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matrixを用いてlocalのコンストレインを再現する

Last updated at Posted at 2019-12-10

前回の記事では、worldMartixを用いてコンストレインを再現していました。
今回は、localのmatrixでコンストレインを再現してみることにします。

支点における目的箇所の位置・回転をlocal座標を用いて再現する

具体例がないと、この見出しは、なんのこっちゃ??? なので、お題を設けたいと思います。
お題:"spineD_prx"支点における"hand_prx_L"(左手首)の位置と回転情報を、locatorを用いて再現する

multMatrixを用いてlocal座標のmatrixをつなぐ

import pymel.core as pm
pm.createNode("multMatrix", n=u"hand_prx_L_spineD_prx_multMat")

transformノードのlocal座標を意味するアトリビュートは.matrixです。
hand_prx_Lからさかのぼってshoulder_prx_Lまでのlocal座標を足していくと、
おのずとspineD_prxにおけるhand_prx_Lの位置関係がmatrixで取得できるわけです。

下図のように各transformのmatrixをmultMatrixのmatrixIn[0]からつないでいきます。
2018-12-12_14h27_45.png

ここで重要なのは、さかのぼった順番に.matrixInへコネクションをする、という事です。

decomposeMatrixでtranslate, rotateを出力しやすくする

前回の記事で既にお分かりかと思いますが、
matrixのままだと位置・回転情報を出力しにくい為、decomposeMatrixを用います。

pm.createNode("decomposeMatrix", n=u"hand_prx_L_spineD_prx_decMat")

2018-12-12_14h43_08.png

locatorへコネクト!

decomposeMatrixから下図のようにhead_pos_Lへコネクトを行う
2018-12-12_14h50_36.png

結果

hend_pos_Lを見ると、なんだか関係のない場所にあるように思えます。(下図)
2018-12-12_15h23_28.png
これはspineD_prxを支点として取得したmatrixの結果なので、spineD_prxの位置が原点だとすると、そうなることになります。

理解できない場合は、spineD_posをspineD_prxの位置に用意し、hand_pos_Lを子供にすれば一目瞭然です。(下図)
2018-12-12_15h26_57.png

jointの最上位にあたる箇所、hipTranslation_prxを移動させてみましょう。
hand_pos_Lはついてきません。(下図 赤い箇所)
2018-12-12_15h29_06.png

shoulder_prx_Lを回転させてみましょう。
2018-12-12_15h36_22.png

hand_pos_Lも同期して回転しました。

何に使うか?

この仕組み、様々な使い道があると思いますが、私はこれをデフォームやシミュレーション要素を含むリグでよく用いています。

なぜなら、local座標系でmatrixを使うという一見カッコいい小技が使えるからです!
...うそです、ごめんなさい。
それだけの面倒な小技、できることならば私は使いたくありません。

これを使う大きな要因の1つの、ある条件下におけるエラーを除外するためです。

例えば、原点からのリグへの位相が大きい場合、Mayaの計算制度が落ちてパーツなどがズレる事があります。皆さん経験ありませんか?
それを回避するためです。

映像系の制作過程ではよく起こることですが、
ゲーム系ではどうなのでしょう?
ゲームだとその物全体をフィールド上で動かす要素は別となってると思うので、そういうエラーには陥らないのかな?
特に宇宙や大海原のような広大な敷地でアニメーションする必要がある場合、
髪の毛が頭皮からズレてたりするんですよね。。。

そんなエラーを回避するのにmatrixの理解が必要なんて、ですよね!

12月10日に公開されたMaya2020のヘルプでは、
offsetParentMatrixのinput行列が追加されると記載がありました。
恐らく、今回記載したdecomposeMatrixを介すことなく、直接matrixでトランスフォーム制御ができるという事なのかな。少し楽になりそうですね!

そういう意味では超ギリギリセーフの記事となってしまいました(汗)

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