はじめに
AWSには膨大な数のサービスがあり、適用範囲(スコープ)はそれぞれ異なります。一部のサービスはグローバルに提供され、一部はリージョン単位、またはアベイラビリティゾーン(AZ)ごとに提供されます。これを理解することで、適切なアーキテクチャ設計が可能になります。
この記事では、AWSの主要サービスについて以下のの観点から整理します。
- スコープ: グローバル・リージョン・AZ
- サービスモデル: IaaS、PaaS、SaaS
- 分類: コンピュート、ストレージ、ネットワーク、セキュリティ、データベース
AWSのスコープについて
AWSのスコープは大きく以下の3つに分類されます。
グローバル
グローバルスコープのサービスは、特定のリージョンに依存せず、AWS全体で一貫して利用できるものです。例えば、IAM や Route 53はグローバルスコープのサービスに該当します。
リージョン
リージョンスコープのサービスは、AWSの特定のリージョン(例: 東京、バージニア北部など)ごとに提供されます。例えば、EC2 や RDS はリージョン単位で管理され、データは他のリージョンには自動的に共有されません。
2025年3月時点では、36のリージョンが利用できます。
アベイラビリティゾーン(AZ)スコープ
アベイラビリティゾーン(AZ)スコープのサービスは、同じリージョン内の複数のデータセンターの単位で管理されます。例えば、EC2インスタンスやEBSボリュームは、特定のAZ内で動作し、可用性の向上のために複数のAZにまたがる構成が推奨されます。
2025年3月時点では、114のアベイラビリティゾーンが利用できます。
AWSの主要サービス一覧
スコープ | サービス名 | 説明 | サービスモデル | 分類 |
---|---|---|---|---|
グローバル | IAM | ユーザー、グループ、ロールの管理を行う認証・認可サービス | SaaS | セキュリティ |
グローバル | Route 53 | 可用性が高くスケーラブルなDNSサービス | SaaS | ネットワーク |
リージョン | EC2 | 仮想マシンを提供し、柔軟なコンピューティング環境を実現 | IaaS | コンピューティング |
リージョン | S3 | 高い耐久性とスケーラビリティを持つオブジェクトストレージ | SaaS | ストレージ |
リージョン | RDS | MySQL、PostgreSQLなどをマネージドで提供するDBサービス | SaaS | データベース |
リージョン | Lambda | イベント駆動でコードを実行できるサーバーレスコンピューティング | PaaS (FaaS) | コンピューティング |
リージョン | ELB | 複数のEC2インスタンスへの負荷分散を提供 | PaaS | ネットワーク |
AZ | EBS | EC2にアタッチするブロックストレージ | IaaS | ストレージ |