この記事の目的
- 社内 SE や PG が Windows10 から Windows 11 へ移行するにあたり、参考となる情報をまとめます
- システム UI の細かい変更(タスクバーが下に固定など)については詳しくはとりあげません
概要
基本情報
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マイクロソフト公式ページ: https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11
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リリース時期:2021年後半(12月頃)
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Windows 11と互換性のあるWindows 10 搭載 PC は無料でアップグレード可能
- アップグレードのチェック項目を満たしていることが条件
アップグレードのチェックアプリ
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公式サイトの [互換性の確認] より
- 使用している PC が Windows 11 の動作に必要な要件を満たすか確認できるチェックアプリをダウンロードできる(現在は「準備中」になった)
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対象外となった原因は教えてくれない >>> 新しいPCの購入を促される
- バージョン2.3.210625001-s2 の場合
- 英語バージョンは先行して要件を満たしていない項目の詳細表示に対応(日本語環境ではまだ非対応・2021.06.28時点)
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一時的に削除→ 2021年秋に再公開すると発表 (日本時間 6/29)
- 「チェックを掛けたPCがアップデートできない理由について、正確さや詳しさがユーザーの期待レベルに達していなかった」(MS)
- 後日、機能を拡張するとのこと(6/29 時点ではまだダウンロード可能)
- WhyNotWin11:
- https://github.com/rcmaehl/WhyNotWin11 > [Download] の [Download here] をクリック
- Robert Maehl 氏が開発
- どの項目が要件を満たしていないのかを判定し表示してくれるため、マイクロソフト公式のチェックアプリより分かりやすいと評判
- ファイルサイズ: 980KB (インストール不要の単体実行ファイル・実行形式(EXEファイル)のため、ダウンロードの際に警告が出る)
システムの最小要件
- プロセッサ 1 ギガヘルツ (GHz) 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC)
- メモリ: 4 GB RAM
- ストレージ: 64 GB 以上の記憶装置
- グラフィックスカード: DirectX 12 互換のグラフィックス / WDDM 2.x
- ディスプレイ: 9インチ以上、HD解像度 (720p)
- インターネット接続環境
注意点
- 32bit CPU は対象外となる
- 「Home」エディション:
- デバイスのセットアップを完了させるためインターネット接続と「Microsoft アカウント」が必要
- 暗号化チップとして「TPM 2.0」対応のものが必要
- Intel は Haswell/Clover Trail 世代以降、AMD は Mullins/Beema/Carrizo 世代で実装されている
補足情報: Win10 のシステム最小要件
- メモリ:2GB(64bit)、1GB(32bit)
- ストレージ: 32GB(64bit)、16GB(32bit)
- グラフィックスカード: DirectX 9以降(WDDM 1.0)
- ディスプレイ: 800x600
Windows10 は 2025年10月14日までサポートを継続
TPM について
基本情報
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Trusted Platform Module
- デバイス上でセキュリティ機能を提供するためのモジュール
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暗号化用アルゴリズムエンジン、ハッシュエンジン、鍵生成器、乱数生成器、不揮発性メモリなどを備えたモジュール
- TPM 内への暗号キーの作成や使用制限をするために利用される
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1.2と2.0がある
- 2.0で機能が大幅に強化、仕様も大きく異なる
- 古いPCで1.2の対応となっている場合、Win 11での要件には適していない
確認方法
- コマンドを指定して実行で「tpm.msc」を実行すると、TPM の実装の有無が分かる
- PowerShell で「Get-Tpm」を実行すると対応状況を確認できる
その他、BIOS の設定を変更して有効にすることもできるようです(下記記事を参照)
- 【Windows 11】TPM2.0を有効にするBIOS設定の変更手順メモ(自作PCでWindows 11のシステム要件を満たすために行った設定変更)
- Windows 11対応NG問題はTPMの設定でだいたい解決 - 読む・考える・書く
TPM に関わる問題
マイクロソフトが、一部の OEM 製品につき TPM2.0 の対応なしに Windows 11 をインストールすることを許可していると明らかになり、おそらく、中国やロシアなど TPM の使用が制限されている国での利用を想定されていると話題になっています。
Engadget では MS への問い合わせについて続報を知らせるとのことなので、進展があれば追記します(2021.06.28時点)
機能特徴
基本
- スリープからの復帰が高速
- ブラウザの実行も高速化: Chromium ベースのブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edge、Opera など)
- Windows Update は40%小さくなり、基本は年1回となる
- 省電力化によりバッテリーも長くなる
- Internet Explorer は無効になる(Microsoft Edge の「IE モード」が代替になる)
Microsoft Store on Windows
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PWA のアプリもサポート
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アプリケーション経由での売り上げ:
- マイクロソフトの取り分は 0% (以前は12~15%, Apple や Google は30%)
- 売り上げはすべてアプリケーション開発者のものとなる
Android アプリを実行可能
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OS標準機能として Android アプリの動作をサポート
- Windows 上で Android アプリを動作させる専用アプリが、Microsoft Store を通じて提供される
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Amazon.com と提携
- アプリは「Amazon Appstore」から導入できる
- 現在(2021.06.28)プレビューで確認できるのは Kindle リーダー、Tiktok など
Microsoft Teams がプリインストール
- スタートメニューに配置されたアイコンからアクセス
- ビデオ通話、チャット機能
非搭載になるもの
- Internet Explorer ... Microsoft Edge の「IE モード」が代替になる
- 数式入力パネル ... 必要なら Microsoft Store から別途ダウンロードする
- ニュースと関心事 ... タスクバーから削除
- Snipping Tool ... 「切り取り&スケッチ」アプリに置き換えられる
- Skype、3Dビューア、ペイント3D、OneNote for Windows 10 ... Windows 10 からアップグレードした場合は残るが、クリーンインストールする場合はプリインストールされず、Microsoft Store から別途ダウンロードする必要がある
- タブレットモード、タイムライン、Wallet はなくなる
- S モード ... Windows 11 Home Edition のみ
参考記事
- Windows 11」発表 Androidアプリが動作するように【更新終了】 - ITmedia NEWS
- Windows 11ではタスクバーが下部固定。タイムラインや壁紙同期は廃止、Cortanaは後退 - PC Watch
- MS幹部に聞く「Windows 11」の真実…Google PlayのAndroidアプリは不可? | Business Insider Japan