスト値を直接変更
  • コスト値の計算結果を変えるため、インターフェースの帯域幅を変更
  • コストの計算式の分子10の8乗の値を変更

image.png
この場合、10の部分はFastEthernetとしコスト値を直接変更した。

オレンジ色は10 + 10 + 1を経由しているためコスト21
水色は10 + 1 + 1 + 1を経由しているためコスト13

となり、水色が最短ルートとなる。

マルチエリア ( OSPF )

ルーターが数が膨大になると、ネットワーク全体を把握するために多くのリソースが必要となり、システムに負荷がかかってしまう。
そこで、インターフェイスをいくつかのグループに分けることで、負荷を軽減することができる。そのグループをエリアと呼ぶ。

保持情報

同じグループ内のルーター同士は詳細なトポロジを把握する。
その一方で、他のエリアの情報はルート情報のみ保持する。これにより、1ルーターのLSAの保持数を減らすことができる。

シングルエリアOSPF : 1つのエリアだけでOSPFを動作させる
マルチエリアOSPF : 複数のエリアでOSPFを動作させる

林口 裕志; 浦川 晃. シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200 -301 (p.347). 株式会社 翔泳社. Kindle 版.

バックボーンエリア

バックボーンエリアとは、すべてのエリア間の通信の通過地点となるエリアであるため必ず設定しなければならない。

ルーターの役割

役割 説明
内部ルーター 別エリアと接していないルーター
バックボーンルーター バックボーンエリアに所属するルーター。インターフェイスが1つでも所属していればバックボーンルーターとなる。
エリアボーダールーター(ABR) 二つ以上のエリアに所属しているルーター
ASバウンダリールーター(ASBR) 外部(OSPF以外)のネットワークに所属しているルーター

image.png

付録

パッシブインターフェイス

OSPFでは通常、OSPFを有効にしたインターフェースの情報(LSA)とHelloパケットが送信される。
しかし、PCやサーバーと接続されている側のインターフェイスからHelloパケットを送信する必要はない
そこでOSPFを有効にしながらも、Helloパケットを送受信しないようにすることを、パッシブインターフェイスという。

MTUのサイズ

MTUとは1度の通信で送信できるパケットの最大サイズのことである。
このMTUの値よりも大きいサイズのDBDパケットを受信できない
そこで、対向ルーターとMTUの値を同期するか、MTU不一致を検出する機能を無効にすることで解決できる。

参考文献

  • 林口 裕志; 浦川 晃. シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200 -301 (p.325). 株式会社 翔泳社. Kindle 版.
  • https://note.com/sato_manabi/n/nb179b5e60762
0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?