はじめに
どうも、スクラムマスターをしているやむです。
みなさん、『感謝』をチームに伝えられていますか?
昨今で注目されている【心理的安全性】を高めるためには、感謝をたくさんすることが第一歩だと僕自身は経験から学びました。
どんな施策を打とうとも、どんな場作りをしようとも、『感謝』がないチームではいつまで立っても関係の質は高まっていきません。
というのも、『感謝』がない限りすべての行動は『あたりまえ』になってしまいます。
『あたりまえ』を見つけチームで内的役割をメタ認知することが『感謝』の大切なポイントなのです。
経緯
ふりかえり手法『感謝』
自分のチームではスクラムを始めた当初に1回『感謝』というふりかえり手法を選択し、チームの関係をグッと縮めた経緯があります。
詳しい説明はリンク先を見ていただけるときれいに纏まっています。
説明しますと、内容自体はとてもシンプルで、やり方は
- 1人がトーキングオブジェクト(この人が喋るよ!)を持つ
- トーキングオブジェクトを持った人が感謝を誰かにみんなの前で伝える
- 言い終わったらトーキングオブジェクトを机の上に置く
- そこから20秒誰がとっても良い(ただし、誰もいなければ感謝終了)
というものになります。
こちらの書籍を参考にしました。
『感謝』の効果
この『感謝』という手法。 何と言ってもちょっと気恥ずかしいです。
普段なにげなくSlackとかで伝えてしまう「ありがとう」という言葉。やっぱり口頭で言われるのでは感情面での効果が大きく違います。
感謝を伝える側も、感謝を伝えられる側もどちらも心がポカポカするような気持ちになり、『感謝』のあとに続く『ふりかえり』が前向きに、ポジティブにできます。
もう大丈夫かなと思ってやめてしまった
回数を重ねていくと、やはり「もう大丈夫かな?」という気持ちもあり本題であるふりかえりから入るようになってしまいました。
『感謝』から始まらないふりかえりでは、どうしてもふりかえりでチームの表情が固くなり、対話も進みません。
そう、『感謝』は心のストレッチということに気づけていなかったのです。
『ふりかえり』という運動をするためには、準備運動は重要です。その観点が自分からは抜けていました。
そこから、どうにかチームがいい方向に向かえないかを考えてみました。
ちょっと変えて『遊び心』を入れてみる
『Kudoボックス』と『Kudoカード』
自分はアジャイルの考え方がとても好きです。そこで、Management3.0のHowがたくさん書かれている書籍である『マネージング・フォー・ハピネス』を参考にしてみました。
この書籍の第一章に書いてある『Kudoボックス』と『Kudoカード』というプラクティスを見て、「これはなんて素敵なんだ・・・!」と直感しました。
こちらもふりかえりカタログを参考にしてもらえるとイメージが湧きやすいはずです。
簡単に説明をしますと
- 「すごいね」「ありがとう」「本当にありがとう」と言った種類のKudoカードを用意しておく
- このカードを贈りたい出来事があったら、その都度書く
- 書いたカードを箱に集めるか、壁に貼るか(これはチームによる)ことで集める
- ふりかえりのときに、一枚ずつ自分が書いたものを口頭で読み上げて、感謝や称賛を伝える
以上の流れになります。そんなに難しくありません。
チームがより愛着を持つ工夫
こういう仕組みを用意したとしても、「楽しそう」と思って貰えなければ試してもらえませんし、「良かった」と思って貰えなければ続きません。
そこでチームが大好きなラーメン二郎と組み合わせて文化になったらいいなぁと工夫をしてみました。
前提として、チームではGather.townをバーチャルオフィスとして使用しており、ホワイトボードツールとしてMiroを使用しています。
Miroでの工夫
普通のKudoカードではなかなか「自分たち」感が薄く親しみが薄くなります。
そこでMiroを駆使し、Kudoカードをラーメンの『トッピング』に見立て、そのトッピングを素ラーメン(麺だけのラーメン)にトッピングするようにし、『チームで最高の二郎を作ろうぜ!』というゴールの元始めて見ました。
元々はもっとフラットなイラストで走りだそうと思っていたのですが、チームから『もっとリアルなほうがいい』というフィードバックがあり、今のような形に落ち着きました。
『このラーメンをマシマシにできたらいいよね』という気持ちのもと、週一であるふりかえりのときにこのラーメンからトッピングをみんなで読み、読み終わったらカウンターに出して『着丼〜!』で終わるのが流れになっています。
Gather.townでの工夫
また、MiroとGather.townと組み合わせて 『Gather.town内で屋台を設置し、その屋台にXキーで注目することでMiroボードが見られる』 仕組みにしました。
この仕組みのポイントは
- 誰かがKudoカードを書きに行っているのが見える(ので存在を思い出す)
- 誰かがカードを書いている瞬間が見える
- バーチャルオフィスと同化しているので、リンクを探す手間がなくなる
- 世界観がマッチする
というポイントがあります。
リモートチームだと意外とこういうアクティビティはしにくいのかな?と思っていましたが、Gather.townを用いることでリアルオフィスでやるような仕組みは再現することができます。
便利ですねGather・・・。
おわりに
マシマシになっていく感謝
回を重ねるごとに丼はよりマシマシになっていきました。最初は数枚しかなかったKudoカードですが、今では何十枚にもなり、感謝の時間が長くなりすぎてしまうのでまた工夫しなければ・・・という嬉しい悩みがあります。
チーム自体も「あたりまえ」に目を向けやすくなり、小さなことにも感謝をすることが普通となり、本当の意味での『心理的安全性』は高まりました。
チームはまた一歩、成長したのです。
ぜひやってみてね
Kudoカードはとってもシンプルなしくみで、気恥ずかしさもなく相手に感謝を伝えることができます。
そして、カードとして残しておくことで「感謝を伝え忘れる」ということもなくなります。
チームでの感謝が「Slack」や「Unipos」だけで終わっているのであれば、ぜひやってみてください。
リモートであっても口頭で伝えられるのはやはり効果が大きく違います。確かにテキストチャットのほうが効率的ではありますが、効果的ではありません。
ぜひ、感謝にあふれるチームを作って楽しくプロダクト開発を進めてみてください。