この記事はZOZOアドベントカレンダーSeries2の最終日25日目の記事です。
Scrumガイドを理解するのは難しい?
Scrumガイドを読まずしてScrumをするべきではないと誰が言ったかはわかりませんが、Scrumガイドには
「スクラムの⼀部だけを導⼊することも可能だが、それはスクラムとは⾔えない。すべてを備えたものがスクラムであり、その他の技法・⽅法論・プラク ティスの⼊れ物として機能するものである。」
とあります。さらに
「スクラムガイドにはスクラムの定義が含まれている。」
とあるので、経験によって変えていくことは良しとしてもガイドから外れる場合は要注意ということになります。
Scrumガイドは上記のことを最低限理解できるようにするため、分厚いガイドではなく、わずか18ページという薄さで説明されています。よって誰でも理解しやすい内容となっています。
なっています。なっています?本当でしょうか?
自分たちのチームでもScrum導入前にガイドを読んでみましたが、なかなか内容を理解するのが難しい。ガイドの通りやっていくことも難しい。。。という状況からスタートしました。
今考えてもガイドを読んでうまくScrumが回るとはとても思えない。。。
そして30スプリントへ
さて、そうした中で、30スプリントが過ぎました。
このあたりでもう一度全員でScrumガイドを読んでみる会を実施しました。
実施したところ、驚くべきことに盛り上がりすぎてわずか18ページのガイドを読むのに8時間を要する事態に。
あらためて読んでみると気づきが本当に沢山挙がり、議論が盛り上がるに盛り上がるという。
この場では少しだけ議論に上がったものを紹介していきましょう。
30スプリントまわしたからわかるScrumガイド
経験主義の柱:
- スクラムチームに対しての透明性は確保できつつあるが、ステークホルダに対してはどうだろう?
- リリースまでの検査はできているが、その後の検査・評価はどうだろう?
スクラムの価値基準:
- スプリントゴール達成が微妙、ギリギリというときに言える勇気はあるか?
- スプリント以外の業務がおおくて集中できていないこともあるのでは?
プロダクトオーナー:
- プロダクトゴールがきちんと存在していて、ゴールに向かっているだろうか?
- プロダクトオーナー委員会になりがちな問題をどうするか?
スプリント:
- スプリントゴールの達成を危険にさらすような変更やってない?ついつい他のことに手を付けたり。
プランニング:
- もっとプロダクトバックログアイテムを分解したほうがいいかも
- なぜこのスプリントに価値があるのかもプランニングで議論されてもいい
などなどどう考えてもスタート時には出てこないような気づきが多くあるので、慣れた頃にScrumガイドを読むのをおすすめします。
最後にどのように会を進行したかのアドバイスを。。。
Scrumガイドを読む会のおすすめ進行方法
ただガイドを読んで意見・感想を求めるだけではなかなかこういった有用な意見は出てきません。
こんな工夫を凝らしました。ご参考まで。
- 1つのトピックを読んだら、感想戦をする。「今できていること、やっていることと」、「取り入れたいこと」、「やっぱりいらないんじゃないか」を分けて付箋を出す。
- 感想戦の前に「やっている度」を10段階で各自数字を挙げてみる。8であれば8の分の「今できていること、やっていること」2の「取り入れたいこと」、「やっぱりいらないんじゃないか」を挙げていく。
- 各項目で「取り入れたいこと」に対してチームに実際に取り入れるたいものをドット投票する。
ちなみに全て読んでいて「やっぱりいらないんじゃないか」の欄にはひとつも付箋が貼られませんでした。
2023年ももう終わりですね。一年の最後にみんなでScrumガイドを読んで見るというのもまた一興。ぜひお試しください。
Merry Christmas&良いお年を!