期待値と平均値
統計学を勉強しているときに、出てくる期待値と平均値。
この二つの違いがあなたはすぐに答えられますか?
今からサイコロを使った例で簡単に考えていきましょう。
普通のサイコロ
一様で確かであるサイコロを1回振るとき、以下の確率でその値が出ると仮定します。
値 | 確率 |
---|---|
1 | 1/6 |
2 | 1/6 |
3 | 1/6 |
4 | 1/6 |
5 | 1/6 |
6 | 1/6 |
学生時代に平均は以下のような式で習いませんでしたか?
$$
\frac{1+2+3+4+5+6}{6} = 3.5
$$
正解です。
そして、
期待値は以下の定義で計算されるため、
$$
{値}×{確率} の合計
$$
サイコロの期待値は
$$
1×\frac{1}{6}+2×\frac{1}{6}+3×\frac{1}{6}+4×\frac{1}{6}+5×\frac{1}{6}+6×\frac{1}{6}=3.5
$$
まったく同じ値になりましたね。
いかさまサイコロ
形を細工し、サイコロを1回振るとき、以下の確率でその値が出ると仮定します。
値 | 確率 |
---|---|
1 | 1/2 |
2 | 0 |
3 | 0 |
4 | 1/6 |
5 | 0 |
6 | 1/3 |
ん???
この平均の求め方ってなんだ???
ってなりませんか???
この場合、平均という値は出ません。
しかし、期待値あります。
サイコロの期待値は
$$
1×\frac{1}{2}+4×\frac{1}{6}+6×\frac{1}{3} = 3.167...
$$
じゃあ平均値っていったい何だったんだ
確率が全て同じ時の期待値の計算だったんだ。下の表みたいにね。
値 | 確率 |
---|---|
1 | 1/6 |
2 | 1/6 |
3 | 1/6 |
4 | 1/6 |
5 | 1/6 |
6 | 1/6 |