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アウトプット記事を書くために結局何をすればいいのか?

Last updated at Posted at 2022-12-03

はじめに

この記事のゴール

この記事を読んだ結果、あなた自身が迷いなく、持続可能なアウトプット記事を書けるようになれることを目指しています。

対象読者

この記事は以下のような対象読者を想定しています。

  • 何かしらアウトプット記事を書きたいが、どのように書いていけばいいか分からない人
  • 記事は書いているが、イマイチわかりやすい記事を書けている自信がない人
  • 締め切り日に急いでその日中に記事を書き上げて満足する人
  • 効率よく最低最小限の知識で相手に伝えたいことがある人

コンセプト

読み手に与えたい価値を想像する

アウトプット記事を書く上で大切なのは、『読み手』を考えるということです。

読み手を想像せずに書いてしまうと、結局の所『これって誰に何を伝えたいの?』という記事になってしまいます。

また、自己満足な記事を書いてしまう事象を回避することができます。

ユーザーのことを見ずにただただ作りたいものを作った結果、誰にも使われなかった。という経験はありませんか?

アウトプット記事も同様です。アウトプット記事はあなたのプロダクトなのです。

たとえば、この記事は読んだ人が

  • 『アウトプット記事の書き方が分からないから書けない人が書けるようになる』
  • 『アウトプット記事を書くハードルが高い人が気軽に書けるようになる』
  • 『記事を書こうとはしているが、なかなか一歩を踏み出せない人が一歩を踏み出せるようになる』

ことを想像しています。

つまり、読み手が読み終わった後に、どんなことが出来るようになっているかという価値を考え、その価値を提供するためにどう説明していけばいいかを考えていくことが重要である、ということです。

読み手に与えたい価値は向かいたい最終的なゴールです。忘れないようにしましょう。

タイトルを考える

読み手を想像したら次に、アウトプットする記事のタイトルを考えます。

この記事のタイトルは 『自分が読者に与えたい価値は何なのか?』 を簡潔に示したものを付けます。

自分は結構やりがちだったのですが

  • 「この記事にはアレを書きたい・・・」
  • 「この記事内容で書くならこれも書きたい・・・」
  • 「前提条件としてあの話も詳しく書きたい・・・」
    内容網羅したい欲に駆られることがあります。

しかし、内容を網羅したいが故に色々書きすぎてしまうと 「何が伝えたいのか?」 がぼやかされてしまい、わかりにくい記事となってしまいます。

そのスコープを区切るため、読み手を最初に想像したり、タイトルで方向性をあらかじめ絞ってしまうのです。

この記事のタイトルが今後アウトプット記事を書いていく上での指針となり、本題があっちこっちにブレないように修正してくれる役目を果たします。

タイトルはコンパス、そういう意識でタイトルを決める時に付けることを意識しています。

プロダクト開発においても近いことが言えます。

欲しいのは切れ味の良いハサミだったけれども、十徳ナイフを渡されても嬉しくないのです。

注意してほしいのは、タイトルは不変ではないということです。

アウトプット記事を書いていく上でより詳細な話が浮かび上がってきたり、方向性を変えたくなる場合があります。

その際には、 『元のタイトルから伝えたかったことは何だったのか』 という観点を考慮しつつ、柔軟に変更していきます。

参考までにこの記事のタイトル変遷を書いておきます。

  • 『アウトプットするために私が考えていること』
  • 『アウトプット記事を書くために私が考えていること』
  • 『アウトプット記事を書くために結局何をすればいいのか?』

締め切りを決める

人間は「いつでもやれる」状態にしておくとやらない生き物です。

そのために「いつまでにやる」を明確に最初の段階で決めてしまいましょう。

締め切りを決めることで『記事を書く』というタスクの優先順位を決める際に判断材料の1つになります。

また、締め切りを決めることで 『完璧』 を避けることができます。

  • 「せっかく記事を書くなら完璧に書こう」
  • 「間違った情報を出さないために完璧に書こう」
  • 「この記事はまだ完璧じゃないから公開するのはやめておこう」

そういった思考になってしまうのを避けます。

『完璧』ではなく、『完全』を目指してください。

完全とは以下の状態を言います。

欠けたところや足りないところがまったくないこと。必要な条件がすべてそろっていること。また、そのさま。
出典: goo辞書

つまり、『締め切り日までにあなたが持っている知識を駆使し、読者に伝えたいことを伝えるために必要な情報をすべてそろえている状態』 を指します。

また、記事を一度公開したら二度と変更してはいけない、というルールは存在しないことを忘れないでください。

変えたくなったらいつでも変えられるのです。最初から完璧を目指す必要はないですし、何なら完全を目指す必要もありません。

とにかく世に出す、その行動が必要なのです。

記事に書く内容の範囲を区切る

読み手に与えたい価値・タイトル・締め切りを決めたら次にやることはスコープを区切るようにしましょう。

読み手に与えたい価値を実現するために、どのような方向性で、いつまでに完全な状態で実現しなければいけないのか。

ここから逆算してやらないことを決めます。

本当に与えたい価値を実現するためにこの情報は必要なのか?

これを常に忘れないように記事を書き進めていきましょう。

一日で書こうと思わない

自分自身も前はそうでしたが、よくあるパターンとして締切日に急いで記事を書き上げるということをしていました。

急ぎ足で書いてしまうため、以下のような課題が多発していました。

  • 内容が後半に行くにつれて雑になっている
  • 推敲する時間がない
  • やりきることが目的になっている
  • 結果的に出てきた記事が何を伝えたいのかが良くわからない

これは耳が痛い話になってしまうのですが、 自分の持っている知識を他の人にも伝えたい という目的から とにかく書ききる という目的に変わってしまったのが原因だと思っています。

やはりこの観点からも読み手に与えたい価値をベースに文章を書いていく必要があり、1日で書き切ろうとしないスタンスが必要になってきます。

ただ、そのためには少しずつ書き進めていくためのタスク管理が必要になってきます。

タスク管理を行う

難しいことはありません。普段からやっているタスク管理を記事に適応させれば良いだけです。

Todoリストを開いて、そこにこう入力をします。

『○○の記事を書く』

それで終わりです。

・・・本当に終わってしまって良いのでしょうか?

おそらくこのタスクを数日後にみたあなたはこう考えるはずです。

『1日あればいいか!』と。

タスク管理を行っていくにはタスクの粒度を小さくすることが必要不可欠です。

タスクの粒度を小さくすることによって、少しずつ少しずつ積み上げていくことができるからです。

たとえば『○○の記事を書く』というタスクはいくつかのタスクに分割することができます。

  • 記事の読み手を考え、与えたい価値は何かを決める
  • タイトルを決める
  • 締め切りを決める
  • 価値を提供するための最低限の知識をノートにまとめる
  • まとめた知識を構造化したまとめノートを作る
  • 説明するための結論アウトラインを決める
  • 結論アウトラインを理解してもらうためのストーリーを書いていく
  • 全体的に推敲する
  • 想像していた読み手に近い人物に読んでもらい、フィードバックをもらう
  • フィードバックから修正・加筆を行う
  • 公開する

ざっと軽く考えただけでこれくらいタスクを分解することが出来ました。

『○○の記事を書く』だけでは内容が不透明すぎて人は小さく見積もってしまいがちになります。

細かくタスクを分割することで必要な手順を理解することができ、どれだけ自分が時間を掛ける必要があるかを理解するのです。

1点注意してほしいのが、タスクとは動詞で終わるもののことを指します。

『〜する』ものがタスクです。『○○の記事』のように具体的な動詞(アクション)が書かれていないタスクを作らないようにしましょう。

記事公開はスタートと見る

締め切りの章で少しだけ伝えましたが、記事公開はスタートです。

記事公開することで

  • 本当に自分が想定していた人に読まれているか
  • 想定していた読み手に価値を与えられているか
  • 読みにくくないか
  • わかりにくくないか

など、客観的なフィードバックを得ることができます。

どんなにわかりにくい内容や構成であっても、あとから直せば良いのです。

自分の身近に想定する読み手がいない場合はこの記事公開はできるだけ早い方が良いです。

一生懸命書き上げたものが結果的に全然合っていなかった・・・。

そのような結末を早い段階で避けることができます。

まとめ

  • 『読み手に与えたい価値』を常に意識する
  • 締め切りベースでタスク分割をし、小さく少しずつ積み上げる
  • 記事公開はスタートで、インクリメンタルに記事をつくっていく

ボトムアップ・アプローチ

ボトム(下)から考えていくアプローチになります。

偶発的に考えられるため、たくさんアイデアが出てくる反面、『読み手に伝えたい価値』を強く意識していないと説明が広範囲に及び、結局何を伝えたいのかわかりにくい記事となってしまいます。

前述のコンセプトの章記載した 『読み手に与えたい価値を想像する』 ことを忘れずに書き進めていきましょう。

h3要素から始める

ボトムアップと言ってもいきなり内容を書き始めるわけではありません。

『読み手に与えたい価値』 をベースに

  • どうしたら価値を与えられるか?
  • どのように説明すればこの価値を与えられるか?
  • この価値を与えるにはこの項目は必須なのではないか?

といったように価値を与えるために必要な結論をブレインストーミング形式でひたすら出していきます。

ここではMarkdownのh3要素###を使ってひたすらアイディアを出していきます。

変に「これは違うかも・・・」とか「これはさっきと似てるかも・・・」などは考えなくて良いです。

とにかく、とにかく自分の中で持っていること、理解していることをアウトプットしていきます。

ある程度自分の中で出し切ったら終わりでもいいですし、タイムボックスを区切って5分考えたら終わりでも良いです。

h3要素をグルーピングする

さきほどブレインストーミングで書き出したh3要素を似ているものでグルーピングしていきます。

このときちょっと意味が重複しているな、と感じたものは削除して整理しておきましょう。

このグルーピングはとても大切なアクティビティです。

このグルーピングによって自分の頭の中で情報の構造化が行われていきます。

構造化を進めていく上で更に物事を理解します。

アウトプットによって自分の中で曖昧・非言語化されているものがはっきり明確になっていきます。

h3要素を抽象化しh2要素にする

グルーピングを終えたら、次はどういう意味付けでグルーピングしたのかを明らかにし、h2要素として書き出します。

この記事でいうと以下が抽象化されたh2要素に当てはまります。

  • コンセプト
  • ボトムアップ・アプローチ
  • トップダウン・アプローチ
  • ツール

h3要素として書き出したものがやはりh2要素だったな、とh2要素に格上げしても良いですし、逆に新しくh2要素を作ってから「あれも必要かも」と新しくh3要素を付け加えても良いです。

ここで重要なのは、読み手に与えたい価値を実現できる構成になっているかという点です。

とにかく数を出せば良いというわけではありません。ときには必要最低限、完全な状態にすることを意識して、情報の取捨選択を行っていく必要があります。

h3要素の内容を書いていく

いよいよアウトラインが完成したら内容を書いていきます。

ここの内容ですが、結論はh3要素で書かれているため、このh3要素の結論を読み手に納得させられるストーリー形式の内容がベストです。

ストーリーを通して共感し、そして理解していきます。

事実を書かれていてもその場では「なるほど」と思うかも知れませんが、意外と後から思い出すときに「なんでだっけ?」となってしまいます。

読み手に与えたい価値を実際に与えるためにはストーリーが必要不可欠なのです。

昔本で読んだ内容だったけれども、実際に実務でやってみたらより理解が進んだ、という経験はないでしょうか?

おそらくデザインパターンなど学ばれた方など共感できる部分も多いはずです。

また、コードの書かれた技術書を読む際に、実際に手を動かして学ぶ人も少なくないと思います。

そのような場合は、自分でストーリーを作っているのです。

ストーリーは冗長なんかではありません。

やめ太郎さんの記事が教えてくれるはずです。

h3要素を見直す

一旦通しで書いた文は読みにくかったり、脱字していたり、あるいは必要ないかもしれません。

『読み手に与えたい価値』を考えた結果、もっと必要なものがあったり、削れたり、もう少し補足をしたり、もう少しストーリーを加える必要があるのを吟味してみてください。

h2要素のまとめを書く

最後にh2要素のまとめを書いてしまいましょう。数々のh3要素を使ってまで何を伝えたかったのか、それを明らかにする場所です。

ここで書き手である自分自身の中でも更に構造化が進み、より深くまで理解を進める事ができます。

「結局何を伝えたいのか」

h2要素のまとめを書くことで、間接的に言語化しているのです。

まとめ

  • 大原則として『読み手に与える価値』を念頭に置く
  • 『読み手に与える価値』をベースにブレインストーミング形式で必要なことを列挙していく
  • 列挙内容から抽象化し、一般化する
  • h3要素を見直して、より品質を高める
  • まとめを通して自分と読み手の理解を更に促進させる

おわりに

『読み手に与える価値』を考え、ゴールとして置くことで「この情報はいらない」「この章は冗長」だという判断が初めてできます。

『読み手に与える価値』を考えずにただただ自分が知っていることを垂れ流す記事を書いてしまうと、どうしても何を言いたいのかが分からなくなってしまいます。

リファレンス系記事などには当てはまらない内容にはなりますが、『読み手に与える価値』を考えてぜひ書いていきたいものです。

ちなみに自分は全く『読み手に与える価値』を考えずに記事を量産してきたサイドの人間です。

補足ツール

ノートツールを駆使する

ぜひ効果の高いノートを取り、アウトプット活動が捗るように『梃子』を使いこなしましょう。

『梃子』とは小さい力で大きな効果を生み出せるものです。

効果の高いアウトプットをするには、エディタとしての使い心地・ノートを整理しやすい・思考を促進させるものを選ぶ必要があります。

一番はお好きなツールを使うことです。Notionが好きだとか、秀丸エディタが好きだとか自分自身が一番好きなツールで書けるのが幸せです。

特にそのようなこだわりがない方にはObisidanをオススメさせていただいてます。

Obsidianを使うことで普段何気なくとっているノートや一度書いてそのままのノートをアウトプット時に参照し、アウトプットハードルを下げることができます。

『メモを後から見返していますか?』

もしメモを見返していないのであれば、そのメモの効果は半分以下になってしまうでしょう。

メモは見返されることで初めて全効果を発揮します。

書いて見返されないメモ(ノート)を生産するのはやめにしませんか?Obsidianで。

今回メモ術については深くは触れません。いくつか参考になる資料だけ置いておきます。

Obsidianでつなげる情報管理術 | Pouhon | 工学 | Kindleストア | Amazon

Obisidanにおけるオススメ拡張機能や、拡張機能を使った普段のノートアクティビティが書かれています。

「そうそう、これが知りたかった!」という実際に運用していく上での使い方が書かれているため参考になります。

自分のObsidianもここをベースに運用していますが、そろそろ課題は見え始めてきてしまったのでどうにか整理できないかを考えているところです・・・。

アトミック・シンキング: 書いて考える、ノートと思考の整理術 | 五藤隆介, 五藤晴菜 | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon

ZettelkastenやEvergreen notesというノートを使った思考術がまとめられた1冊になります。

ノートを梃子にして自分の考えを発展させていくこの書籍は特に構造化を考えずにノートを取ってきた方には衝撃的な内容になるかもしれません。

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