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「Thread API by PHP」とは

概要

  • PHP で「Threads API」を扱うためのクラスとそのサンプルコードです
  • GitHub リポジトリ: mikiakira/threads_api: Threads API
  • これは、上記リポジトリの README.md を複製 + 解説記事です

API 発表から実装に至る経緯

おそらく、PHP で実装された記事としては、threads-Apiで投稿するための雛形 #PHP - Qiita が最速だったと思います(間違っていたらすみません…)。

右も左も分からず、「承認コード」「短期/長期アクセスコード」? 公開サーバが必須で、コールバックURL がいるってどういうこと?? な状況で、非常に参考になりました。

しかし、公式ドキュメントは英語のみ(2024年6月28日現在)。
全体像もわかりにくいので、フローチャート図も書きました。
※おそらくここまでしないとチームでの実装は難しいと思います。


謝辞


元クラスとの違い

  • 改修、追加した機能は以下の通りです

  • cURL を使った HTTP リクエストから、ストリームを使ったリクエストに変更
    • 一部サーバは cURL が使えないため、汎用性を持たせるために変更
  • 「長期アクセストークン」を保存するためのサンプルデータベース(SQLite)の実装
  • アクセストークンの有効期限を分かりやすいフォーマットに変換
    • API が返却するのは実行時から有効期限までの「秒数」のため
  • 定数ファイルの追加
  • データベースの情報を確認する簡易ビューワ

ファイル一覧と使い方

ファイル一覧

  • ThreadsClass.php … Thread API を扱うクラス
  • const.php ......... 定数ファイル(管理画面で取得した ID、リダイレクト URL 等)
  • authorize.php … 「承認ウィンドゥ」をリクエストし、リダイレクトで開く
  • redirectCallback.php … リダイレクトでコールバックを取得し、トークンを保存する
  • post.php … 投稿するファイル
  • token_viewer.php … 現在のデータベースに保存されている情報を簡易的に確認する

使い方

  • const.php に管理画面で取得した ID、リダイレクト URL 等を設定
  • authorize.php を実行し、承認ウィンドゥを開き、承認ボタンを押す
  • リダイレクトでコールバックを取得し、トークンが保存されます
  • post.php を実行し、投稿を行います

データベース構造

  • コンストラクタで作成されます

  • サンプルデータベース: SQLite「threads_tokens.sqlite」

  • テーブル名: 「threads」

テーブル構造

データベース構造

カラム名 初期値
id INTEGER not null
expires_in TEXT 0
limit_date TEXT 0
long_access_token text not null
  • API はトークンを返した時点から期限切れまでの秒数(expires_in)を返却します
  • そのため、現時点から期限切れまでの秒数を加算して扱いやすい「'Y-m-d H:i:s'」のフォーマットに変換した上で保存しています

フローチャート

  • 他の SNS を比較すると複雑な工程のため、フローチャートを作成しました

承認

image.png

  • 短期アクセストークン
    • 発行から1時間有効
  • 長期アクセストークン
    • 発行から60日有効
    • 更新用 API で60日延長可能
      • 本設計では7日前から更新を行うように設定

投稿

image.png


Meta for Developers での設定

アプリの作成

  • Meta for Developers: アプリ を開く
  • 画面右上の「マイアプリ」をクリック
  • 「アプリを作成」ボタンを押す
  • 新規に名前を付けてアプリを作成する
  • 「現時点ではビジネスポートフォリオをリンクしない。」を選択し、「次へ」をクリック
  • 「Threads API にアクセス」を選択し、「次へ」をクリック
  • 「アプリ名を追加」と「アプリの連絡先メールアドレス」を入力し、
    「次へ」をクリック
  • 利用規約と開発者ポリシーを確認
  • 「アプリを作成」をクリック
  • 本人確認のためユーザーパスワードを入力するダイアログが表示されるので、入力して次へ進む
  • 十数秒ほど待ち、問題がなければ「アプリが作成されました」のダイアログが表示される

IDの取得とリダイレクトURLの設定

  • メニュー「ユースケース」をクリック
  • 作成した Threads アプリの「カスタマイズ」をクリック
  • 「アクセス許可」より、「threads_basic」と「threads_content_publish」の「追加」ボタンを押して有効化
    • この2つが「投稿」に必要な最低限の権限です
  • 続けて「設定」より「コールバック URL をリダイレクト」の入力欄に、にサイトに設置したコールバック URL を登録します
    • 公開されているサーバが必要かつ、コールバック URL としての画面を用意する必要があります(このため、投稿用プログラム単体では実装できません)
    • 「承認コード」は localhost でも取得できますが、アクセストークンは正式なドメインサーバでないと取得できません
  • 「アプリの設定」> 「ベーシック」をクリックして「アプリドメイン」を登録
  • ThreadsアプリID」と「Threads App Secret」をコピーし、本プロジェクトでは、const.php に設定(API 利用に必須
  • 「表示名」「ウェブサイト」(URL)も入力(他の項目もなるべく入力する)
  • 「アプリの設定」> 「詳細設定」では「ドメインマネージャ」で利用するサイトのドメインを入力

テスターの登録

  • メニュー「ユースケース」をクリックし、作成した Threads アプリの「カスタマイズ」をクリック
  • 「設定」の下にある「ユーザートークン生成ツール」の「threads テスターを追加または削除」をクリック
  • 「アプリの役割」画面へ遷移するので、「メンバーを追加」をクリック
  • 「追加したいThreadsカウントのユーザーネームを入力してください」に API を利用して投稿するアカウント名を入力し、役割「Threadsテスター」を選択して「追加」ボタンを押す
  • 追加したあと、「ウェブサイトのアクセス許可」をクリックすると設定したアカウントの Threads 画面が開く
  • 「ウェブサイトのアクセス許可」をクリックし「アクティブ」タブより認証を行う

参考サイト


ライセンス

  • MIT ライセンス

最後に

自分は X や Bluesky についても、CakePHP で構築したコンテンツサイトにおいて、記事の投稿に連動し、各 SNS へ自動投稿できるよう、PHP で実装してきました。

ここまで工程が複雑な SNS の API は初めてです。

理由としては、セキュアにしたかったのでしょう。が、気軽に試してみることはできません(公開サーバが必須です)。

古い話ですが、インターネットが設計された当初、「どれだけの数の人間が参画できるか」を念頭に、HTML などが作られていったといいます。
ニンテンドーが「ゲーム人口」を増やすことを念頭に戦略を立てていったように、「参入障壁」が低いものは、人が集まり、人が集まるところは自然に盛り上がるというのは自然な流れです。その意味で、Threads API は現状では、どの SNS より断然使いにくく、なかなか普及しづらいのでは? というのが正直な感想です。

その中で、PHPher として今回ひととおりまとめられましたので、”PHP なら一歩先に行けそう”、というのを示すことができていれば、大変嬉しく思います…。

※ 勤務先では、「これだけ複雑だと今後、大幅な設計変更がありそう」という意見も出ました。みなさんは、どう思われますか?

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