初めに
こんにちは。Google Developer Groups on Campus(GDGoC) TCUでCo-organizerをしているYukiです。
2023年の9月に私の大学でGoogle Developer Student Clubs(GDSC、現在はGoogle Developer Groups on Campus)を立ち上げ、2年目に突入したのですが、参加してくれている人は少なくないとは言え、まだ多いとも言い難い状況です。
Google Developer Student Clubsのプログラムが日本に来たのが3年前なので、そもそも日本ではまだまだこのプログラムを知らない学生が多い or 怪しい団体だと思われているのでは?と思い、実際にコミュニティを率いたり、参加した学生の目線から記事を書くことにしました。
Google Developer Groups on Campusに興味があるけど、具体的に何をしているのかよく分からないという方にとってお役に立てば幸いです。
学生が個人で書いた記事になります。
情報が正確でない可能性があることを、予めご了承ください。
GDSC / GDGoCって何の略?
GDSCはGoogle Developer Student Clubsを略した表記です。正式名称で毎回表記すると長いので、GDSCと表記してしまうことが多かったです。
そして、GDGoCはGoogle Developer Groups on Campusを略した表記です。もう既に色んな略が出てきてややこしいですが、ここで大事なことはGDSCは現在GDGoCになっているということです。
これは2024年の9月にリブランディングがあり、そこから名称変更となりました。名称変更以外にも細かいルール変更等はあるのですが、参加者目線では特に変わったことはありません。
じゃあなぜ名称変更の話をしたのかと言うと、今インターネット上にあるほとんどの情報はまだGDSC表記なんです。なので、この名称変更が浸透するまでの間はGDSCという名前をまだ見かけるかなと思います。
GDGoCって何?
GDGoC Japan 上の説明
GDGoCはGoogle for Developersのコミュニティの1つです。goo.gle/gdsc-jpによると、GDGoCプログラムは、Google のテクノロジーに関心のある学生向けのコミュニティとなっています。
GDGoCはグローバルに展開されており、米国を初めとする、ヨーロッパ、オーストラリア、東南アジア、アフリカ、インド、中東・北アフリカ。ラテンアメリカ地域など、合わせて113カ国以上、1500の拠点から世界中の学生たちが活動しているプログラムとなっています。もちろん、日本でも、20以上の拠点があります。
このプログラムでは、学生が日々直面している身近なコミュニティにおける問題を、テクノロジーの力で解決することを目標にしているとなっています。
ここまで聞いた感じだと、もしかしたらハードルが高いものに聞こえるかもしれませんが実際はもっとハードルが低いはず!
1人の学生から見たGDGoC
Yukiから見たGDGoCってどんなものかと言うと、Google のテクノロジーを中心として、技術を使って何かを作ることに関心のある学生が集まり、実際に使われている技術を勉強したり、社会で活躍されている方のお話を聞いたり、色んな人と交流したりしながら、大学で学ぶ理論を実践に繋げていく場と考えています。
そして、最終的には何か身近で感じた課題を少しでも解決できるようなプロダクトを作ることができるようになることを1つの最終目標としていくというような感じだと思っています。
最終目標はプログラムの掲げているものであるものの、初めは未経験から参加することもできると思います。GDGoCが開催するイベントには様々なレベルの物があり、プログラム初心者に向けたものや経験者に向けたもの、中には特定の分野を深く掘り下げるイベントなんかもあったりします。
そのようなイベントを通して、参加したメンバーが自分のできるやり方で、GDGoCの目標である「身近なコミュニティにおける問題を、テクノロジーの力で解決する」ことを達成していくことを目指していきます。
シンプルにまとめると、GDGoCは技術を使って何かを作ることに関心がある全ての学生に向けて開かれたコミュニティであると考えています。
どんな運営体制?
GDGoCは少し変わった運営体制なので、初めての方にとって分かりづらいかもしれないと思うので、ここで明確にしていきたいと思います。
まず、GDGoCは1つのとても大きな組織によって全て運営されているわけではありません。各学校でGDGoCのサークルを設立し、学生によって運営されます。設立された各学校のGDGoCのことをGDGoC Chapter(チャプター)と呼びます。各GDGoC チャプターのリーダーはGoogleによって選出されます。
大きなコミュニティ共通の目標はあるものの、その目標への向かい方は各チャプターで様々です。各チャプターに合った運営方法でコミュニティ活動を行っています。
また、Googleの方から、コミュニティガイドラインに則ること以外に活動に関する指定されることはありません。
どんな事をするの?
GDGoC では一般的なサークルのように、定期的に集まって活動するだけでなく、各チャプターでイベントを開催し、活動しています。
イベントは不定期で開催されることが多く、各チャプターではメンバーの興味等を元に、様々な内容でイベントを開催しています。
GDGoC がイベントとして行う活動はざっくりと分けるとこんな感じです。
- 勉強会・ワークショップ
- ハッカソン
- 開発プロジェクト
- トークセッション(キャリア / テクノロジー)
- 交流・発表会
どのイベントも、各チャプターの学生が主体となって企画・運営しています。
ここからは、各カテゴリーについて触れながら、これまでどのようなイベントが開催されてきたかについて、紹介していきたいと思います。
勉強会・ワークショップ
勉強会やワークショップではGoogleのテクノロジーを始め、学生が興味を持っている技術を中心に集まって勉強したり、実際に手元で動かしながら学んでいっています。
未経験者でも大丈夫!基礎から学ぶウェブサイト制作 (合同開催)
合同新歓も兼ねたイベントとして実施され、Google 渋谷オフィスに集まり、HTMLとCSSの基礎を学び、参加者同士でグループを組み、Webサイト制作を行われました。
また、Googleの方による、キャリアトークセッションも行われました。
0から始めるプログラミング (GDGoC TCU)
プログラミングが未経験の学生に向けて、プログラミングの基礎を7日間で学べる勉強会を開催されました。
1日30分で開催され、Pythonで"Hello, World!"を出力するところから、繰り返しまで、基礎を学ぶ勉強会となっていました。
はじめてのGoogle Cloud (GDGoC Kyutech)
Google Cloudを用いてREST APIを構築するワークショップが開催されました。
Google Cloud Skills Boostというサイトを用いており、Google Cloudにおける高額請求が来ないような仕組みの上で勉強を行っていました。
VMベースとCloud RunでそれぞれREST APIの構築を行いました。
動画
資料
Python + Gemini + Discord Workshop (GDGoC TCU)
プログラミング入門者に向けて、Python と Gemini を組み合わせて、Discord 上で動作するチャットアプリの開発ワークショップが開催されました。
Google の生成AIであるGeminiを用いて、英単語について解説をするアプリを開発しました。
Flutter勉強会 (GDGoC TUAT)
Flutterを用いて物語を作るアプリを開発するワークショップが開催されました。
gemma+langchainでRAG製作ハンズオン (GDGoC UT)
GoogleのOSSLLMであるGemmaを使ってLangChainを使ってRAGを作る方法を解説するハンズオンが開催されました。
このように各チャプターでは様々な技術・レベルで勉強会を行っています。
ハッカソン
学んだ事を活かして、短い期間で実際に何かを作ってみることがハッカソンです。
ハッカソンという言葉は、システムの解析や改良を意味する「ハック(Hack)」と「マラソン(Marathon)」を組み合わせた造語です。1
Solution Challenge Japan 2023
GDSC でグローバルに開催されていたSolution Challengeの前の練習として、日本内で「大学生活を豊かにするアプリケーション」をテーマにハッカソンが開催されました。
開発された作品等はこちらのハッシュタグから確認できます。↓
GDSC Japan Summer Hackathon (合同開催)
チームで開発経験を積みたい学生向けに、参加者同士でチームメイクされた初対面同士の学生で協力しながら、2日間でFlutterを用いてアプリを開発することに挑戦するハッカソンが開催されました。
開発期間の前に1週間勉強期間が設け、関連した技術について学ぶ勉強会も開催されました。
開発プロジェクト
パンの取り置きアプリ (GDGoC Osaka)
地元のパン屋さんと連携し、パンの取り置きアプリを開発するプロジェクトが行われました。
トークセッション(キャリア / テクノロジー)
テーマを決めてLT(Lightning Talk, 短いプレゼンセッション)を行ったり、Googleの方やGoogle Developer Expertsの方、現役エンジニアの方等をお呼びして、
何かをお話していただくことがあります。
機械学習のプロフェッショナルとして働く人のキャリアパス (GDGoC TCU)
Googleの方とGoogle Developer Expertの方にご登壇いただき、どのようなキャリアを構築し、どのような事を大切にされているのかお話していただきました。
学生集まれ!!低レイヤーLT交流会 in LayerX (合同開催)
低レイヤーにフォーカスを当てて、学生や社会人の方がLT(Lightning Talk)を行いました。
技術書ビブリオバトル (GDGoC Osaka)
それぞれの参加者が事前に自分の好きな技術書を読み、その内容を5分間のLTで紹介するイベントが開催されました。
バトルということで、最後は投票で1位が決定されました。
交流・発表会
GDGoC Japanのメンバーがチャプターの垣根を超えて、交流をしたり、開発した作品について発表を行うイベントもあります。
GDSC Expo 2023 (合同開催)
全国の学生エンジニアが集まり、交流会を通じて様々な学生と交流できるイベントとなっていました。
交流メインのイベントでしたが、スポンサー企業によるLTやGoogle Developer Expertによるトークセッションもありました。
GDSC Japan Convention (合同開催)
全国の学生エンジニアが集まり、学生自身が開発経験を振り返り、共有するイベントになっていました。
開発経験共有プレゼンと展示会の2つのセッションがあり、開発経験プレゼンでは、学生が何らかのアプリの開発を通して得た経験や失敗、学びをプレゼン形式で共有しました。
また、展示会では学生が開発した作品の展示を行い、参加者同士で開発したものを見せ合ったり、作品についてより深めた話を行いました。
他団体との繋がりについて
先ほどのイベント紹介の中には合同開催のものがいくつかありました。これは日本のGDGoC Chapterが共同で開催する、少し規模の大きめのイベントになっています。
また、GDGoC内だけに留まらず、同じくGoogle Developer コミュニティである、Google Developer Groupともコラボすることがあります。
それだけでなく、時には企業様にもスポンサーとして、イベントの支援をしていただくこともあります。
GDGs Innovative Crosstalk at 東大 【関西 x 東京】
AI時代に求められるソフトウェアエンジニアリングスキルや実践的な知識をテーマに、現役エンジニアや研究者が多彩な講演を行いました。
GDG Kobe in 広島大学 「デザインスプリント」と Gen. AI
デザインスプリントや、Generative AIに関する情報など最先端のソフトウェア技術を短時間で効率よく吸収できるセミナーが開催されました。
GDSC Japan Conventionイベントレポート! 新卒1年目エンジニアが外にでて実感した、ITに興味をもつ学生のリアル (株式会社ブレインパッド)
GDSC Japan Conventionにスポンサーしていただいた株式会社ブレインパッド様からイベントレポートを公開していただきました。
どうやって参加するの?
ここまで、Google Developer Groups on Campusで活動している内容についてまとめました。
このような活動に興味がある方は、ぜひ何らかのイベントに参加してみてください!
ほとんどのイベントは他学校からの参加が可能なように整備されていると思います!(募集要項を確認してみてください!参加可能対象者が書かれていると思います。)
とはいえ、GDGoCは各チャプターで運営が行われている分、GDGoCで今行われていることを知るには少し情報が発散しています。なので、ここでは情報がある程度まとまっている場所について紹介したいと思います。
X アカウント @gdscjp
GDGoC Japan全体で共同運営しているXアカウントになります。
規模の大きめなイベントはこちらのアカウントから告知されることが多いので、ぜひフォローをして最新情報をチェックしてみてください!
GDGoC Japan Discord
GDGoC Japan に興味のある方に向けて、コミュニティメンバーと交流できる場を用意しています。
コミュニティの雰囲気を知りたい方や、実際のメンバーから話を聞いてみたい方はぜひご参加ください!
Google Developer Groups (gdg.community.dev)
英語のサイトなので、難易度が少し高いですが、Google Developer Groups on Campus と Google Developer Groupの全てのチャプター一覧が載っています。
自分の学校にGDGoCが設立されているかどうかはこちらで確認できます。
各チャプターのホームページ / SNS アカウント
各チャプターでは自身のチャプターの宣伝を行うために、ホームページを整備していたり、SNSアカウントを持っていることがあります。
ぜひ、「GDGoC 学校名(英語がおすすめ)」で検索してみてください。
ヒットするかもしれません!
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https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20230421_hackathon.html#:~:text=%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%A8%80%E8%91%89%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0,%E3%81%9F%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 ↩