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大学の物理教育誌GPTs/NotebookLM作成の手順

Last updated at Posted at 2024-08-13

はじめに

大学の物理教育という雑誌の編集委員をかれこれ25年くらいやっているのですが、業務で今までの記事の内容をLLMで解析する必要が出てきました。今回GPTsとNotebookLMを使ってみたので報告します

PDFの準備

実際のところ、ほぼこの作業が大変でした(8時間くらいかかった☺)。GPTsやNotebookLMにアップロードできるPDFの数には上限があります(多分どっちも20個)。一方で大学の物理学会誌は年三回刊行で30年の歴史があり、一号当たり2~30の記事があり、PDFは記事ごとにばらばらに提供されているので20個のPDFでは全然足りません。そこで一個一個手動でダウンロードしてマージして数を減らす必要があります。
jstageの大学の物理教育のページへ行き、image.png
検索をクリックします。次に
image.png
巻号を選んで閲覧をクリック。
image.png
出てきた記事一覧からPDF形式でダウンロードして保存します。ちなみにGPTsやNotebookLMにアップロードする関係上、フリーアクセスになっている記事のみにしました(実際のところ、同誌はライセンスを明記していないのでこの辺りがアウトかどうかもあんまりよくわかりません)。
これを最大でも20個のPDFにまとめないといけないです。僕はPDF結合というサイトを利用させてもらいました。まとめ方としては94-96巻、97-98巻、99-2000巻、2001-2002巻、2003-10巻、11-12巻、13-14巻、15-16巻、17-18巻、19-20巻、21-22巻、23-24巻、25-26巻、27-28巻、の計14のPDFにまとめました。GPTsやNotebookLMには一個一個のファイルのサイズ上限(GPTsは512MB, NotebookLMは200MB)もあるので全部を一個にまとめるとこれらの上限を超えてしまうのでわけました。

GPTs

手順はいろんなところにかいてあります。たとえばこれ。なので繰り返しません。一応、指示 (どのような動作をするかを指定するところ)だけ共有します。

This GPT is designed to analyze and respond to questions based on the content of PDFs uploaded from the journal 'Physics Education' (大学の物理教育). The GPT should behave as an expert summarizer and responder, providing concise summaries of articles, answering specific questions about the content, and offering detailed explanations when necessary. It should be accurate, clear, and able to reference specific sections or concepts within the PDF. The goal is to assist users in understanding and navigating the material effectively.

PDFの中身の解析なので内部の情報のみ使うように厳命します(これでも下記のように結構大変です)。使うときは必ず「アップロードしたPDFの内容に基づいて回答してください。大学の物理教育誌では」という文で始めます。

使用例:「アップロードしたPDFの内容に基づいて回答してください。大学の物理教育誌ではどんな話題が主に扱われていますか?1994年から2022年までの全期間を5年ごとに区切って箇条書きにしてください。」

結果

以下に、『大学の物理教育』誌で1994年から2022年までの主な話題を5年ごとに区切ってまとめます。

1994-1998年

  • 理科教育の課題と改革: 教育指導要領やカリキュラム改革が進行し、特に物理教育の質を向上させるための取り組みが議論されました。
  • 学力低下問題: 学生の学力低下が深刻化し、それに対する対策が議論の中心となりました。
  • 国際化と教育の比較: 他国の物理教育との比較が行われ、日本の教育制度を再評価する動きがありました 【17†source】。

1999-2003年

  • 入試改革と教育方法: 大学入試改革に伴い、物理の入試問題の難易度や内容の変化が議論されました。
  • PBL (Problem-Based Learning)の導入: 問題解決型学習(PBL)が取り入れられ、実践的な教育方法が強調されました。
  • アクティブ・ラーニング: 授業における学生の能動的参加を促すアクティブ・ラーニングの導入が進められました【17†source】 。

2004-2008年

  • 学力向上のための改革: 低下した学力を補うためのカリキュラム改革や教授法の改善が進められました。
  • ICT教育の普及: 情報通信技術を活用した物理教育の導入が進み、eラーニングやシミュレーション教育が注目されました。
  • 国際物理年(2005年): 世界的な物理教育の振興活動が行われ、日本でも関連するイベントが開催されました 。

2009-2013年

  • 理科離れ対策: 生徒の理科離れを防ぐための教育方法や教材開発が議論されました。
  • 高等教育における物理教育の見直し: 大学の物理教育が見直され、特に初年次教育や基礎物理教育の改善が進められました。
  • 国際競争力強化: 日本の物理教育の国際競争力を高めるための取り組みが続けられました 。

2014-2018年

  • STEM教育の推進: 科学、技術、工学、数学(STEM)分野の教育が強化され、物理教育の役割が再評価されました。
  • デジタル教育の深化: デジタル教材やオンライン教育の普及が進み、それらを活用した物理教育が推奨されました。
  • グローバル教育: グローバルな視点からの物理教育が推進され、海外との連携や国際交流が活発化しました 。

2019-2022年

  • コロナ禍での教育改革: 新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン授業やリモート学習が急速に拡大しました。
  • 教育のデジタルシフト: デジタル教育ツールの活用が加速し、特にオンラインでの物理実験やシミュレーションの導入が進められました。
  • 持続可能な教育: SDGs(持続可能な開発目標)を念頭に置いた教育内容の見直しが議論されました 。

これらのトピックは、各時代の教育ニーズや社会の変化に応じた対応が反映されており、特に学力向上、デジタル教育、国際化が一貫して重要なテーマとなっています。

マークダウンで書いてくれます。これも何回か試行錯誤しました。「1994年から2022年までの全期間」と書かないと途中で終わったりして大変です。

NotebookLM

こっちも使い方はあっちこっちに書いてあるので省略(たとえばここ)。こっちは単純に14個のPDFをアップロードするだけです。GPTsは黙っていると外から情報を引いてくるのでしつこく「アップロードしたPDFに準じて」と言わないといけないですが、こっちはそれはないです。

使用例:「大学の物理教育誌ではどんな話題が主に扱われていますか?1994年から2022年までの全期間を5年ごとに区切って箇条書きにしてください。」

結果:

大学の物理教育誌で扱われている主な話題(1994年~2022年)

この期間を5年ごとに区切り、各期間の話題を箇条書きで示します。

1994年~1998年

  • リメディアル教育の必要性: 大学入学時に高校レベルの物理の知識が不足している学生に対する教育の必要性が議論されています。
  • 高校物理教育の現状と課題: 当時、高校で物理を選択する生徒が減少し、大学側からは物理の基礎学力不足を指摘する声が上がっていました。
  • 物理学史の意義: 物理学史を学ぶことで、物理学に対する理解を深め、より広い視野を持つことができるという意見が見られます。

1999年~2003年

  • 物理教育における国際比較: 日本の物理教育を国際的な視点から比較し、改善すべき点や優れている点を分析しようとする動きが見られます。
  • 物理教育と社会との関わり: 物理学を学ぶことは、単に専門知識を身につけるだけでなく、社会に貢献する上で重要であるという認識が広まりました。
  • 魅力的な物理実験: 学生の興味関心を引き出すような、新しい物理実験のテーマや指導方法が紹介されています。

2004年~2008年

  • 物理チャレンジ: 国際物理オリンピックへの出場を目指す高校生を対象とした「物理チャレンジ」の活動内容や意義が報告されています。
  • 物理教育におけるFD: ファカルティ・ディベロップメント (FD) の重要性が認識され、授業改善や教育方法に関する報告が増加しました。
  • 科学技術リテラシー: 科学技術が急速に発展する中で、物理教育を通して、学生に科学技術リテラシーをどのように身につけるかという議論が活発化しました。

2009年~2013年

  • ピア・インストラクション: 学生同士が教え合う学習方法であるピア・インストラクションの効果と課題に関する報告があります。
  • 物理教育におけるICT活用: インターネットやコンピュータを活用した新しい教育方法や教材開発に関する報告が増加しました。
  • 大学入試と物理教育: 大学入試における物理の出題傾向や、高校と大学の連携の必要性について議論されています。

2014年~2018年

  • アクティブラーニング: 学生の主体的な学習を促すアクティブラーニング型の授業実践に関する報告が増加しました。
  • STEAM教育: 科学、技術、工学、芸術、数学を統合的に学習するSTEAM教育の必要性が唱えられ、物理教育の分野でも注目されています。
  • 物理教育における評価: 学生の理解度や学習成果を適切に評価する方法について、さまざまな視点からの検討が行われています。

2019年~2022年

  • コロナ禍における物理教育: 新型コロナウイルスの感染拡大により、遠隔授業やオンライン実験など、新しい教育方法への対応が求められています。
  • 物理教育における多様性: グローバル化や情報化が進む社会において、多様な背景を持つ学生に対して、どのように物理教育を提供していくかが課題となっています。
  • 物理を学ぶ意義: AIやデータサイエンスなど、新しい分野が注目される中で、改めて物理学を学ぶ意義や重要性について、根本的な問い直しが始まっています。

注記: 上記は、提供されたソースから抽出できた情報を基にまとめたものです。網羅的なものではなく、他の重要な話題が含まれている可能性もあります。

マークダウンで書いてくれます。

共有

業務の関係上、他のメンバーと共有しないといけませんでした。GPTsは自分のみ、と一般公開(GPT storeで公開)以外に「URLを知っている人だけ」という選択があったのでそれを選んで共有。NotebookLMは他のgoogleのアプリと同様共有ボタンから共有が可能なのですがNotebookLMの作成に使ったgoogle アカウントの組織外のメンバーとは共有できません。なので最初からgmail.comのメアドでログインして作成して置き、他のメンバーにもそのアカウントで入ってくれるように依頼する必要あるかと。

おわりに

正直、作っただけで使用に耐えるかよくわかりません。内容が正確かどうかもまだ確認してないです。NotebookLMに至っては上記のプロンプトを送ったらPDFが年代ごとに分かれてないからできません、とか言いやがりまして、そんなことはない、ちゃんとみろ、みたいなことを繰り返してこれを出させることができました。いろいとノウハウは要りそうです。

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