この記事はZOZOアドベントカレンダー Series1 12日目の記事です。
大変な時代になりました。現代はVUCA時代と言われています。つまり、「先行きが不透明で将来の予測が困難な時代」が今の時代です。
一度ヒットすれば売れ続ける、テクノロジーを詰め込めば売れる時代ではなく、何がヒットするのか生産者も消費者もわからないような時代です。
そんな時代にあって、最近のプロダクト開発では、「アジャイル開発」が主流となっているのは改めて言う必要はないでしょう。
予測困難な時代にあって、柔軟に方向転換しながら開発をしていく手法はすごく理にかなっています。
アジャイル開発では、方向を定めながら、できるだけ早く顧客に製品を届け、方向が正しいか検証を素早くしていくため、組織の構造にも目を向ける必要があります。
「プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」では、予測困難で不確実性が高い問題に対処するために「プロダクト主導組織」を推奨しています。
「セールス主導組織」で顧客からの要望を個別に取り入れていけば、いつか成長する余裕がなくなる。「ビジョナリー主導」ではビジョナリーが去ったあとの持続性がない、「テクノロジー主導」ではマーケットの価値主導の戦略に欠けます。
そこで、「プロダクト主導」、つまり、ビジネスのアウトカムに着目し、プロダクトの戦略を自分たちの目標に合わせて調整していく。問題に取り組むのはビジョナリー一人ではなく、プロダクトにコミットした多くのメンバーの頭脳で解決していくということです。
さて、そういった組織を目指していくために必要なものがコミュニケーションです。
プロダクトのビジョンをどう位置づけるか?チームをもっと良くしていくためにはどうするか?何を仮説として定義して次に何を作り実験していくか?
プロダクトにコミットした多くのメンバーの頭脳を元にそれらを解決していくなら、コミュニケーションを通してこれらの問にどう向き合うかが大事です。
そのために必要なのはファシリテーションの力です。
なぜなら、どのような問をメンバーに向けて発するかでその答えが大きく変わってくるからです。問が悪ければ誰も何も答えられず無言の時間ばかりが過ぎていくかもしれません。
「問いかけの作法」という本が参考になります。
この本でも言い方は異なりますが、経営層が問題を定義して現場メンバーが解決策を磨き続けるファクトリー型、いわるゆ「ビジョナリー主導」の組織ではなく、問題を発見し、解決策を模索していくのは現場メンバーであるというワークショップ型、「プロダクト主導組織」がVUCAの時代には有効であると言っています。
この本ではそれを踏まえ、ファシリテートする際にどのように問を発していくのが良いか多くの例を紹介しています。
その中で、自分でもすぐ実践でき有効な問の作法を一つ紹介します。
振り返りなどで中々意見が出ない場合に「適度な制約をかけ、考えるきっかけを作る」というテクニックです。
単純に「改善したいことはありますか」では考える範囲が広く中々有効な意見は出てきません。そこで「今日一日ではどうですか?」や「点数を付けるとしたら何点?満点でなかったところは?」など考える範囲を狭めてあげると意見が出やすくなります。
ぜひ参考にしてみてください。
問の作法を身に着けて「プロダクト主導組織」「ワークショップ型」のチームづくりをしていきたいですね。