絶対パスとは
絶対パスとは、ルートディレクトリと呼ばれる階層構造の頂点(最上位階層)から目的のフォルダまでの経路を表したものです。
またフルパスとも呼ばれており、ユーザが現在どのフォルダで作業中であっても、常に同じスタート地点から、常に同じ経路の表示になります。
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メリット・デメリット
メリット | デメリット |
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絶対パスはファイルやディレクトリの場所を完全に指定するため、実行環境や作業ディレクトリに依存しない。他の人が同じパスを使用しても同じ場所を参照することができる。 | 絶対パスは完全なパスを指定するため、相対パスよりも文字数が長くなる。これは、コマンドやスクリプトの入力時に入力量が多くなる可能性がある。 |
絶対パスは、ファイルやディレクトリの位置が変更されても正確に指定することができる。他のファイルやプログラムから参照される場合、相対パスよりも安定性が高い。 | 絶対パスは特定のファイルシステムやオペレーティングシステムに依存する場合がある。異なる環境やファイルシステムで絶対パスを使用する場合、パスの書式やルートディレクトリの位置が異なる可能性がある。 |
絶対パスは、異なる作業ディレクトリで作業する場合に特に便利。作業ディレクトリが変更されても、絶対パスを使用して必要なファイルやディレクトリにアクセスすることができる。 | プロジェクト内のファイルやディレクトリの位置が変更される場合、絶対パスを使用していると他の場所にあるすべての参照を更新する必要がある。これは手作業で行う必要があり、手間がかかる場合がある。 |
相対パスとは
相対パスとは、ユーザが現在作業しているフォルダから目的のフォルダまでの経路を表したものです。作業中のフォルダが異なると、当然この経路も異なります。
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メリット・デメリット
メリット | デメリット |
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相対パスは現在の作業ディレクトリを基準にして位置を指定するため、ディレクトリ構造の変更や異なる環境での使用においても、パスの修正が容易。他のユーザーが同じコードやファイルを異なる環境で使用する場合にも移植性が高まる。 | 相対パスは現在の作業ディレクトリを基準にしているため、他のファイルやディレクトリとの相対的な位置関係が重要。特定のファイルやディレクトリが他の場所に移動した場合、相対パスの指定が正しくなくなる可能性がある。 |
相対パスは、現在の作業ディレクトリを基準にしてファイルやディレクトリの位置を指定するため、パスが短くなる。また、相対パスは特定のディレクトリ構造に依存せず、コードやファイルの可読性を向上させる。 | 相対パスを使用する場合、作業ディレクトリの位置が変わるとパスの解釈が変わることに注意が必要。異なるディレクトリでコードを実行する場合や、異なる環境でプロジェクトを実行する場合には、意図しない結果を招く可能性がある。 |
相対パスを使用すると、ファイルやディレクトリの位置を変更する際に、修正する必要がある場所が少なくなる。特にプロジェクトが成長してファイルやディレクトリの数が増える場合や、ディレクトリの階層が深い場合には、メンテナンスの容易さが向上させる。 | 相対パスは現在の作業ディレクトリを基準にしているため、他の人がコードやファイルを理解する際に、作業ディレクトリの位置を把握する必要がある。コードを共有したり、他の開発者がプロジェクトに参加したりする場合には、相対パスの使用による非明示性が問題になる。 |
まとめ
絶対パスは、特定の環境やシステムでのファイルやディレクトリの参照に便利ですが、可搬性の低下やメンテナンスの困難さなどのデメリットも考慮する必要があります。特定の使用ケースや要件に応じて、絶対パスと相対パスを使い分けると良い。
「./」は自分が今いるディレクトリ(フォルダ)、「../」は自分が今いるところの1つ上のディレクトリ(フォルダ)と覚えておこう。ただし「./」は省略することができる。
使用する環境によってパスの書き方は異なる場合があるため注意が必要。【初心者向け】絶対パスと相対パスの違いについて解説 3.環境別、パスの書き方 を参照していただきたい。
参考
著者: E.R (株式会社ウィズツーワン)