$p\LaTeX$の文書を$Lua\LaTeX$に移行するにあたって,必要だったことをまとめます.
結論
手っ取り早くやりたい人に
- ドキュメントクラスの変更
-
dvipdfmx
の削除
1. ドキュメントクラスの変更
\LaTeX
では,冒頭にドキュメントクラス(jarticle
とかjbook
とか)を指定する必要があります.これを以下の対応表のように変更してください.
pLaTeX | LuaLaTeX |
---|---|
jarticle | ltjsarticle |
jreport | ltjsreport |
jbook | ltjbook |
2. dvipdfmx
の削除
$p\LaTeX$ではPDFファイルにコンパイル際,一度DVIファイルを生成し,これをPDFファイルに変換する作業を行わなければなりませんでしたが,$Lua\LaTeX$では,texファイルを直接PDFに出力できるので,DVIファイルを変換する作業は不要になりました.
そこで$p\LaTeX$では,
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
と宣言している箇所がありますが,$Lua\LaTeX$では,
\usepackage{graphicx}
と変更してください.
ちなみに,画像をそもそも挿入しない場合は,この作業は不要です.
3. コンパイルレシピを変更する(VSCode利用者向け)
当然といえば当然ですが,コンパイルするエンジンを$p\LaTeX$から,$Lua\LaTeX$を使うように変更する必要があります.
お使いのエディタによって,コンパイルするエンジンを変更する方法は異なるのですが,今回は比較的利用者が多いであろう,Visual Studio Code (VSCode)
を例にします.
setting.json
を開いてください.
以下のコンパイルレシピを追記します.
// LaTeX Workshop
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "lualatex",
"tools": [
"lualatex",
"pbibtex",
"lualatex",
"lualatex",
]
}
],
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "lualatex",
"command": "lualatex",
"args": [
"-I 168",
"--cmdx",
"-file-line-error",
"-synctex=1",
"-interaction=nonstopmode",
"-halt-on-error",
"%DOC%"
],
"env": {}
},
{
"name": "pbibtex",
"command": "pbibtex",
"args": [
"-kanji=utf8",
"%DOCFILE%"
]
},
],
このとき,以前のlatex-workshop.latex.recipes
,latex-workshop.latex.tools
は削除するか,$p\LaTeX$等のコンパイル方法も残す場合は,各項目に合わせるように追記するようにしてください.
このコンパイルレシピは,$Lua\LaTeX$で一度コンパイルした後,$Bib\TeX$で参考文献を拾って,$Lua\LaTeX$で2回コンパイルする設定です.
他の参考文献管理ツールを用いる場合は,このへんの設定は少し異なります.
以上の設定で,$p\LaTeX$から$Lua\LaTeX$に移行できるはずです.