はじめに
基本情報技術者試験を受験したので、取り組んだこと共有します。沢山の方が基本情報技術者試験の学習方法を発信されています。この記事の内容はあくまで1サンプルとして、過信し過ぎず、参考程度にしていただけたら幸いです。
著者について
駆け出しWebエンジニアです。バックエンド(PHP, Laravel)が得意ですが、受験当時はまだ開発現場でのコーディング経験はほとんどありませんでした。実は1年ほど前にもこの試験を受けましたが、不合格でした。そのため、2回目の受験となります。
試験情報
こちらのリンクをご確認ください。
学習期間、受験日、受験結果
学習期間:7週間(1.5ヶ月)
受験日:2023年7月17日(月)
受験結果:科目A 670点、科目B 640点
600点が合格ラインなので、かなりギリギリですね。。。まぁ結果オーライです。👍
学習方法
科目A
利用教材
下記の2つの教材を用いて学習しました。
概要理解
まず、すーさんの動画を1周して、概要の理解を行いました。IT知識が全くない方は、2周見るのが良いと思います。各項目を図解で丁寧に解説されていて、体系的にまとめられており、非常にわかりやすいです。基本情報技術者試験に関するYouTubeの中で、最もわかりやすいと感じました。無料とは思えないほど素晴らしいクオリティーなので、本当に感謝しております。
実は「キタミ式イラストIT塾基本情報技術者試験」という書籍を購入したのですが、私には合わなかったです。かなり分厚い本でやる気が削がれてしまったのと、書籍での学習が苦手だったこともあり、一瞬で挫折しました。ただし、優良な書籍であることは間違いないので、購入するのはアリだと思います。
過去問演習
概要理解が終わったら、過去問道場を用いて学習しました。科目Aでは過去問から多くの問題が出題されるため、過去問を暗記することが大切です。質より量を重視し、スピード感を持ってひたすら解きまくりました。
私は過去8回分を2〜3周行いました。私の結果がギリギリだったので、できれば過去10回分を3周した方が良いです。過去8回分を取り組んだので、「令和3年免除→令和2年免除→...→平成29年秋期→平成29年春期(1周目完了)→令和3年免除(2周目開始)→...」という流れで進めました。分野指定での絞り込みは行わずに取り組みました。(必要であれば、分野指定を行っても良いと思います。)
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統計情報について
統計情報では直近2回分の過去問は流用されていないとのことですが、2023年4月以降の新形式になってからは通年受験となったので、1回分というのが正直何を意味するのかよくわからなかったです。(私が受験したのは令和5年夏頃なので、令和5年春期と令和4年秋期が直近2回分になるんですかね?)気になる方は、最新2回分の過去問(上の画像で言うと令和3年免除、令和2年免除)を省いて取り組むのが良いと思います。
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不正解の選択肢も確認した方が良い?
科目Aは4択問題です。試験本番で過去問が流用された場合、問題文の内容、選択肢の内容、選択肢の順番が一切変えられずにそのまま出題されます。つまり、4つある選択肢のうち、正解の選択肢のみ確認すれば良いということです。私は下の画像の赤枠部分のみ確認し、問題と選択肢をセットで覚えていました。不正解の選択肢に関しては、その選択肢が正解になっている問題とセットで覚えれば問題ないです。
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朝は「理解」、夜は「記憶」
朝と夜で脳の活動が異なります。朝:「理解」 するのに適している。睡眠後、脳はリフレッシュされており、集中力が高まる。これにより、新しい情報を取り込みやすく、考えるのが容易になる。
夜:「記憶」 するのに適している。夜はその日の経験や学びを脳が整理する時期で、睡眠中にこれらの情報が定着しやすくなるため、寝る前の学びは記憶に残りやすい。つまり、朝に計算問題を解き、夜に暗記を行うと、効率が良いです。私は過去問を解き始めた時に、朝に暗記して夜に計算問題を取り組んだことがあったのですが、かなりパフォーマンスが悪かったです。このようなことにならないよう、時間帯に合わせて適切に学習する内容を選択してください。オプション項目のチェックボックスで切り替えができるので、この機能を活用することをおすすめします。
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「全ての問題を解く→間違えた箇所を復習する」を繰り返す
過去問道場で1回分の全ての問題を解き終えたら、間違えた箇所のみ改めて復習を行いました。自身のユーザーIDをクリックし、学習履歴を選択すると、過去に解いた問題の一覧を閲覧できます。問題を解き終わったら、正誤の箇所で×(不正解)
または-(未回答)
になっている問題を復習しました。該当する問題の出典をクリックすると、別タブでその問題と解説が表示されるので、とても便利です。全部の問題を解き、間違えた箇所を復習するというサイクルを直近8(~10)回分行いました。これで1周目が完了となります。
1周目が完了したら、2, 3周目も同様に、全ての問題を解いて、間違えた問題とわからなかった問題を学習履歴を活用して復習しました。2, 3周目も全部の問題を解くというのがポイントですね。理由は2つあります。- 全部の問題を解くことにより、全ての問題で思い出そうとするプロセスが行われるため、より記憶に定着するから。
- 1周目で正解した問題でも、2, 3周目で間違えてしまう可能性があるから。
特に前者の方が重要です。暗記において、思い出せても思い出せなくても、思い出そうとする行動によって記憶に定着することが、科学的に証明されています。そのため、私の場合は、「全部の問題を解く→間違えた箇所を復習する→全部の問題を解く→間違えた箇所を復習する→...」を繰り返していきました。
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最初は正答率が低い...
最初は正答率が20〜50%で不安になるかもしれませんが、そこまで心配しなくても大丈夫です。繰り返していけば少しずつ正答率が上昇していきます。
私の場合は、試験数日前で初見の問題を70%以上で取れていることを目標にしていました。(実際は、60%台でした。。。) -
科目A対策やり込み過ぎ注意
科目Aと科目Bを比較すると、科目Bの方が難易度が高いと感じました。そのため、科目Bの対策により多くの時間を充てたいです。科目Aの対策に時間をかけ過ぎてしまい、科目Bの対策が疎かになってしまうケースはよくあるので、ご注意ください。科目Aの正答率が満足のいく結果に到達していなくても、事前に期限を決めて、途中から科目A対策と並行して科目B対策も行うと良いと思います。
科目B
利用教材
下記の2つの教材を用いて学習しました。
アルゴリズム
最初にアルゴリズムについて記載します。科目Aと同様に、まずはすーさんの動画を視聴し、科目Bの雰囲気を掴んでいきました。アルゴリズムの記述様式などを学べるのでおすすめです。2023年7月当時、すーさんのアルゴリズムに関する動画のボリュームはまだあまり多くなかったので、加えてIT学校さいとうさんという方の動画も参考にさせていただきました。サンプル問題、過去問題、オリジナル問題など、アルゴリズムの対策内容を詳しく解説されています。新形式に変わってから数ヶ月しか経っていなかったため、新形式のアルゴリズムに関する情報が少なく対策が難しかったのですが、オリジナル問題等で学習することができたので、大変助かりました。
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自力で解けるまで取り組む
科目Bは科目Aとは異なり、量より質を重視した方が良いです。アルゴリズムは考え方を理解しているかがカギになってくるので、問題を自力で解けるかが重要です。そのため、解説を見る前に、自力で解いてみるというプロセスを必ず挟んでください。最初はかなり難しいと感じますが、それでもできる範囲で自力で取り組んでみて、その後に解説を確認してください。間違えたらもう一度その問題を解いてみて、自力で解けるまで取り組んでください。そうすることで、類似問題が出題されても対応できるレベルに近づけると思います。 -
アルゴリズムは朝に取り組んだ方が良い
科目Aの方でも記載しましたが、脳の活動は『朝は「理解」、夜は「記憶」』するのに適しています。寝る前にアルゴリズムを解いても、正直効率が悪いです。朝または昼の時間帯で、アルゴリズムを取り組むのが良いと考えています。
情報セキュリティ
情報セキュリティについても記載します。情報セキュリティは旧形式(2023年3月以前)と出題形式や内容は変わらないので、過去問道場で対策できます。私の場合、すーさんの動画を確認した後、過去問を1回分解いて終わりました。正直1回分では心配なので、最低3回分は取り組むことを推奨します。
科目B対策 動画リンク集
- 【基本情報技術者試験YouTuber】すーさん
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【短期間でIT資格取得】IT学校さいとうさん
- 公式サンプル問題:【2023年版】基本情報技術者試験完全攻略(科目B解説編)
- 公式サンプル問題:【最短最速】科目B公式問題|基本情報技術者試験(2023年新方式対応)
- 過去問題:【最速】科目B公式過去問を徹底解説(基本情報技術者試験)
- オリジナル問題:【初心者向け】基本情報技術者試験 科目B|アルゴリズムをゼロから理解する
- オリジナル問題:【問題演習付き】科目Bアルゴリズムはこう解け(基本情報技術者試験)
試験当日
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コンディションを整える
当たり前かもしれませんが、睡眠は大事です。寝不足だと、パフォーマンスが悪くなり、実力を発揮できません。しっかり睡眠を取ってから試験当日を迎えるのが良いと考えています。また、私の場合は午後14時から試験開始だったので、事前に仮眠を取ってから試験会場に行きました。これにより、昼過ぎの眠気を回避することができました。 -
計算用紙の配布
私が受験した試験会場では、試験開始前に計算用紙を1枚だけ貰えました。「できればあと2, 3枚欲しいです。」と係員の方にお伝えしたところ、「試験開始前は1枚しか配布できません。追加で必要な場合は、試験中にインターホンを鳴らしてください。その際に、1枚用紙をお渡しします。」とご返答をいただきました。試験開始前は1枚のみの配布で、もっと必要な場合は、試験中にインターホンで呼び出して1枚ずつ追加で配布されるというルールがありました。ただし、このルールは試験会場(テストセンター)によって変わるので、試験当日に係員の方に確認してください。 -
持ち込み可能なもの
・ハンカチ
・ポケットティッシュ
・目薬
基本的には、本人確認書類以外は持ち込めません。自身の筆記用具や腕時計は持ち込めないので、ご注意ください。ただし、上記のものは、係員に確認をしてもらうことで持ち込むことができます。私は目薬を持ち込みました。上記の中で試験会場に持ち込みたいものがある場合は、係員の方に聞いてみてください。 -
科目A
科目Aの試験時間は90分間です。個人的には丁度いい時間だったと感じました。一通り全部問題を解いて、見直しもできたので、長過ぎず短過ぎずといった感じです。 -
休憩は10分間
科目A終了後、10分後に科目Bが開始となります。10分は本当に短いです。私の場合、トイレに行って、廊下で軽い運動(屈伸など)をして、その10分間を終えました。 -
科目B
科目Bの試験時間は100分間です。この時間は個人的に短いと感じました。時間配分を間違え、まだ解いている途中で試験終了となってしまったので、もう少し上手く対処できたと反省しています。解けるイメージができている問題を優先的に着手することが大切です。
科目Bは先に情報セキュリティを解く方がベターだと考えいます。科目Bの後半で、脳に疲労が溜まった状態で長文読解に取り組むのは、ハードモードになると思います。まず最初に情報セキュリティを解き終え、その後アルゴリズムに着手することを推奨します。 -
試験終了!
科目Bの試験終了時刻となり、画面が切り替わると、自身の試験結果が表示されました。後日試験結果が伝えられると思っていたので、驚きました。試験結果は、IPAの受験者マイページでも確認することができます。
基本情報技術者試験ドットコムに「試験当日の心得」が記載されているので、共有いたします。
参考情報
基本情報技術者の対策を行う上で、参考になる情報をピックアップしてみたので、共有いたします。
教材
- Web
- 過去問道場 (オススメ!)
- 書籍
- キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 (科目A対策)
- 栢木先生の基本情報技術者教室 (科目A対策)
- 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 (科目A/B両方対応)
- 情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B] (科目B対策)
- うかる! 基本情報技術者 [科目B・アルゴリズム編] 福嶋先生の集中ゼミ (科目B対策)
- YouTube
- Udemy
Qiita
さいごに
今まで真面目に書きましたが、正直に言うと、試験勉強はとても面倒臭い作業でした。私は資格に対して熱意やモチベがあまりないので、怠さを感じつつ勉強していました。今回の資格は、会社から言われて受けたのではなく、自発的に受験したので、「これ実際やらなくても良かったのでは?」と何度も思いました。ただ、私はまだ駆け出しのエンジニアなので、IT分野に関して広く浅く、網羅的な知識を習得できる良い機会だと思い、我慢して取り組みました。合格できて、ほっとしています。今のところ、試験で学んだ知識を仕事で活かせていないことが少し残念ですね。
あと、現時点では、応用情報技術者試験を受けるつもりはありません。本来は、基本情報を取った後に応用情報を受けると、覚えたこと忘れる前にそのまま活かせるので、有利なのはわかります。ただ、先ほども記載したように、資格に対して熱意やモチベがあまりないので受験しません。いつか、必要だと判断した場合は、受験しようと考えています。
冒頭でも記載した通り、この記事を1サンプルとして、他の情報も参考にしつつ、取り組んでもらうのが良いと考えています。私は高得点を取ったわけではないので、他にも良い方法はたくさんあるはずです。ご自身に合った方法で取り組んでみてください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。基本情報技術者試験の勉強、応援しております!😊 皆さんが合格できますように!🙏