記事投稿遅刻、大変失礼いたしました。
#「地理院地図、みなさん使っていますか?」
…なんて聞くのも今となっては愚問となりつつありますね。
何に使っていますか?
…PCでGISソフトのベースマップとして、というと結構一般的になりましたね。
フィールドワークなんかでもいい感じです。
でもフィールドワークというと、山奥はまだまだ通信が不安定だったり、つながらなかったりしますよね。
そうなるとWebで提供されている地図はなかなか気軽には…
…そう、Geopaparazziってソフトがありましたね。
GPLで提供されたOSSで、ローカルに落としてきた地図を使えます。
入れ方はこちら(オフラインタイル地図 - Geopaparazziの使い方解説)に書いていますので省いちゃいます。
んじゃちょっと入れてみましょう。
札幌市を表示してみました。
おや?なんか左下に見えてますね。
藻岩山ロープウェイでした。
ロープウェイも表示されるんですねぇ。
なるほど、ロープウェイは確かに表示されていると便利ですね。
これってもしかしてスキー場のも表示されてるのかなーなんて…
なんて…!?
これは…ゲレンデ地図…!!
<!-- 寸劇ここまで -->
本題
そんなわけで皆さんこんにちは。
twitterでは「まーたこいつ遊んどるな」と思われていたかと存じますが、先日今年初滑りに行ってまいりました。
行った場所は**ニセコ グラン・ヒラフ**。
雪質の良さもさることながら、日本人率の低さも有数のリゾート地でございます。
今回はこちらにスマートフォンとモバブを持ち、単騎にて乗り込んでまいりました。
滑る前にやるべきこと
スキーで滑る程度の距離だと0じゃないとあんまり意味ないです。
Geopaparazziだと3秒が限界のようです(短ければ短いほどいいですがバッテリーとかメモリとかエラいことになります)。
ゲレンデですから地図中心自動にしないと地図がほぼ真っ白で遭難します。
ネットワーク位置は山中じゃ意味ないかも。
Geopaparazziと一緒にGPS Status入れてる場合はこちらも。
GPSロギング
ちなみにOSMだとこうなります。
リフトやゴンドラはちゃんと入ってますが、さすがにゲレンデ情報を入れた猛者はいないようです。
といいつつ山道入ってるんですよね。マッパーの皆さん、恐るべし。
さて、GPSを取るだけならいろんなソフトがあるわけですが、Geopaparazziにしたことのメリットがここで出てきます。
- ボタンが大きい
- 座標を中央に合わせなくともGPS座標に直接マークしてくれる
- メモを取るまでたった2タップ
- メモを取ったらたった1タップで反映
- フィルターからとったメモの座標に簡単に行ける
寒くても、滑っている最中のちょっとした休憩時間でも、簡単に情報を書き込んだり呼び出したりできるわけです。
リフトの終了時間なんかは現地行かないとわからなかったり、突然変更されることも多いですから、リフト乗り場につくたびに更新すると不安が少ないですね。
コース上でいつまでも座り込んでGISやってるのは流石に危なっかしいんで細かいこと確認したりはリフトの上やロッジでやりましょうね。
増えた。
今回リフト上で、外国人の方が「それはなんだ?」と聞いてくれました。
Geopaparazziというソフトだ、ということと、「日本の地図を入れるカスタマイズをしているけれど、標準状態だとこういう地図が使えるよ」とOSM状態での表示をみせたらGoogle Playにアクセスして「あとでダウンロードするよ!」と言ってくれました。
ユーザーが増えるのはとても嬉しいことですね。
帰ってきました。
現場で便利に使って、写真も撮って、楽しかったー
だけではないのです!
帰ったらエクスポートしましょう。
GPXだと手軽な感じです。
QGISに取り込みました。
ベースマップの使い方はこちらで解説されています。
君はもうTileLayerPluginを体験したか-QGISで電子国土基本図(地理院地図)・その2 - 地図はたいへん
これにtime属性でラベルを貼るだけでもかなり有用というか十分に楽しめちゃったりはするのですが。
ここにもう一声。
$idを参照するだけのfidを作って(idを式で直接参照できればこんなことする必要ないんですよね。たぶん私がやり方知らないだけなのでやり方知ってる方いたら教えてください…)。
式に以下のように入力。
second(age(time, attribute(get_feature(@layer_id, 'fid', fid-1), 'time')))
簡単に解説すると、現在のポイントと一つ前のポイントのtime属性を取得、差(age)を取って、秒で返しただけです。
これでGPS取得間隔が取れます。
同様なやり方でこう書きますと。
ele - attribute(get_feature(@layer_id, 'fid', fid-1), 'ele')
どのコースからどのリフトに行くと忌々しくも上り坂を歩かされるハメになるのかや、急こう配(またはスピードが出ていた、正確には「何らかの理由で前回取得時より大幅にelevationが下がった」)地点、勾配がほとんどない休憩できそうな場所などが見えてきます。
この精度になってくると、アマチュアスキーヤーの遊びの範囲ではタイムアタックや初心者連れなど状況に応じたルート決めにも多少は活用できそうな感じです。
ひとしきりチェックしたら、残したいポイントだけを残したGPXを作りましょう。
ドラッグアンドドロップしてしまうと編集できませんが、プラグイン「GPSツール」を使って取り込んだ地物は属性テーブルからいきなり編集することができます。
GPXで保存して…
インポート。
次回のスキーは最初に乗るリフトの上で天候を見ながら行程計画ができますね!
タイトルは「スキー」となっていますが、別のスポーツでも構いません。たぶん移動するスピードやタイムを競う系の競技全般が楽しくなってくれると思います。
おまけ
Geopaparazziだと3秒に1回しかGPSを取れません。
多くの場合これで十分なのですが…
お使いのAndroidさんの限界速度で只管GPSを叩き続けるアプリだとこうなります。(青がGPS Logger, 赤がGeopaparazzi)
バッテリーさんに多大なるご負担をお掛けすることとなりますが、ここまで行くと最早スラロームの痕跡すら見て取れます。
ゲレンデではただ記録を取って、降りてから確認することが目的であれば、こういったアプリを併用するとよいかもしれません。
ちなみに今回はfoss4gのadvent calenderですのでGPLのものを利用しました。
以上、GISでスキーをもっと楽しもう、というタイトルで、ゆるーくお送りいたしました。