はじめに
macbook airのVMware Fusionで動かしていたパッケージ版Windows7 Professional 32bit版を、Windows10にアップグレードしてみました。この作業は実施する時期によって対処方法などが異なってくるはずです。できるだけ新しい情報を参考にして進めることをお勧めします。
2020年1月時点では、VMの設定でOS種別をWindows7からWindows10に変更し、不要なアプリケーションをアンインストールすることでアップグレードツールの対応はできるはずです。
環境
- VMware Fusion 11.5.1
- macos 10.15 Catalina
- 【Virtual Machine】Windows7 Professional 32bit
今回は32bit版のWindows7から、同じく32bit版のWindows10に https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10%E3%80%80 の「このツールを利用して、このPCをWindows10にアップグレードする」に書かれている方法に従ってアップグレードを行ないます。
遭遇した課題
Windows7は標準的な方法でインストールしたと思うのですが、Windows10にアップグレードする際には次のような課題がありました。
- HDDがSCSI接続(LSI Logicドライバ)されており、Windows10ではドライバのサポートがないと警告がでる
- VMware SVGA 3Dドライバが原因でアップデートできないと警告がでる
- Microsoft Security Essentialsに互換性がないとの警告がでる
またこの作業の直前にmacos 10.15 Catalinaにアップグレードしましたが、、バージョン11以前の古いVMware Fusionでは、Windows7の画面が黒くなって正常に動作しない問題にも遭遇しました。ライセンスはあったのでVMware Fusion 11.5.1にアップグレードしてからWindows10アップグレードの作業を開始しています。
References
- https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10%E3%80%80
- https://kb.vmware.com/s/article/2126929?lang=ja
SCSI接続されているHDD と VMware SVGA 3Dドライバ
VMwareのKnowledge Baseに回答がありますが、VMware Toolsをアンインストールし、ゲストOSの設定をWindows7からWindows10に変更してWindows7を起動します。この状態であればWindows10アップグレードは警告はでますが、アップグレードの作業は継続できます。
古い情報では、SCSIドライバからIDEドライバ(最新のVMWareであればSATA,NVMeドライバ)に変更するものもありましたが、SCSIデバイスしか接続していないWindows7の場合、SATAやNVMeデバイスにタイプを変更してしまうと、対応するドライバが存在せずに起動しない問題が発生します。(これはVistaからWindows7にアップデートした経緯が影響しているかもしれません。)もしSCSIからSATAにドライブ形式を変更したいのであれば、あらかじめ2台目のSATAドライブを作成し、接続してWindows7を起動する事でSATAドライバが組み込まれますので、起動しないエラーにはならないはずです。
Microsoft security Essentials
Windows7固有のアプリケーションはいろいろあります。VMware上ではメーカー固有のツールがインストールされている事はないと思いますが、Windows10では互換性のないアプリケーションが様々あります。利用しているアプリケーションでも警告が出たソフトウェアはアンインストールして利用しましょう。
この他にもGoogle日本語入力を導入したままアップグレードすると、正常に動かず、アンインストールもできない状態になります。この場合でも、改めてGoogle日本語入力をWindows10でインストールすることで前述の不具合は解消され、正常な状態になるようです。
Windows10アップグレード後の課題
Windows7の段階でVMware Toolsをアンインストールせずに、Windows10へアップグレードした場合、次のような現象が発生します。
- デバイスマネージャーに不明なデバイスが表示される
- ディスプレイドライバがVMware SVGA 3Dではなく、標準デバイスになっている
対策
- デバイスマネージャーで不明なデバイスが表示されている場合は、そのデバイスをアンインストール
- VMware Toolsをアンインストールし、再起動後、再度インストール
この作業の結果、無事に不明なデバイスはなくなり、ディスプレイデバイスもVMware SVGA 3Dになっています。
ライセンスについて
Windows7からWindows10に無償アップグレードできる期間はWindows10が発売された後の1年間とされ、2016年7月29日に終了することがアナウンスされていました。しかし、『Windows Update経由では1年間だったが、Windowsメディア作成ツール経由ではまだ可能である』、『1年間の期間はマーケティング上の戦略で、技術的には今でもアップグレード可能で問題ない』、『Microsoftに問い合せたところ、2016年7月29日以降はWindows10の正規ライセンスが必要である旨の回答があった』、等の情報が流通しています。
Microsoftの公式見解は、https://support.microsoft.com/ja-jp/help/12435/windows-10-upgrade-faq に掲載されていて、Windows10のライセンスが必要だと明記されています。購入したPC付属のOSがWindows7でも、Windows10のライセンスが付属していてダウングレード権を行使したものがあるなど、ライセンスの構造は複雑です。よく調べてライセンス上の問題が発生しないように対応することが必要です。
以上