実は散見される技術者たちの文学好き感。
昨今理系だから文系だからという表現も陳腐化した感がある。
文系出身プログラマや理系出身小説家なんかもそれほど珍しくもない。(かくいう自分も美大卒)
そんなわけで技術者視点のあちらこちらに見え隠れしている文学のエッセンスをちょっとだけ紹介する。
銀河ヒッチハイク・ガイド
物語は地球が粉々に破壊されるところから始まる。
なんだかんだあって主人公はある宇宙船に乗ることになり、そのままその旅路を共にする。
有名なフレーズとして「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」というものがある。
VIM
:help!
を実行すると Don't panic!
というエラーメッセージが表示される。
これは銀河ヒッチハイク・ガイドに登場する同名のガイドブックの表紙に書かれた言葉で、邦訳された単行本の表紙にもかかれていたり、ある意味でこの作品の象徴した言葉。
ほかにも :help
である文字列を検索してもこの作品に関係した特別なテキストが表示される。
「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」と検索すると不思議な検索結果が帰ってくる。
この問いは作中世界で2番目に優れたコンピュータが途方もない時間をかけてやっと答えを算出している。
googleのコンピュータはおそろしいほどの性能を持っているのかもしれない。
華氏451度
この作品は本の所持閲覧が許されないディストピアを舞台にした作品。
昇火士(消火士のもじり。原文ではfiremanだったと思う)が各地に残った本を見つけては焼却処分する。
主人公は昇火士の仕事をする一方で本を隠し持っている。
タイトルの華氏451度は紙が燃える温度。
HTTP
httpステータスコード 451はそれになぞらえてコードが与えられた。
このステータスコードの意味はUnavailable For Legal Reasons(法的理由により取得不能)。違法性のあるページへリクエストを送信した際に表示される。
ハイニッシュ・ユニバース
この作品はまだ読めていないので詳しくは知らない。
舞台は未来のようで、異種族や社会のあり方などがシリーズのテーマになっているっぽい。
SF作品としてみたとき特筆するものとして超光速の乗り物が登場せず、その代わり超光速の通信技術が登場するらしい。(wikipedia参考: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BBK%E3%83%BB%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%82%B0%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3)
Ansible
構成管理ツールであるこのツールの名前が、先に出た超光速通信技術の名前を由来としている。
サクッと素早くサーバ立てちゃいますよ〜といった感じか。
ギリシャ神話
上にあげてきたものとは毛色が違うがこういうエッセンスを持ったものもある。
日本やインドの神々もはっちゃけてるなあと思うが、ギリシャ神話に登場する神々もなかなかだと思う。
UNIX
バックグラウンドで処理を実行するdeamonは、ギリシャ神話に登場する神々の代わりに煩雑な作業を行う存在であるdeamonが語源。
demon と書くのは誤りで、これは悪魔を指す。
ちなみに悪魔は悪魔で古典物理を扱う本でよく出てくる(マクスウェルの悪魔やラプラスの悪魔など)。
昔の学者たちはみんな悪魔を飼っていたらしい。
〆
知ったからといってなんにも得することはないんですが、なんとなくそういうこと知ってるとかっこいいよなあと。
個人的にはなにかいいのが出来たら星新一作品からなにか引用したいなあと思う次第。
この記事は 株式会社ソニックムーブ Advent Calendar 2017 21日目の記事です。
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