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新しくなったエンベデッドシステムスペシャリスト 受験記

Last updated at Posted at 2023-12-21

新しくなって一発目のエンベデッドシステムスペシャリストに合格したので、その受験記をつらつらと書いていきます。

結果

ES.png

うれしい。
午後Ⅰが不安でした(後述)が、ちゃんと書けていたようです。

勉強期間と内容

※使ったものは後で一覧にして掲載しています

7月中旬から始めた記憶があるので、大体2か月半でしょうか。そんなもんだと思います。
勉強時間も、やったりやらなかったりを繰り返して、大体累計100~120時間程度でしょうか。まあそんなもんだと思います。

7月

教本を読んでました。よくあるやつですね。
ESは、暗記しないといけないことが他のスペシャリスト試験(SC, DB, NW)よりも少なくて、2週間程度で問題演習以外の部分を読み終わりました。
その点は、他のスペシャリスト試験より楽に感じました。

この時点では、まだ過去問も解いてなかったような気がします。

8月

会社で申し込んでいたTAC講座の実力試験の提出期限が来ていたので、渋々過去問を数回分やってから出しました。

この時、初めて午後Ⅱの論述を解きました。
最初は何から書いたら良いか分からないので、TACのお手本をガン見しながら、自分なりに書きました。
初めての論述ということもあり、時間を測ってないですが、確か3時間くらいかかったと記憶しています。
午前Ⅱ, 午後Ⅰは時間を計って解きましたが、正直楽勝でした。
特に午後Ⅰは計算がある国語の問題なので、対策なしでもするする解けました。

この頃から、過去問を 1回分/2~3days くらいのペースでやっていたような気がします。

9月

この辺から試験期間ムードが出てきます。

TAC講座で、2回論述を書きました。
一度、午後Ⅱ - (2)をほぼ書き終わってから盛大に問題文を逸脱していることに気づき、泣く泣く全消しして書き直しましたことがありました。
合計で4時間半かかったのを覚えています。
この時、午後Ⅱの問題文は常に意識しよう、と心に決めました。

並行して過去問を解いていますが、10回分もやると見たことあるような問題ばかりになってきます。
そこで、間違えた問題を中心に、専門書を使ってより深い学習をするようになります。
使ったのは、主にOSと計算機アーキテクチャの本ですね。明らかにESの範囲よりも難しい内容を学習することにはなりましたが、これはやってよかったと思っています。

10月

私の試験前恒例なのですが、急に勉強する気がなくなり、適当に教本を読んだり過去問をだらだら解く期間に入ります。試験前日もこれでした。
でも証明写真を撮ることは忘れませんでした。偉い。

試験日 10/8(日)

会場まで

バカ遠いし会場構内で30分迷うし雨だしで、朝から最悪でした。

午前Ⅰ

免除です。

午前Ⅱ

問題, 解答
AP, SCと、本番に限ってピンポイントでうろ覚えの部分が出まくった記憶があったので怖かったのですが、ESはデレてくれました。
翌日自己採点をしましたが、ちゃんとマークできていれば8割はあることを確認し、ひとまず安堵しました。

午後Ⅰ

問題, 解答例
選択 : 問2
理由 : ちらっと見た時に解きやすそうなのが問2でした。

開始と同時に鼻の水門が決壊し、試験どころじゃない状態になってしまいました。
その状態でもなんとか全部埋めはしましたが、下を向くと鼻水が垂れてくるので集中もできず、試験時間ギリギリまで最後の問題を解くという羽目になってしまいました。
模試や過去問の午後Ⅰでは、いつも15分くらい余らせてゆっくり見直していたので、相当焦りました。
終わってすぐに薬を飲んで、午後Ⅱは事なきを得ました。

体調不良には気を付けよう!あと、試験中でも試験官に言えば目薬以外の薬を使える(らしい)ので、早めに申告しよう!

午後Ⅱ

問題
選択 : 問3
理由 : 消去法。1はST相当の問題で不可能だし、2もよう分かりませんでした。3は多分SA相当でした。

始まった瞬間に解答用紙の1, 2ページ目のシステムの概要を書く欄を埋めました。
ここを書かないと減点されると試験要項に明記されていたので、絶対に最初に書こうと決めていました。

本番で初めて2時間という制限がある状態で論述をしましたが、なんとかなりました。
(1)で30分、(2)で50分、(3)で30分 という時間制限を事前に決めていたのが功を奏したと思っています。
あと絶対に書く手を止めないことを徹底しました。
おかげで、過去一長い論述になったにも関わらず、5分余りました。

使ったものまとめ

  • 情報処理教科書 エンベデッドシステムスペシャリスト 2023年版
    • いつもの教本です。問題演習のところは結構適当にしかやってません。
    • ESに限らず、汎用の教本は、自分に合う出版社のものを使うのが吉です。めんどくさくても書店で読み比べて決めましょう。
  • 岩波講座 ソフトウェア科学6 オペレーティングシステム
    • スケジューリングとかページングとか、あの辺のややこしい範囲をカバーするために読みました。良い書籍です。でも分厚いしそこそこ高いので、会社・研究室にある人は使うくらいで良さそう。
    • ESでは、この本ほど詳細な知識は求められませんし。
  • 情報工学基礎講座3 計算機アーキテクチャ
    • 結構いい本だったんだけど、出版が古すぎ(初版1985!)てどこにもなさそうなのでリンクもなし
  • システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版
    • 論述試験対策にかなり使えます。
    • 大量に例が載っているため、全て読むだけでも、何を・どんな形式で・どれくらい細かく・どれくらいの量で 論述すればいいのか が分かります。また、読むだけじゃなくて、少なくとも1回は、本をガン見しながらでも論述を完走することをおすすめします。
    • 午後2対策目当てで講座にたっかいお金をかけるより、この本を買って繰り返し読む方が良さそうだと思いました。私は会社のお金でTACの講座を受けたのでノーダメージですが。

Webサイト

※長いので折り畳み、当時まとめていたリストを載せているだけなので見なくて良いです

参考にしたWebサイトたち

分類は割と適当なのでご勘弁を。

細かい対策と、本番に心がけたこと

午前Ⅱ(選択)

とにかく過去問題を解きまくりましょう。それに尽きます。
ソースは忘れましたが、午前Ⅱは過去問から6割出るみたいな話があるはずです。

過去問を解く時は、分からない単語は調べながら解きましょう。何も分かんない状態で解いても、ただ目と指の運動してるだけになって、時間がもったいないです。
この時、答えだけでなく、問題文に出てくる単語や概念で分からないものがあれば、都度調べてください。
調べている中でも分からない単語が出てくるなら、更に調べる。これを繰り返すことで、基礎知識を定着させます。

これをやってると、最初は過去問1回分解くのに1時間, 2時間とかかかりますが、その内単語を覚えてきて30分以内で1回分が終わるようになります。

本番心がけたこと

時間が50分と地味に短く、ケアレスミスが出やすい割に、1問落とした時のダメージが大きいです。
そのため、確実に分かる問題で絶対にミスしないよう、2, 3回は見直しできる時間配分を心がけました。
あと、計算問題は全て後回しにすることを徹底しました。計算苦手なので。

午後Ⅰ(記述)

対策

基本的には過去問を解きましょう。
ただし、午後Ⅰは基本的に現代文の評論です。
大まかな傾向が掴めた上で、自己採点が7, 8割安定してきたら、試験直前以外はもうやんなくて良いと思います。時間の無駄なので。
その時間で知識を増やした方がよっぽど有意義です。

なお、R4以前は午後Ⅰも午後Ⅱも同じような試験傾向なので、どちらを解いても良いと思います。
ただ、R4以前は大問1つ当たりにかけられる時間が変化するので、その点は考えて時間配分をする必要があります。

新しいES : 90分で大問1つ
R4以前 : 90分で大問2つ -> 単純計算で、1問につき45分

なので、私はR4以前の午前Ⅰを、大問1つにつき40分で解くことを意識して問題演習をしていました。
40分で解ければ、90分相当の問題量になった時に、10分程度は見直しとか解答詰めに使えるな~という計算です。

本番心がけたこと

計算問題は最後に解くようにしていました。

過去問を何度か解いていると、計算問題が最初の方に出てきて、後は記述 という形式が多いことに気づくと思います。
そして、私は最初に出てくる計算問題でてこずることが多かったです。
最初の問題で時間をかけると、後のじっくり詰めやすい記述問題で時間をかけられなくなるので、ここで時間を使うよりは、先に記述をある程度詰めてから計算問題に着手した方が良い と考えました。

もちろん、計算問題がすぐに解ける!という人は、先に確実に点を取れる計算問題を解く という戦略を立てることもできます。

午後Ⅱ(論述)

対策

論文例を参考にしながら、3回ほど書きました。もちろん手書きです。
私は、各回で意識することを変化させながら取り組みました。

1回目 : 時間がどれだけかかってもいいから、最後まで書く。また、どんだけ時間がないかを、身を以て思い知る。
2回目 : 問題文の通りに論述を展開させつつ、論旨を一貫させる。
3回目 : 最初に章づくりと各章のトピックを洗い出す。その後、問題文の誘導から絶対にずれない状態で、論旨を一貫させる論述をする。

この3回で、一回も時間を守った回はありません。時間を守ることさえ徹底しておけば、案外なんとかなります。
なりますが、これから受ける人は、一度くらい時間を守って書く訓練をするべきです。
さもないと、本番で時間が足りるか分からないという不安と戦いながら論述する羽目になります。

また、手を動かして論述はせずとも、論文例を、問題文と併せて何度も読むのも非常に有効です。
そうすることで、(1)~(3)について、どのくらい詳しく・どれだけの量を・どのような形式で 書けば合格できるかが自ずと分かってきます。

本番心がけたこと

既に上で書きましたが、

  • 表紙裏のプロジェクト概要を最初に書くのを忘れないこと。
  • 絶対に手を止めないこと。
  • (1)30分、(2)50分、(3)30分 の時間配分を絶対に守ること。
  • 問題文の誘導から逸脱した論旨にしないこと。

この4つをしっかり意識しました。

特に、時間配分は常に考えておくべきです。
私は、試験中10分おきくらいに時計と既に書いた文量を見比べて、ペース配分を考えながら論述していました。

所感

論述試験を許さない。 これにつきます。
やった人は分かると思いますが、本当に手が痛くなります。(3)を書いてる途中に、痛くて手が動かなくなってくるくらい。新手の筋トレですか?

そもそもIT分野の資格で手書きベースなのが意味わからない ですね……。早く全科目CBT化してほしいです。
ちなみに、経産省かどっかの予算不足でCBT化する予定はないらしいです。どうして……。

あと、ESに論述を入れる意味もあまりわかんなかったですね。
IPAが試験改訂のアナウンスをする時に、午後Ⅱの改訂理由をだらだらと宣っていましたが、ほんまにそうなんか…?と思いながら読んでいました。
ESを受けようとしている人と、ESを作っている人との間に、ESという試験に対する認識の乖離が起きてそうだな~と思いました。

また、もう少し深く突っ込んだ知識を問うような問題があった方が良さそうです。
今のままだと、全くの未経験者でも、日本語を読み取る力に長けていると午後Ⅰまでは通してしまいます。
一応計算問題がありますが、配点低そうですし。


以上、新しいESの受験記でした。
少しでも、来年以降受ける方々の参考になれば幸いです。

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