はじめに
Azure Cosmos DB は、グローバル分散型の NoSQL データベースサービスで、高い可用性とスケーラビリティを備えています。そんな Cosmos DB には「Free Tier(無料枠)」があり、特定の条件内であれば無料で利用できます。本記事では、Cosmos DB の無料枠を活用する方法や注意点を解説します。
無料枠の設定方法
無料枠を適用するには、Azure Portal で Cosmos DB を作成する際に Free Tier を有効にする必要があります。手順は以下の通りです。
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Azure Portal にサインイン
Azure Portal にアクセスし、Microsoft アカウントでサインインします。 -
「リソースの作成」から「Azure Cosmos DB」を選択
左側のメニューから 「リソースの作成」 をクリックし、検索ボックスに 「Azure Cosmos DB」 と入力して選択します。 -
「作成」ボタンを押して、必要な情報を入力
以下の項目を設定します。- サブスクリプション: Cosmos DB を作成する Azure サブスクリプションを選択
- リソースグループ: 既存のリソースグループを選択するか、新規作成
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アカウント名: 一意のアカウント名を設定(例:
mycosmosdb123
) - API の選択: 使用する API を選択(一般的には Core (SQL) が推奨)
- リージョン: データベースを配置するリージョンを選択
- 容量モード: 「プロビジョニング済みスループット」を選択
- Free Tier 割引を適用: チェックを入れる(これにより無料枠が適用)
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残りの設定を完了し、データベースを作成
「確認および作成」をクリックし、問題がなければ「作成」を押してデータベースをデプロイします。
無料枠の適用は 1 つのサブスクリプションにつき 1 つの Cosmos DB アカウントに限定 されるため、適用するアカウントを慎重に選びましょう。
無料枠の活用例
無料枠の主な活用方法としては、以下のようなケースが考えられます。
- 小規模アプリのデータストアとして活用
- 開発・検証環境のデータベースとして利用
- サーバーレスアーキテクチャと組み合わせたコスト削減
特に、無料枠では 400 RU/s のスループットが利用できるため、軽量なワークロードには十分対応可能です。
無料枠の制約と注意点
無料枠にはいくつかの制約があるため、以下のポイントに注意してください。
- 400 RU/s までのスループットが無料
- 最大 25GB までのストレージが無料
- 1 つの Azure サブスクリプションで 1 つの Cosmos DB アカウントにのみ適用可能
- Free Tier を適用後に解除することは不可
もし 400 RU/s を超えるワークロードが必要になった場合は、従量課金プランへの移行を検討する必要があります。
まとめ
Azure Cosmos DB の無料枠を活用すれば、開発や小規模アプリの運用コストを抑えることができます。ただし、適用は 1 つのアカウントに限定 されるため、事前に利用計画を立てることが重要です。無料枠の範囲を超えそうな場合は、従量課金プランとのコスト比較も行いながら運用しましょう。