前書き
ふりかえりのメリットをまとめているサイトはよく見かけますが、
実際に行って得たものを体系的に語っているものはあまり見かけないので、今回記してみました。
ふりかえりを行うか否かは、現場や案件、チームによってまちまちだと思います。
では、いざ初めて行うことを検討した時に、
定期的に行わなければ成果は得られなそう
、工数を取ってまで行う必要があるのかな
、など、コストとリターンのバランスを考える方は多いと思うので、私が実際に行って感じたことをまとめてみます。
※ふりかえり
:過去の経験から得た気づきや知識を元に、より良い未来を作り
だしていくこと
引用元:http://objectclub.jp/download/files/pf/RetrospectiveMeetingScenario.pdf
実施背景
執筆時点で、私はある案件中の1チームのリーダーを務めていた。
リーダーという立場になってから約4ヶ月経った時に、チームとしての作業に1段落が着いたので、
チームとしての成果率の上昇を期待したのと、個人的な好奇心から開催してみた。
結論
ふりかえりは絶対に行った方が良い!
但し、必ずしも定期的に開催する必要はないと感じた。
実施詳細
概要
チーム編成
12人(リーダー(私)+メンバー11人)
実施方式
調べてみるとふりかえりのフレームワークが幾つか見つかり、
その中で1番シンプルそうなKPT
を採用した。
※KPT参考:http://objectclub.jp/download/files/pf/KPT_TIPS.pdf
実施環境
- 声のみでのオンライン会議(コロナでリモートワークとなったため・・・)
- リーダーが司会進行をし、1人ずつ意見を聞いていく(但し、事前にアイスブレイクを行い、いつでも気楽に声を発せられる空気を整えておく)
- スプレッドシートを共有使用、画面共有をして意見を記載していく(オンラインでなければ付箋&ホワイトボードが望ましい)
- ちなみにシートのレイアウトはこんな感じ↓
実施時間
2時間
ふりかえりに対するイメージ
開催前は、ふりかえり(会)と聞いて以下を想像した。
- 開催すれば(漠然と)チームの良い点や悪い点が分かりそう
- 工数がかかる(しかもメンバー全員分)
- 定期的に開催しないと意味ないのかなー(面倒)
- ゆーて想定可能な意見や、全員似たり寄ったりな意見しか出なそうでありきたりな反省会となりそう
前書きの通り、工数を取ってまで行うメリットがあるとは思えなかったのが正直な感想。
実際に行って
想定通りの成果
- チームの良い点、悪い点を把握できた
- 今後の作業の方針を、効率化に向けて修正できた
想定外の成果
- 可視化することにより、頭で考えるよりも遥かに実態を把握できた
- 可視化+共有することにより、メンバー全員が実態を認識することができた
- 通常業務では知り得ないであろうメンバーが感じていた改善点を掘り出せた
- チームメンバー間の互いの話しやすさが増した(気がする)
所感
2時間もかけて行ったが、その工数を捧げてもあまり得る程のリターンを得られた。
まず、誰もが想定するような成果を十分に得ることができた。
そして重要なのは、想定していなかった結果を多く得られたこと。
特に、意見の可視化
+共有
は、想像では絶対に得られない成果を得ることができることを実感した。(この気付きは他の分野でも活きると感じた)
実施における注意点
- メンバー全員から均等に意見を掬い上げること
- 特に普段意見を言わない人から掘り出すことが重要
- 会議感を出さないこと
- 緊張感のある場では形式的な意見しか出ない、真面目な場では出ないような意見こそ重要だったりする
まとめると
- ふりかえりには工数をかけるほどの価値がある
- 行ってみないと価値は絶対にわからない(ぜひ1度行って欲しい!!)
- 行うことで、チームはもちろん、個人の成長にも繋がる
- ブラッシュアップという意味では定期的な開催の方が良いが、1回行うのみでも十分にリターンは得られる
後書き
今回、ふりかえりについての私の体験談と意見をまとめてみました。
チーム力の向上を重じている現場はあまり見ませんが、
私は個人よりチーム力の向上こそ、開発の質の向上により結びつくと思っています。
よろしければご意見お待ちしております。