GrADSとは?
GrADSとはGrid Analysis and Display Systemの略で、気象学・気候学など地球科学関連のデータを可視化するための対話式ソフトウェアです。
気象系企業で働いていた頃はよく使っていたのですが、しばらく使っていなかったらコマンド類はすっかり忘れてしまいました(笑)。
今まではLinux系OSで使っていたのですが、今回初めてMacにインストールしてみて、うまくインストールできなかったので、記事にまとめて残したいと思います。
前準備
MacでGrADSを動かすには、Mac用のX11が必要です。事前にXQuartzをインストールします。
最新のGrADSをインストールしたが…?
macOS用にビルドされたGrADS最新版を、GrADSホームページからダウンロードします。この記事を書いている時点では、2.2.1が最新でした。
さてダウンロードした grads-2.2.1-bin-darwin17.5.tar.gz を適当なディレクトリに置いて(一般によくある設置場所はありますがここでは触れません)展開し、/<設置したディレクトリ>/grads-2.2.1/bin/ にパスを通して以上、完了!
…と思っていたのですが、実際にgradsを起動するとこんなエラーが発生。。
dyld: Library not loaded: /Users/jma/grads/supplibs/lib/libpng15.15.dylib
Referenced from: /<設置したディレクトリ>/grads-2.2.1/bin/grads
Reason: image not found
何、これ?
**/Users/jma/...**って何?そんなユーザーいないよ?
というかjmaって、JMA = Japan Meteorological Agency = 気象庁のことじゃない??
これは…もしかして、完全に憶測だけど、気象庁の職員の方がGrADS開発に関わっていて、Mac用にビルドした際に自分のローカル設定が入っちゃってることに気づかず配布しちゃったってこと???
いずれにしろ、この最新版は使えないってことですか…?
最新版をソースからビルドする
仕方がないので、ソースから自分でビルドすることを試みました。GrADSホームページにビルドする方法は掲載されていたので、興味がある方はこちらを試してみてください。
僕自身は…Supplemental Librariesのncursesのコンパイルができず、早々に諦めてしまいました。
古いバージョンのGrADSを使う
結局、私は古いバージョンを使うことにして、ここから2.0.2を入手してインストールしました。
ftp://cola.gmu.edu/grads/2.0/
こうして、今度こそとgradsを実行すると、無事になじみあるGrADSのウィンドウを立ち上げることができました。
※ちなみにバージョンの2.1も、私の環境ではうまく動作しませんでした。
あとがき
今回は昔作ったスクリプトをそのまま使えるのでGrADSをインストールしましたが、なんかもう古い・・・と言ったら語弊がありますがそんな印象もあるので、Pythonあたりで同等の可視化をしてみたいと思っています。
また、そもそもGRIB2を読み込んで任意の要素で可視化できるようなアプリがないか探しています。もし情報ありましたら共有させていただけると嬉しいです。