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開発方法とサービス管理の観点でどのような情報資産(Information Assets)の生成があるかを列挙して、比較考察してみる
※ 注意視点、観点ベースなので網羅性は低い
(ユーザーマニュアルやビジネス要件やマーケティングやUI/UX関連は含んでないです)
※ 著者の雰囲気で書いているので、内容は怪しい
情報資産を生成するものを列挙
開発方法 (Development Paradigm)
開発方法における情報資産を書き出すために、
ガッチガチの有力候補として、ウォーターフォールを書きます。
比較対象として、反復系の源に位置しそうなICONIXを挙げて
反復系亜種の軽量と重量なもの2つ挙げます。
※ enのWikipediaだと Paradigm と分類される翻訳が難しい
ウォーターフォール
- 開発系
- 要件定義書
- 外部設計書
- 内部設計書
- テスト系
- 運用テスト設計仕様書
- 運用テストケース
- 結合テスト設計仕様書
- 結合テストケース
- 単体テスト設計仕様書
- 単体テスト コード
- 運用テスト設計仕様書
ICONIX
- 開発系
- ユースケース
- ドメインモデル
- ロバストネス分析
- クラス図
- シーケンス図
- テスト系
- 単体テスト
- 単体テスト コード
- 要求テスト設計仕様書
XP
- 開発系
- 反復(短い期間でのリリース)
- 共通の用語(認識のズレを解消する用語集)
- 開けた作業空間(会話しやすくかつ、作業に打ち込みやすい環境)
- 回顧 (状態把握ができてフィードバック可能な状態)
- テスト系
- テスト駆動
- 単体テスト コード
- 受け入れテスト
反復型開発
- 開発系
- 要件定義書
- 外部設計書
- テスト系
- 単体テスト コード
- 結合テストケース / テスト コード
- 運用テスト設計仕様書
Service Management
サービス管理にいくつか挙げてみいる
SLA, SLO, SLI, OLA
- 文書化
- 文章、リスト、表
- 手順書
- Code,Service化
- Service Status
- SLI
- apm
- service descovery
SoE, SoR, SoI, SoC
- 外部向け
- レイヤー図
- 依存関係図
- 内部向け
- 依存関係図
- Value Proposition
- Business model canvas
- Code,Service化
- BI
- DWH,DataLake
- Machine Learning model
Security Management
- ここまでに挙げたものと人とベースに発生リスクに対応する
- Risk: avoidance, reduction, spreading, transfer, acceptance
- Policy: Intrusion detection, Access control, Physical security, Procedures
- ポリシー
- 情報資産と関係者、物のリスト
- リスク分析と対処方法
その他
- Object Oriented xxxx
- オブジェクト指向分析 (OOA; object-oriented analysis) 、オブジェクト指向設計 (OOD; object-oriented design)
- UML関連のダイアグラム
- Functional
- 関数の形で表現する
- Event Driven
- Timelineベース の Event 通知図
- Chage Log
- Release Note, Change log
- Architecture Dicision Records
- ふりかえり
比較考察
2つの視点で考察を行う
- 情報の粒度における星取表を考察
- ◎ :重度の文書化 4点/、○ :文書化 3点/☆ :コード 2点/△ :人(文書化必須でない) 1点
点数が高いほど運用保守コストが高く 低いほど人に能力依存なものとなる
- ◎ :重度の文書化 4点/、○ :文書化 3点/☆ :コード 2点/△ :人(文書化必須でない) 1点
- 情報資産を生成するものについて、得点と運用コストを考察
- 情報の形態: 文書化(形式値)/コード(形式値+暗黙知)/人(暗黙知)
1.星取表
情報資産 | WaterFall | ICONIX | XP | 反復型開発 |
---|---|---|---|---|
要件定義 | ◎ | ○ | △ | ○ |
外部設計 | ◎ | ○ | △ | ○ |
内部設計 | ○ | ○ | △ | △ |
単体テスト | ○ | ☆ | ☆ | ☆ |
結合テスト | ○ | △ | △ | △ |
運用テスト | ◎ | ○ | △ | ○ |
合計点数 | 21 | 15 | 8 | 14 |
※ 「SLA, SLO, SLI, OLA」、「SoE, SoR, SoI, SoC」 「Security Management」、「その他」 などは開発方法論に依存しない
情報資産 | SLA, SLO, SLI, OLA | SoE, SoR, SoI, SoC」 | Security Management |
---|---|---|---|
概念定義 | ○ | ○ | ◎ |
関連対象リスト | ☆ | ○ | ◎ |
関連対象依存関係解決 | ☆ | ○ | ◎ |
関連対象依存詳細 | ○ | △ | ◎ |
サービス導入/監視システム化 | ☆ | △ | △ |
運用/保守 | ○ | △ | ◎ |
合計得点 | 14 | 13 | 19 |
2.運用コスト順で並び替え
情報資産を生成するもの | 得点 | 運用コスト | 備考 |
---|---|---|---|
Water Fall | 21 | 高 | 仕様が変わるほど文章一杯 |
Security Management | 19 | 高〜中 | 基本的に後追いで対応で自動化は難しい |
ICONIX | 15 | 中+ | ほどほど文章 コードもちょっと |
反復型開発 | 14 | 中+〜小 | WaterFallよりは文章コストが少なくなる事が予想できる。運用者のセンス依存でより煩雑に運用コストもWaterFallを超えるかも... |
SLA, SLO, SLI, OLA | 14 | 高〜小 | 書くことは簡単、条件を満たすのは大変 |
SoE, SoR, SoI, SoC | 13 | 高〜小 | 書くことは簡単、条件を満たすのは大変 |
XP | 8 | 小 | 単体コード 人依存なため優秀である必要有 |
結論
開発工程+サービス管理+α でコストが発生するので、「やったらいいじゃん勢」に対しては、クオリティとコストの話をすれば、どこまででおいくら掛けますか?のお話にしやすくなったと思った