「
— 楊 泰(よう やすし)@目指せ医者エンジニア🩺🐧💦 (@Yoh_Yasushi) May 24, 2023
【訂正再掲】 患者さんに在宅用NPPVを導入したところ、1回換気量が400ml、吸気立ち上がり時間が0.6秒でした。側管から流す酸素を3.0L/minにしました。
Q1, このときの推定FiO2を求めなさい
Q2, FiO2=0.40のときに必要な酸素流量を求めなさい。
」
前回、レスポンスがなかったので再掲。
Q1, このときの推定FiO2を求めなさい
上記のツイートに対しての回答を記載します。
まず患者の分時換気量を求めましょう。
400mlを0.6秒で吸気しているので、その時の流量は、
( 400 / 0.6 ) * 60 /1000 = 40.0
より、40.0L/min
となります。
ここで重要なのは、この流量は空気も側管から流す純酸素も合わせたものになる、ということです。ので側管から流れる酸素流量が増えたら、空気の流入はその分減ります。この点は非常に重要です。
あと、呼気の再吸気とかは無い前提で話をすすめます。
となると↓のようになりますね。単位はL/min
とします。
空気 | 純酸素 |
---|---|
40 | 0 |
39 | 1 |
38 | 2 |
37 | 3 |
(以下続く)
となりますね、わかりますか?そして空気のFiO2
は当然0.21
ですから、求めたいFiO2
は、
((37 * 0.21) + ( 3 * 1.00)) / 40 = 0.26925
よって四捨五入して、「0.27」が答えです。
Q2, FiO2=0.40のときに必要な酸素流量を求めなさい。
この問題を解くためにはQ1で用いた式を記号に置き換えた上で、式変形をする必要がありますね。
空気 | 純酸素 |
---|---|
M | 流量 |
X | 酸素流量 |
F | FiO2 |
と置くと、下のようになりますね。
((M - X) * 0.21 + ( X * 1.00 )) / M = F
これをXを左辺において式変形すると、
X = ((M * F) - ( 0.21 * M )) /0.79
右辺にM = 40
、 F as FiO2 = 0.40
を代入すると、
X ≒ 9.620
となり、正解は、「9.6 L/min」ですね。
まとめ
何が言いたいかというと、在宅用NPPVでFiO2を上げるのには大量の酸素が要るということなんです。
この計算ができるエクセルは以下のGitHub上に置いております。皆さん、ダウンロードしてご活用くださいませ。