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VirtualBox上ゲストOSにssh接続する&ゲストOSからインターネット接続できるようにする。

Last updated at Posted at 2018-03-28

目標

VirtualBox上OSで作業するとき、ホストOSとの画面の切り替えがめんどくさかったり、ゲストOS内でブラウザの処理が遅かったり、言語などのOS設定のカスタマイズが必要だったり、案外手間が多い。そこで、VirtualBoxからはバックグラウンドでOSを立ち上げ、puttyなどでゲストOSに接続する方法を紹介する。その際、ゲストOSがインターネット接続可能な設定を行う。また、最後に、ゲストOSを jupyter notebook のサーバとして動作させる例を挙げる。

設定の概略

ホストOS-ゲストOS間に二つのネットワーク設定を構築する.一つは,ホストOSからゲストOSにssh接続する用のネットワーク "Host-Only Adapter" ,もう一つは,ゲストOSからインターネットに接続するためのネットワーク "NAT" である.本ブログではこれらの設定の仕方を解説する.

実行環境

  • ホストOS: Windows 10
  • ゲストOS: Ubuntu18
  • VirtualBox version 5.2.7
    ※ 今回はUbuntで設定しましたが,Linux系OS であればほぼ同様の操作で同じことができるはずです.

VirtualBox上の設定

(i) まず,VirtualBoxマネージャーの画面から,「ファイル」->「環境設定」->「ネットワーク」とたどり,"ホストオンリーネットワーク" のタブを開き,既に存在する "VirtualBox Host-only Ethernet Adapter" を右クリックし,「ホストオンリーネットワークを編集」を選択する.もし,存在しない場合は,右のアイコンから新しく作っておく.
(追記)新しい Virtual Box のバージョンでは,マネージャーを立ち上げて,右上のグローバルツールからホストネットワークマネージャーを開く.

host-network-manager.png

次の二つの操作を行う.

  1. 「アダプター」タブの "IPv4" のアドレスをメモしておく.また, "IPv4 ネットマスク" が "255.255.255.0" になっていることを確認する.
  2. 「DHCPサーバ」タブを開き,「サーバーを有効化」のチェックを外す.これはゲストOSのネットワーク設定を手動で設定するときに,DHCPで設定されたIPアドレスと被ることを防止するために一応設定しておく.

(ii) 次に,VirtualBox でゲストOSのネットワーク設定を開く.Adapter 1のタブを開き,"NAT"にする.

VM-nat.png

(iii) 次に,Adapter 2のタブを開き, "ホストオンリーアダプター" に設定する。"高度" の項目は特に変更を加えていない。

VM-host.png

ゲストOS上の設定

まずは,VirtualBox上で設定した二つのネットワークにつながっているゲストOS上のネットワークアダプタの名前を知る必要がある.
$ ip aコマンドでネットワークデバイスの情報を確認する.

ip-a.png

"enp0sx" のようなアダプタが二つあり,番号の若いほうが "NAT" で,大きいほうが"ホストオンリーアダプタ"と思ってよい.次は "ホストオンリーアダプタ" である "enp0s8" の設定を変更する.

今回は設定を変更する方法を三つ紹介する.どれかひとつをやればよい.

  1. GUI を使ってサクッと変更する.
  2. Ubuntu のバージョン16 以下の設定方法(/etc/network/interfaces)
  3. Ubuntu のバージョン17 以上の設定方法(/etc/systemd/network/nep0s8.network)
    CentOSでは "/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-enp0s8" を編集する方法があるらしい.

1: GUI でホストオンリーネットワーク設定

Ubuntu の場合,右上のメニューからネットワークインターフェース (この例ではenp0s8)を選択して,Address を変更する.Gateway は空で,DNS はホストネットワークマネージャーで見たアドレスにする.

enp0s8.png

設定を反映するためネットワークを再起動する.

$ sudo service networking restart # centOS の場合はsystemctl restart network.service

ip aでネットワーク設定を確認してみて,まだ変わってない場合はシステムごと再起動する.

2: GUI 使わないでUbuntu 16 以上の設定

"/etc/network/interfaces" を次のように変更する.

interfaces.png

ここでポイントとなるのは,

  1. address に設定したい IP アドレスを指定すること
  2. dns-nameservers にホストネットワークマネージャーでみたアドレスを設定すること
  3. gateway はあえて設定しない.デフォルトゲートウェイは NAT のenp0s3 の方を使いたいから.
  4. 他は適切に設定する

設定を反映するためネットワークを再起動する.

$ sudo service networking restart # centOS の場合はsystemctl restart network.service

ip aでネットワーク設定を確認してみて,まだ変わってない場合はシステムごと再起動する.

3: GUI 使わないでUbuntu 17 以上の設定

"/etc/systemd/network/enp0s8.network" というファイルを作り,次のように記入する.

[Match]
enp0s8

[Network]
Address=192.168.151.100
DNS=192.168.151.1

設定を反映するためネットワークを再起動する.

$ sudo service networking restart # centOS の場合はsystemctl restart network.service

ip aでネットワーク設定を確認してみて,まだ変わってない場合はシステムごと再起動する.

ネットワークが正しく設定できているか確認

最後にネットワークの設定を確認してみる.route コマンドで,デフォルトゲートウェイが "NAT" ネットワークに接続している "eth03"のみになっていることを確認する.もしデフォルトゲートウェイが二つ以上ある場合,(特にeth08に設定されている場合)間違ったルーティングでパケットを送信してしまうため,インターネット接続が確立できない場合がある.

route.png

インターネット接続を試してみる.

ping google.com 等で接続を試す.ネットワークがつながってない場合,NAT 側のルーティングに問題があることが考えられる.

ssh 接続できるか試してみる.

Tera Term などの ssh アプリケーションでログインを試してみる.
ログイン先は,ネットワーク設定で変更したアドレスで,上の例では 192.168.151.100 に当たる.

teraterm.png

もしもssh接続できない場合

  • openssh-serverをインストールしてあるか確認する。
  • SELinuxを無効にし,ファイアウォールの設定を無効にしてあるか確認する.下の「鍵認証で"refused"される場合」を参照
  • ゲストOSのsshの認証設定(鍵認証orパスワード認証)が認識とあっているか確認する.

おまけ:鍵認証で"refused"される場合

puttyで鍵認証ログインするとき、正しく公開鍵を設定したにもかかわらず拒否される場合がある。getenforceコマンドでEnforcingとなっている場合、SELinuxが原因となっている可能性がある。setenforce 0コマンドでSELinuxを一時的に無効にしたり、

# vi /etc/selinux/config
SELINUX=disabled

で永続的に無効にしたりすると治る。
(参考:https://eng-entrance.com/linux-selinux、http://next49.hatenadiary.jp/entry/20140620/p1)

おまけ:ゲストOSをバックグラウンドで立ち上げる方法

ゲストOSはssh経由で操作するため、ゲストOSの画面は使わない。画面を起動するだけむだにグラフィック処理が走る。そこで、VirtualBoxでゲストOSの画面を立ち上げずにバックグラウンドでゲストOSを起動する。

「起動」の脇のメニューから、「ヘッドレス起動」を選択することで、バックグラウンドでOSを立ち上げることができる。
vm07.png

おまけ:Jupyter notebook を使う例

ゲストOSでjupyter notebook のサーバを立ち上げて、ホストOSのウェブブラウザから表示することができる。
まず、ゲストOS上で、8888ポートからの接続を受け付けるようにFireWallの設定を変更する必要がある。

$ sudo firewall-cmd --add-port=8888/tcp --zone=public --permanent
success
$ sudo firewall-cmd --reload
success

また,SELinuxをオフにすれば,FireWallもオフのままになるはず.基本的にオフっておけ.

ゲストOSでjupyter サーバを立ち上げる。

jupyter notebook --ip=[IP Address] --no-browser

すると、ホストOSから、http://[IP Address]:8888で接続できる。

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