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TypeScriptを使って嬉しかったこと

Last updated at Posted at 2020-01-12

新人「先輩、TypeScriptのコーディングできました!」

先輩社員「どれどれ」
先輩社員「いやそこら中コンパイルエラーだらけ...なのは型システムが働いてる証拠だ!」
先輩社員「そうだろ?」

先輩社員「型は...ガードレールだ」
先輩社員「進むべきじゃない場所へ進もうとしたら、ちゃんとブロックしてくれる...」
(ぺこぱ風)

ってことで、静的型付言語って良いですよね。
今回はTypeScriptを使ってみて嬉しかったことを書いてみます。

登場人物

ワイ・・・ワイ(36歳)
社長・・・社長
ハスケル子・・・インターンの中学2年生

今日から新しいプロジェクト開始

社長「おーい、やめ太郎、ハスケル子ちゃん」
社長「新しいお仕事を獲得してきたで」
社長「技術記事投稿サイトを作る案件や」

ワイ「おお〜、さすが社長はんや」

社長「おおきにやで」
社長「ほんで、そのお仕事の話なんやけど」
社長「クライアントはんから一つ要望があんねん」
社長「Reactを使って作ってくれ、って言われてんねや」
社長「やめ太郎、ハスケル子ちゃん、Reactはイケるか?」

ワイ「やった事なくはないですわ」
ハスケル子「私も大丈夫です」

TypeScriptはどうする?

社長「TypeScriptはどうしよか?」
社長「そこはクライアントはんからは何も言われてへんねやけど」

ワイ「TSはよう分からんから、今回はやめときまひょ」
ワイ「型とかよう読まれへんし」

ハスケル子「私は絶対TypeScript有りでやりたいです」
ハスケル子「型がないとコード読むの面倒なので...」

型がないと面倒、とは

ワイ「いや、型があるほうが型情報を読まなあかんから面倒やん」

ハスケル子「いえ、型が書いてあるほうがコードを把握しやすいです」

ワイ「ええ...何で...?」

例えば:マイページ

ハスケル子「例えば、技術投稿サイトのマイページみたいなのを作るとしますね」

スクリーンショット 2020-01-12 20.44.38.png

ハスケル子「↑こんな感じのやつです」

ワイ「ほうほう」

ハスケル子「で、ユーザ情報を表示するためのUserInfoっていうコンポーネントを作るとします」
ハスケル子「TypeScriptなしで書くとすると、コードは↓こんな感じです」

/components/UserInfo.jsx
const UserInfo = ({ user }) => (
  <div>
    <section>
      <h2>ユーザ情報</h2>
      <p>アカウント名:{user.account}</p>
      <p>名前:{user.name}</p>
    </section>
    <section>
      <h2>記事一覧</h2>
      <ol>
        {
          user.articles.map(article => (
            <li>
              <a href={article.url}>{article.title}</a>
            </li>
          ))
        }
      </ol>
    </section>
  </div>
)

ワイ「なるほどな」

ハスケル子「やめ太郎さんなら、このコンポーネントのコードを見て、」
ハスケル子「どんな風に使うべきコンポーネントなのか読み取れますか?」

ワイ「そら簡単やで」
ワイ「余裕で読み取れますがな
ワイ「まず...」

/components/UserInfo.jsx
const UserInfo = ({ user }) => (

ワイ「↑こう書いてあるから」
ワイ「このUserInfoコンポーネントは」
ワイ「親コンポーネントからuserっていうpropsを受け取ってる...」
ワイ「っちゅうことが分かるわ」

ワイ「他にも...」

/components/UserInfo.jsx
<h2>ユーザ情報</h2>
<p>アカウント名:{user.account}</p>
<p>名前:{user.name}</p>

ワイ「↑こんなコードがあるから」
ワイ「親から受け取ったuserっていうpropsは、accountnameというプロパティを持ったオブジェクトである...」
ワイ「ってこともわかるで」

ワイ「あとは...」

<h2>記事一覧</h2>
<ol>
  {
    user.articles.map(article => (
      <li>
        <a href={article.url}>{article.title}</a>
      </li>
    ))
  }
</ol>

ワイ「↑こんな部分があるな...」
ワイ「せやから、userarticlesっちゅうプロパティも持っとんな」
ワイ「mapメソッドを使っているということは、そのuser.articlesは配列やということが分かるで」
ワイ「ほんで、その配列の中身はオブジェクトやな」
ワイ「urltitleというプロパティを持ったオブジェクトっちゅうことや」

ハスケル子「はい、そんな感じですよね」
ハスケル子「まとめると、どんな風に使うべきコンポーネントだと言えますか?」

ワイ「ええ...?」
ワイ「まあ、まとめるならば」

const user = {
  account: 'Yametaro',
  name: 'やめ太郎',
  articles: [
    {
      title: "記事名1",
      url: "/article1.html"
    },
    {
      title: "記事名2",
      url: "/article2.html"
    }
  ]
};

ワイ「propsとして↑こんなオブジェクトを渡して使うべきやな」

ハスケル子「そうですね」

TypeScriptの場合はどうか

ハスケル子「次に、TypeScriptを使った場合のコードを見てみます」

/components/UserInfo.tsx
type Props = {
  user: User
}

type User = {
  account: string,
  name: string,
  articles: Article[]
}

type Article = {
  title: string,
  url: string
}

const UserInfo: React.FC<Props> = ({ user }) => (
  <div>
    <section>
      <h2>ユーザ情報</h2>
      <p>アカウント名:{user.account}</p>
      <p>名前:{user.name}</p>
    </section>
    <section>
      <h2>記事一覧</h2>
      <ol>
        {
          user.articles.map(article => (
            <li>
              <a href={article.url}>{article.title}</a>
            </li>
          ))
        }
      </ol>
    </section>
  </div>
)

ハスケル子「↑こんな感じです」

ワイ「ほら、やっぱ型が書いてあるぶん長いやん...」

ハスケル子「そりゃあコード量は少し増えますけど」
ハスケル子「可読性の面でメリットもありますよ」
ハスケル子「例えば...」

/components/UserInfo.tsx
type Props = {
  user: User
}

ハスケル子「↑ここを見ると」
ハスケル子「このコンポーネントはuserというpropsを受け取る」
ハスケル子「そしてそのuserUser型の値である」
ハスケル子「...ということが分かります」

ワイ「なるほどな、受け取るprops一覧がここで分かるわけやな」
ワイ「今回の例ではuser一個だけってことか」
ワイ「でも、なんやのUser型って」
ワイ「number型とかstring型なら知っとるけど」

ハスケル子「それは↓この部分に書いてあります」

/components/UserInfo.tsx
type User = {
  account: string,
  name: string,
  articles: Article[]
}

ハスケル子「User型の値は、accountという文字列と」
ハスケル子「nameという文字列...」
ハスケル子「そしてarticlesという配列を持っているよ、ってことがわかります」

ワイ「ほうほう、つまり...」
ワイ「User型っていうのはハスケル子ちゃんの自作の型ってこと?」

ハスケル子「そうです」
ハスケル子「自分で新しい型を定義して名前を付けることができるんです」

ワイ「ほー、なんか...」
ワイ「Userってのはこんなやつですよ、みたいな」
ワイ「世界観的なものが分かりやすいな」

ハスケル子「そうですね」

ワイ「ほんで、Userが持ってるaccountnamestring型なのは分かったけど」
ワイ「Article[]ってのはどういう型なん?」

ハスケル子「Article[]っていうのは」
ハスケル子「Article型の値が入ってる配列だよ、って意味です」

ワイ「Article型ってのは、また自作の型やな?」

ハスケル子「はい」

/components/UserInfo.tsx
type Article = {
  title: string,
  url: string
}

ハスケル子「↑この部分でArticle型を定義しています」

ワイ「なるほど」
ワイ「Article型の値は、titleurlというプロパティを持ってますよ...」
ワイ「ほんで、titleurlも文字列ですよ...」
ワイ「っちゅうことやな」

ハスケル子「そうです」

型が書いてあると、何が嬉しいか

ハスケル子「TypeScriptなしの場合は」
ハスケル子「コンポーネントの中身を全部読んで...」

「なるほど、このコンポーネントにはuserというオブジェクトを渡して使うんだな」
「そのuserは、accountnamearticlesというプロパティを持ってるんだな」
articlesmapメソッドを持っているようだから、配列だな・・・!」

ハスケル子「...っていうことがようやく分かったじゃないですか」

ワイ「せやな」

ハスケル子「でもTypeScriptありの場合だと」

/components/UserInfo.tsx
type Props = {
  user: User
}

type User = {
  account: string,
  name: string,
  articles: Article[]
}

type Article = {
  title: string,
  url: string
}

ハスケル子「↑この型定義の部分を見ただけで...」

const user = {
  account: 'Yametaro',
  name: 'やめ太郎',
  articles: [
    {
      title: "記事名1",
      url: "/article1.html"
    },
    {
      title: "記事名2",
      url: "/article2.html"
    }
  ]
};

ハスケル子「↑こんなpropsを受け取るコンポーネントだな!」
ハスケル子「ってことが分かるじゃないですか」
ハスケル子「コンポーネントの実装部分を読まなくても!」

ワイ「おお...」
ワイ「やっぱリーダブルやなぁ...」

社長「(何がやっぱやねん...)」

ワイ「仕事やと、一つの案件のコーディングを複数人で担当することも多いから」
ワイ「人の作ったコンポーネントを使う機会とかも多いしな」
ワイ「せやから、読み取りやすいのはええよなぁ」

ワイ「あと思ったんやけど」
ワイ「型ってなんか、コメントみたいな効果もあるんやね」
ワイ「このプロパティには文字列を入れてくださいな、みたいな」
ワイ「コード内に仕様書が書いてある感じがええな」

ハスケル子「そうですよね」
ハスケル子「しかも、ちゃんと守らなきゃ前に進めない...」
ハスケル子「強制力を持ったコメントですよね」
ハスケル子「型定義の通りにpropsを渡さないとエラーが出て、コンパイルが通らない...」
ハスケル子「だから、マウスでぽちぽちページを見て回る前にミスに気付けるんです」

ワイ「ああ、普通はコードを実行してみるまで」
ワイ「エラーが出るかどうか分からへんもんなぁ...」
ワイ「それはええかも...」

他にも嬉しいことが

ハスケル子「そういえば、やめ太郎さんって」
ハスケル子「nameっていう単語をよくnamaeってスペルミスするじゃないですか」

ワイ「まぁ、比較的するな」

ハスケル子「そういうタイポ対策にもTypeScriptが役立ったりしますよ」
ハスケル子「例えば...」

/components/UserInfo.tsx
<p>名前:{user.namae}</p>

ハスケル子「↑こんな風にタイポしちゃったとしたら...」

Property 'namae' does not exist on type 'User'. Did you mean 'name'?
(プロパティ「namae」はタイプ「User」に存在しません。 「name」という意味ですか?

ハスケル子「なんて教えてくれるんです」

ワイ「おお、まじか...」
ワイ「まさにワイのための機能やん...」

ハスケル子「そもそもタイポしなくなるようなメリットもありますよ」

スクリーンショット 2020-01-12 22.14.27.png

ハスケル子「↑こんな風に、user.まで打つと入力候補が出てくるので」
ハスケル子「その中から選択すればいいんです」

ワイ「おお...」
ワイ「もう、使わん理由ないやん...」

ワイ「ハスケル子先生...!!」
ワイ「TypeScriptがしたいです......」

社長「ほな、決まりやな!」

そんなこんなで終業時刻

ワイ「ハスケル子ちゃん、今日も色々教えてくれてありがとうやで...」

ハスケル子「教えるの楽しいから全然いいですよ」

ワイ「ハスケル子ちゃんは凄いなぁ...まだ中学生なのに色々知ってて...」
ワイ「チート過ぎるハスケル子ちゃんを見てると、自分が情けなくなってくるわ...」
ワイ「負け過ぎてるんやもん...」

ハスケル子「私もよく思いますよ」
ハスケル子「私だけ周りの子たちより出遅れてて不安になったり、嫉妬したりします」
ハスケル子「でも結局」
ハスケル子「今の自分から生きることしかできないんです」
ハスケル子「誰かに負けてても、誰かより劣っていても」
ハスケル子「自分なりの精一杯をやればいいんです」

ワイ「ハスケル子ちゃん...!」

ハスケル子「...もしくは、嫌なら死ぬとか...」

ワイ「いや死を提案すな!

〜おしまい〜

続編もよろしくやで

4歳娘「パパ、実行時エラーの出ないフロントエンド言語ってなーんだ?」

さらに続編

テストしやすい「純粋」な関数とは?

おまけ:簡単にReact + TypeScriptを始めるには

React + TypeScriptを触ってみたい人は、

npx create-next-app --example with-typescript my-app-name
cd my-app-name
npm run dev

↑この3つのコマンドを打ってから
http://localhost:3000/にアクセスするだけやで!
(もちろんNode.jsは先にインストールしといてや!)

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