1. はじめに
AIと会話していて「 なんか違う答えが返ってきた 」と感じたことはありませんか。情報が足りない、説明が長すぎる、専門用語が多い、そんなズレを減らす鍵が フィードバック です。ここでいうフィードバックとは、「もっと短く」「初心者向けにやさしく」「表で比較してほしい」など、回答に対する具体的な改善要望のことです。伝えることで、AIとの会話は一方通行ではなく、やり取りを重ねて好みに合わせて 育てる ことができます。本記事では、このフィードバックの重要性と実践法を紹介します。
- 本記事はCopilot向けに書いていますが、 ChatGPT でも基本概念は同じです。
- 基本Copilotに直接聞いてまとめたメモです。正確さは保証できませんが、参考になれば幸いです。
2. なぜフィードバックが重要なのか?
AIとの会話は、質問して終わりの一方通行ではなく、やり取りを重ねて調整できるのが大きな特徴です。その調整のスイッチになるのが「フィードバック」です。
2-1. 意図を正しく伝えるため
AIは人間のように“空気を読む”ことが苦手です。「もっと短く」「専門用語を減らして」など、具体的に伝えると、次の返答が希望にぐっと近づきます。
2-2. 会話の質をその場で改善できる
質問して思った答えが返ってこなくても、フィードバックを入れればすぐ修正が可能です。たとえば「表でまとめて」と言えば、次の回答は表形式になります。
2-3. 自分好みのスタイルに育てられる
繰り返し要望を伝えることで、AIは会話中にあなたの好みを学習し、より使いやすくなります。これは一発勝負の検索エンジンにはない強みです。
2-4. ポイント
フィードバックは、AIにダメ出しをすることではなく、「こうするともっと助かる」というお願いです。 これを活用すれば、AIとの会話をあなた専用の便利なツールに育てることができます。
3. 実践テクニック
ここでは、誰でもすぐ使えるフィードバック例を「状況別」に分けて紹介します。 すべて短く具体的にするのがコツです。
3-1. もっと短くしてほしいとき
・3行で要約して
・50文字以内にして
・重要なポイントだけ箇条書きに
3-2. わかりやすくしてほしいとき
・中学生にもわかる言葉に置き換えて
・専門用語を使わずに説明して
・例え話を入れて説明して
3-3. 形式を変えてほしいとき
・表で比較して(価格・メリット・注意点)
・手順を番号付きで
・見出しを付けて整理して
3-4. 情報の正確さを高めたいとき
・出典と自信度%を付けて
・この情報の参照元も教えて
・日付が新しい情報に更新して
3-5. 間違いや不足を直してほしいとき
・この部分は誤り。正しくは〇〇
・〇〇の情報が抜けているので追加して
・前回の説明と数字が違うので確認して
4. よくある誤解
- フィードバック=クレームではない
- 改善ポイントと望ましい形を伝えるのが目的
- 長文ほど効果的というわけではない
→ 端的・具体が鍵
5. 「ゴール+条件+形式」 とフィードバックの違い
項目 | 「ゴール+条件+形式」 | フィードバック |
---|---|---|
目的 | 質問時点で AIに正しく意図を伝え、初回回答の精度を上げる | 回答を受け取った後に 改善点や次回の希望を伝え、応答を修正・改善する |
タイミング | 会話のスタート(質問入力時) | 会話の途中または回答直後 |
情報の種類 | ・ゴール(目的) ・条件(制約や優先順位) ・形式(箇条書き、表など) |
・良かった/足りない点の評価 ・次回こうしてほしいという要望 ・誤りの指摘や修正指示 |
ねらい | 最初からズレの少ない答えをもらう | 会話を続けながら精度や使いやすさを育てる |
例 | 「旅行計画を作って。条件は3泊4日、予算5万円以内。表形式で。」 | 「説明が長かったので次は3行で」「用語が難しいので中学生向けに」 |
5-1. 「ゴール+条件+形式」は質問の設計図
出発前に目的地・ルート・車種を決めるようなもの
5-2. フィードバックは走りながらの軌道修正
走ってみて「速度をもう少し落として」「景色が見やすい道に」などと指示すること
この2つは対立する概念ではなく、組み合わせると最も効果的です。「ゴール+条件+形式」でスタートを精密にし、会話中にフィードバックで微調整すれば、最短で理想の答えに近づけます。
6. フィードバックするとcopilotはどんどん学習するのか?
会話中のフィードバックは即時の応答改善には役立ちますが、Copilotがその内容を長期的に学習するかどうかはわかりません。
6-1. Copilotは会話中に指示や修正に応じて返答を変える能力がある
たとえば「もっと短く」「表でまとめて」と言えば、次の応答はその通りに変わります。
6-2. Copilotには“メモリ機能”があるが、ユーザーがオフにしている場合は学習しない
メモリがオンなら、好みやスタイルを覚えて次回以降に反映することがあります。
6-3. 会話中のフィードバックがモデル自体の再学習に使われるかは非公開
Copilotに関する技術文書では、個別のフィードバックがモデル改善に使われるかどうかは明示されていない。
7. さいごに
AIとの会話は「一度きりの回答を得る場」ではなく、やり取りを通じて精度と使いやすさを高めていく共同作業だということを意識すると、活用の幅が大きく広がります。質問時には「ゴール+条件+形式」で明確に道筋を示し、会話中はフィードバックで軌道修正。この二つを組み合わせれば、短時間で理想に近い答えにたどり着けます。
AIとの会話術は別記事にも整理しています。下記「記事まとめ」から、併せてご参照ください。