はじめに
みなさまのチームでは、勉強会を開催されていますか?
私のチームでは、毎週開催しています
ちょうど1年ほど継続しており、色々と知見が溜まってきたので、記事にしてみます。
よければ参考にしてください!
なぜ勉強会を始めたか?
勉強会を始めた理由は2つです。
始めた理由1: ドメイン知識を得るため
勉強会を始める前の段階では、私は入社したてで、いわゆるドメイン知識がほとんどありませんでした。
自社サービスの仕様などわからないことがあれば、メンバーにちょこちょこと声をかけて質問したりしていました。
しかし、1日に何度も声をかけていると、さすがに申し訳なく感じてきたので、「どこかでまとまった時間を確保し、質問する」というやり方を思いつき、勉強会という名目で質問の時間を確保することにしました。
始めた理由2: コミュニケーションの場を作りたかったため
普段フルリモートで業務を行っているため、コミュニケーションが不足していると感じていました。
そこで、主に技術的な話題を提供し、議論できる場を設けることでコミュニケーションを促進しようと考えました。
(単純に、メンバーと仲良くなりたかったというのもあります!)
どのように開催したか?
開催概要は以下のとおりです。
- 時間
- 毎週金曜 14:30 〜 15:30 の1時間
- 場所
- オンライン(Discord)
- 音声のみ
- カメラはオフ
- その他
- 基本は自由参加
- ラジオ的に聞くだけでもOK
- 参加人数は、4〜8人程度
- 議事録を作成し、後日上長へ共有
- 議事録はオンラインドキュメントツール(DocBase)でリアルタイム編集
- 勉強会の終了と共に議事録も出来上がっているイメージ
- 基本は自由参加
始めた当初は2時間の枠で行っていたのですが、長くて疲れる上にネタがなくなってきたみなさんお忙しいので、現在は1時間で行っています。
勉強会の内容は?
議題1. 輪読
ここ数ヶ月は、輪読を行っています。
これまでに輪読を行った書籍は以下のとおりです。
- Head Firstデザインパターン
- リファクタリング(第2版)
輪読の進め方は以下のとおりです。
- 1章ずつ担当者を決める
- 1週に1章ずつLTをしていく
- LT内容は、担当の章の内容をまとめたもの
- 持ち時間は3,40分目安
- 資料だけでもいいが、動くコードがあるとなおよし
ちなみに私は、reveal.js + GitHub Pagesで下記のような資料を作りました。
資料の作成手順などは下記にまとめています。
1冊に対して、数ヶ月かけて輪読を行うイメージです。
議題2. 気になった記事紹介コーナー
これは参加者各々が最近読んで面白いと感じたネット記事を紹介し合うコーナーです。
QiitaやZennといった技術系のサービスはもちろん、ニュース記事やTwitterの投稿など、色々な方面から各人の興味のあることについて話す時間です。
これが好評で、毎回盛り上がります!
ここ最近盛況だった記事は以下のとおりです。
- Laravel 10のリリースノート
- ChatGPTの力を借りて、散らかり放題の部屋を掃除してみた
-
; DROP TABLE "COMPANIES";-- LTD
という社名の会社が存在した
他にも、完全に趣味の領域の記事などを共有しあっており、わいわいと楽しい時間となっています。
また、単発企画として下記のような議題を設定することもあります。
-
特定技術のレクチャー会
- 例
- Elasticsearch
- Localstack
- Terraform
- 例
-
マネジメントについて質問する会
- マネージャーが参加している時限定
- 日頃から、私からマネージャーに聞いてみたいことをメモしているので、それを質問してみる時間です
-
LT大会
- お題は自由!
- 持ち時間15分
- 好きなことを好きなように発表する会です
- めちゃくちゃ盛り上がります!
- お祭り的な位置付け
- この時は他チームにも声をかけます
という感じで、その時やりたいことを自由にやっています!
過去の議題
現在は上記2つの議題で落ち着いていますが、始めたばかりの頃はかなり試行錯誤しました。
過去の議題の例を以下に挙げます。
-
用語集作成
- 弊社特有の用語をドキュメント化しよう、という取り組みです。
- メンバーの協力のかいあって、とても有用なドキュメントになりました!
- 現在でも、「用語集わかりやすくて助かります」というお声をいただきます
- 用語集を作ったことで、多くのドメイン知識を得られました!
- 一通りドキュメント化できたので、議題としては終了
-
エンジニアのロードマップを考える会
- なぜ働くのか?
- なぜエンジニアとして働くのか?
- もしお金の心配がないとしたら、何をするか?
- といった問いを設定し、各々が答えを発表し合う取り組みです。
- 個人的には有意義な時間でした
- ただ、「要は人それぞれだよね」という気がしたので、あえて勉強会でやらなくてもよかったかな、と思っています
- メンバーの内心を聞けたので、そういう意味では
-
自社サービスのソースを読む会
- 有意義ではあったが、勉強会でやることでもないかな、ということで数回で終了
- コードリーディングは一人でやる方が個人的には効率がいいと感じました
- (人前で読んでいくのは緊張して頭に入ってこなかった)
- 既存仕様に詳しい特定のメンバーとだけ話す時間になってしまい、議論にはつながらなかった
勉強会を続けて良かったことは?
勉強会を一年間続けて気づいた、良かったことを挙げていきます。
1. コミュニケーションを促進できた
これが一番大きいです!
単純に、メンバーと話すのが楽しいです
今興味のあることを話してくれたりするので、メンバーのことをより深く知ることができています。
同じチームだけでなく、マネージャーや別チームの方も参加してくれたりして、普段話す機会のない方とお話しできる場にもなっています。
チームリーダーからも「勉強会をやってくれているおかげでチームの雰囲気が良くなった」という言葉をいただきました。
勉強会を始めた動機は完全に自分のためでしたが、気づけばチーム全体に良い影響を与えられていました。
2. 技術への関心を高められた
弊社のエンジニアはそれぞれ得意分野が違うので、色々な方面から技術的な話を聞くことができています。
最近はAWSに詳しいメンバーにお願いして、LocalstackやTerraformについてレクチャーをしてもらいました。
輪読を始めてからはより技術的な濃い議論ができており、とても勉強になっています。
書籍の内容を理解することで技術力が上がるのはもちろん、「輪読の資料をどう作るか」という視点で見てもスキルアップの機会になっていると感じます。
私の例でいうと、資料作成のために reveal.js + GitHub Pages という構成でGitHubにリポジトリを作っていました。
これまで触ったことのなかった技術に触れることができ、楽しみながらスキルアップできました。
3. ドメインについて議論できた
その週で疑問に感じたことをメモしておき、まとめてメンバーに聞くことで議論のきっかけになりました。
面白いもので、既存仕様についてもメンバー同士で認識が違ったりすることがあり、最新仕様の周知につながりました。
また、業界構造や行く末についても思いを馳せることができたので、開発においても長期的な視点を取り入れることができるようになったと感じます。
4. 発表の機会を得られた
LTを行うことで、「人前で発表する」という経験ができ、様々な学びがありました!
自分で資料を作って発表をしてみると、メンバーのリアクションから「ここは反響があったな」「ここは伝わってないみたいだ」ということが肌で感じられます。
そうしたフィードバックをもとに、「ここが悪かったから次はこう改善しよう」といった学びを得ることができます。
例えば、「焦って早口で話すと伝わりづらいので、ゆっくり話してみよう」といった具合です。
よく言われることですが「教えることが一番の勉強」というのは本当にその通りだと痛感しています!
5. ファシリテーションの機会を得られた
これは主催者の特権かもしれません。
実際にやってみると、ファシリテーションの難しさを痛感します。
下記を参照しつつ勉強を続けています。
(fukabori.fm大好きマン)
ファシリテーターを経験することで、活発な会にするために何ができるか、を考えるようになりました。
例えば下記のような点に気をつけています。
-
指名して、意見をもらう
- LT終了後に「〇〇さん、いかがでしたか?」など話を振る
- そうしないと、いつも同じ人ばかり話すことになってしまう
-
質問を投げかけてみる
- 誰かがLTをしてくれたら、最低1つは質問する
- 質問してやるぞ、と意識してLTを聞くと、理解が深まります!
-
相槌をうつ
- リモートなので、少し大げさにリアクションするようにしています
- 話の途中で意識的に「はい」「へー」などと発言しています
- LTの途中でもやっています
- (自分のLT中に、メンバーが相槌を打ってくれると嬉しかったため)
はじめのうちは緊張でまともに進行できていなかったのですが、最近ようやく慣れてきました(自称)。
ファシリテーションスキルはこの先も必要になる場面はあると思うので、今のうちに実践経験を積んでおきたいと思います!
勉強会を続ける上で大変だったことは?
1. 毎回ネタを考えるのが大変
これに尽きます!
自由参加とはいえ、チームメンバーは開発の手を止めて参加してくれているので、それに見合う価値のある時間にしたいと考えて準備しています。
はじめのうちは、勉強会のことがずっと頭の片隅にあるような感じで、少々プレッシャーに感じていました。
輪読を始めてからは、新たにネタを考える必要がなくなったので楽になりました
自分だけで全て抱え込むのではなく、メンバーにも負担をお願いする、というのが長く続けるコツなのかもしれません。
おわりに
結論、勉強会はいいことだらけだからぜひやりましょう!と言いたいです!
私も、これからも継続して勉強会を開催していきます!
内容については、輪読だけでなく、何か新しいネタを思いついたらどんどん試していきたいと思っています。
もし「勉強会でこれやったら盛り上がったよ(知見を得られたよ)」などありましたらぜひ教えていただけると嬉しいです!
以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました!