更新履歴
※ 2023.12.04 バージョン5.0/5.1/5.2/8.3 について追加しました。
※ 2022.04.20 バージョン8.1/8.2 について追加しました。
※ 2021.03.18 バージョン8.0 について追加しました。
※ 2020.05.20 バージョン7.4 について追加しました。
アクティブサポートは2年、セキュリティサポートは1年が基本
PHP は最初の安定リリースから2年間、フルサポートが行われます。
この間、報告されるバグやセキュリティの問題は順次修正され、「定期的に」リリースされていきます。
この2年間のサポートのことを「アクティブサポート」と呼んでいます。
アクティブサポートの2年間の後、
重要なセキュリティで問題が生じた時の解決のため、1年間のサポートが行われます。
このサポートを「セキュリティサポート」と呼んでいます。
セキュリティサポートのリリースは、必要に応じて行われます(つまり不定期です)。
こうして、トータルで3年間のサポートが完了すると、バージョンの寿命は終了します(サポートは行われなくなります)。
バージョン7になってからは、このスケジュールは忠実に守られています。
バージョンごとの一覧表
バージョン | 初回リリース日 | アクティブサポート | セキュリティサポート |
---|---|---|---|
5.0 | 2004/07/13 | - | 2005/09/05 |
5.1 | 2005/11/24 | - | 2006/08/24 |
5.2 | 2006/11/02 | - | 2011/01/06 |
5.3 | 2009/06/30 | - | 2014/08/14 |
5.4 | 2012/03/01 | - | 2015/09/03 |
5.5 | 2013/06/20 | - | 2016/07/10 |
5.6 | 2014/08/28 | 2017/01/19 | 2018/12/31 |
7.0 | 2015/12/03 | 2017/12/03 | 2018/12/03 |
7.1 | 2016/12/01 | 2018.12/01 | 2019.12/01 |
7.2 | 2017/11/30 | 2019.11/30 | 2020.11/30 |
7.3 | 2018/12/06 | 2020/12/06 | 2021/12/06 |
7.4 | 2019/11/28 | 2021/11/28 | 2022/11/28 |
8.0 | 2020/11/26 | 2022/11/26 | 2023/11/26 |
8.1 | 2021/11/25 | 2023/11/25 | 2024/11/25 |
8.2 | 2022/12/08 | 2024/12/08 | 2025/12/08 |
8.3 | 2023/11/23 | 2025/11/23 | 2026/11/23 |
※ 5.0 ~ 5.5 までは Wikipedia から作成
※ 5.6 以降は、PHP マニュアル Supported Versions http://php.net/supported-versions.php から作成
※ 5系はサポート期間が一定ではありませんでした。
※ 7系になってからは、3年のサポートスケジュールが忠実に守られています。
日本のレンタルサーバの状況
2017年2月 、エックスサーバーは業界の中でもいち早く、PHP の推奨バージョンを、5.6 から 7.0 に切り替えました。
みなさんのところでは、移行は進んでいるでしょうか。
バージョン5系は、アクティブサポート、セキュリティサポートとも、2018/12/31 に既に終わっています。
7.0でさえ、2018/12/08 に終了しています。5系より早かったところに注目してください。前述の一覧表のとおり、5系のサポートはマイナーバージョンごとに異なっており、今となってはそのスタンスは例外です。
レンタルサーバの業界では、2017年から7系への移行を始めていました。
それは、7系が5系と比較して、単純に速度が約2.5倍~3倍にあがり、バージョンアップするだけで、パフォーマンスが大幅に向上したからです。
サービスを提供する側としては、率先して7系にバージョンアップを進めていった、という状況でした。
もちろん、今でも5系を残しているサーバはあります。
主として移行のため、と考えられますが、後述する WordPress がそうなのですが、そろそろ時間切れが迫っているようです。
バージョン5系のリスク
5系はライブラリが古くなり、サポートが受けられないケースが増えています。
オープンソースも速度とセキュリティの向上が見込める7系へ移行しています。
2019年5月22日、WordPress はバージョン 5.2.1 をリリースしました。
このバージョンには、PHP 5.3.x からは、アップグレードすることができません。
WordPress で5系を使い続けるのは、リスクが増える一方です。
人気のあるオープンソースだけに、年々、攻撃手法が高度になっているからです。
※ WordPress は適切な設定をすれば十分なセキュリティ機能を発揮します。
7系でバージョンアップすれば、セキュリティを強化できるプラグイン(Site Guard)を簡単に導入できるようになります。
セキュリティロックや、ログイン画面のURLの変更、画像認証などが簡単に行えるようになります。
※ SiteGuard はレンタルサーバで WordPress の「自動インストール」サービスを利用すると、必ずといっていいほど、バンドルされるプラグインです。
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- PHPのリリース日とサポート期限 ... こちらはデバッグツールやフレームワークについても書かれています。
最後に
7系になってから、サポート期間が3年と決まり、実際、月日まで正確にスケジューリングされています。
インフラ管理者には保守管理の計画が立てやすくなった、と言えるのではないでしょうか。
PHP8 は、さらにレベルの異なる高速化(JIT対応)が予定されています。
パフォーマンスとセキュリティの向上を常に目指して、PHPのコミュニティは活発に働いています。
バージョンアップを負担と考えず、インフラ管理者と Phpe には常に上を目指していってもらいたいと思います。