ジンバブエドル・ショックは、あなたのすぐそばに
突然ですが、みなさん、アフリカにあるジンバブエという国をご存知でしょうか?
様々な政策の失敗により、天文学的なハイパーインフレを引き起こし、パン1つ買うのに3000億ジンバブエドルが必要という異常状態を引き起こしたことで有名な国です。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/12/zimbabwe-dollar_n_7574706.html
このサイトにあるように、膨大な量の札束を持ち運んでいるのが特に印象的です。
私自身もグローバルシステムを構築している際に、「ジンバブエに出店したら、オーバーフローが発生して死ねるねw」なんてネタにしてましたし、ネタにするくらいなのでまったく実感がない状態でした(遠い国の話ですしね)
しかし、後述しますが、このジンバブエドルショックに似た状況が水面下で発生しています。
トークンの価値アップ→円安進行
2017年の末から2018年の年初にかけて、仮想通貨がかなりヒートアップしていました。
ここからは、その仮想通貨界で基軸通貨ともいえるビットコインの話をしたいと思います。
ビットコインは2008年に生まれました。
2009年に初めて値段がついたのですが、その時の価格が1BTC=0.07円。その後じわじわ値を上げ続け、2017/12/8に200万円を突破しました。その倍率、実に2857万倍!!
世間では「ビットコインを買うと儲かる!」と価値上昇だけがフォーカスされてますが、これは見方を変えると、円の価値が8年で1/2857万になってしまったということです。
2857万円あれば、地方なら一軒家が買えます。
8年前に2857万円出して買ったマイホームは、2017/12/8には評価額が1円になるわけです。恐ろしいですね・・・。
まだジンバブエドルには到底及びませんが、私達が使う円で同じ状況が発生していることがご理解いただけるでしょうか。
しかも、ビットコインはビットコイン経済圏を維持する(マイニングしてもらう)ために、デフレに向かうように設計されています。
マイナーがマイニングしたくなるように、マイニングで得られたコインが将来的に価値が上がるように最初から考えられているのです。
ビットコインが当初の想定通りに使われ続けると、ひょっとするとジンバブエドルを超える事態になるかもしれません。
「富の再分配」が密かに実現中
経済学でよく考えられているものの一つとして「富の再分配」があります。
お金をたくさん持っている人からお金を取り上げて、お金がない人に回しましょうという動きです。
ニュースでよく報道されますが、現代の若者の年収は右肩下がりで下がり続けています。そして、全員がそうというわけではないですが、高齢者ほどお金を持っています。
「富の再分配」を考えると、お金をたくさん持っている高齢者からお金を取り上げて、若者に回したほうがいいということになりますが、これを実現する政策なんてもちろん出てこない。一見すると「富の再分配」はまったく機能していないように見えます。
しかし、前述した通り、デジタル化の動きによって円は仮想通貨との対比でどんどん円安に向かっています。
若者がビットコインを始めとするデジタルトークンを持ち、高齢者が法定通貨をもつという構造になれば、若者の資産が増え、高齢者の資産が目減りしていくという状況が生まれるため、「富の再分配」が実現できてしまうのです。
円安の利益を享受したもん勝ち
仮想通貨界に最近出現している「億り人」は、まさに円安による「富の再分配」の利益を最大限享受した人といえます。
デジタルトークンは、現時点では投機的側面が強いためキワモノ扱いされていますが、「富の再分配」という側面で見ると、すごくまっとうなものだと思いますし、長年の課題であった「富の再分配」を、あっさり実現してしまうあたりが、ビットコインを含むデジタルトークンの革命的要素なのかもしれません。