この記事はZOZOアドベントカレンダーSeries8の初日の記事です。
障害物の除去はスクラムマスターのしごとの一つ
「ここの仕様が曖昧で実装できない。どうなっていますか?」「この実装をするには他部署への連携が必要だ」「ミーティングが多く時間を取れない」などなどスクラムチームが仕事をしていく上での障害を取り除いていくのはスクラムマスターのしごとです。
ここで、スクラムマスターはPOに仕様を聞きにいく、他部署のメンバーにアクセスする、ミーティングを減らすよう働きかける。ということをするのは良いこととは言えません。
むしろ移譲してしまおう
スクラムマスターはスクラムチームにティーチングやコーチングを駆使してチームのパフォーマンスを上げていくことが大事です。
スクラムマスターが自ら動いて障害物を取り除いていくのではなく、チームに責任、活動、オーナーシップを移譲するように働きかけ、チームが自ら動いていけるようにしていくのが良いです。障害物を取り除いていくために必要な権限を移譲していくのです。
自分たちで問題を解決していけるために権限を移譲し、スクラムマスターは良い解決策を見つけるのを手助けする、コーチングする、ティーチングすることによって、チームは自己組織化していきます。
サーバントリーダーは難しい
スクラムマスターはサーバントリーダーだと言われています。サーバントリーダーシップという言葉は決して新しい言葉ではないですが、未だにただただ奉仕するリーダーと思われている節もあったりする用語です。
スクラムガイド2020では、サーバントリーダーという言葉から真のリーダーという言葉に置き換えられました(ジェフサザーランド曰く本質的には同じ意味とのこと)。
チームがどうしたらもっとうまくいくだろう。チームだけでいかに完結できるようにしていけるだろう。ということを考えていくと、自ら動いてあれこれチームに与えるより、権限を移譲しチームが自身で考えて結論を出してもらうことでチームがより良く回っていくことがわかってきます。
これはタスクをメンバーに振ったり、指示したりというこれまでのマネージャー的なリーダーシップとはまた違ったリーダーシップの形です。
コーヒーを入れたり、お菓子を用意したり、ただミーティングの司会をしたりするのもまた違います。
スクラムチームが自己組織化して自ら問題を解決していくように成長していくことはスクラムで開発していく上で必須のことです。これが実現しないと、プロダクトオーナーがスクラムチームに付きっきりとなりビジネス面が疎かになったり、スクラムチーム内でなかなか自己完結せず伝達・やり取りが増えたりしてチームとして価値が出しづらくなっていきます。
スクラムマスターの役割はこの点で大変重要な役割であったりするわけですね。