スタートアップ企業がコミュニケーションAPIを活用すべき理由とは?
2011年、Marc Andreesen氏は「ソフトウェアが世界を食っている」と述べました。それから10年、この主張はまだ有効なだけでなく、可用性と品質の両面におけるAPIの台頭が、ソフトウェアの開発と導入を加速させています。
APIのおかげで、スタートアップ企業はすべてをゼロから構築する必要がなく、シンプルに標準装備の機能を利用することができます。その結果、スタートアップ企業はコア製品に集中し、例えばStripeのオンライン決済処理機能を追加したり、VonageのコミュニケーションAPIにより、安全かつ効果的にカスタマージャーニーを構築したりすることができます。
このブログ記事では、コミュニケーションAPIについて詳しく説明し、アーリーステージのスタートアップ企業がコミュニケーションAPIを活用することにより、以下のことを実現できることを解説します
- 得意な分野にフォーカスする
- コストを抑える
- 優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)を実現する
- スケーラブルな製品を開発する
- 改良を重ねつつ素早く開発する
コミュニケーションAPIとは?
コミュニケーションAPIは、スタートアップ企業のコミュニケーション能力を高め、ビジネスを特定の側面から迅速かつコスト効率よく拡大することに貢献します。グローバルネットワークとコンプライアンスを完全に遵守した手段により、音声、メッセージ、ビデオ、認証などの機能をすぐさまお客様の製品に追加することができます。
Airbnb、Uber、Aramexなどの企業は、コミュニケーションAPIを利用して、サインインの認証、会話、SMSキャンペーン、チャットボット、配送状況の追跡など、多くのことを可能にする2段階認証の仕組みを構築しています。
コミュニケーションAPIのメリットを生かすべき5つの理由
得意な分野にフォーカスする
アーリーステージのスタートアップ企業は、資金調達、PMF(プロダクトマーケットフィット)の達成、人材の雇用、オペレーションの構築、ゴーツーマーケット(市場開拓)戦略の設計など、通常、非常に多くのことに忙殺されています。
最終的に、スタートアップ企業と開発者たちがたった1つのことに集中しなければならないとしたら、それは、人々が本当に望んでいるソリューションにより、真の問題を解決するものを構築するべきです。つまり、優先順位に沿った開発に焦点を絞ることは、重大なミッションから大きく外れないようにするために非常に重要となります。
ゼロからすべてを構築することは、開発者としてのスキルを発揮するためのロマンのあるエキサイティングな機会に思えるかもしれませんが、スタートアップ企業の効率性を阻害する可能性があります。スタートアップ企業の開発者は、独自のセールスポイントやPMF(プロダクトマーケットフィット)を実現するための差別化要因の構築に時間を集中させることが必要です。
すぐに使えるコミュニケーションAPIを利用することで、スタートアップ企業は、こうした機能をゼロから構築するために時間やリソース、コストを費やすことなく、新たな機能や顧客とのコミュニケーションタッチポイントを追加することができます。
コミュニケーションAPIは、構築しようとしているもののビジョンからズレることなく、さまざまな方法で製品に機能を追加することができる積み木のようなものです。
コストを抑える
アーリーステージのスタートアップ企業が多かれ少なかれ抱える大きな頭痛の種は、ランウェイ(資金が枯渇するまでに何ヵ月運営できるか)を効果的に管理することです。そのため、創業者とそのチームが行うすべての決定において、財務的な配慮が非常に大きな意味を持つのです。
すべてを自社開発せずに、コミュニケーションAPIスタックを利用するメリットは、コストを削減できることです。これらのツールや非常に強力な機能を一から開発するために、コミュニケーションテクノロジーに特化した経験を持つ開発者を雇うことは、時間的にも金銭的にも非常に高くつきます。
コミュニケーションAPIは高度な機能を備えており、強力なコミュニケーションツールであると同時に、コミュニケーションインフラを構築したいアーリーステージのスタートアップ企業にとって、より安価で柔軟な選択肢を提供します。
優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)を実現する
スタートアップ企業が企業として狙いを定めている客層にかかわらず、優れたカスタマーエクスペリエンスはその中核をなすものであるべきです。ハーバードビジネスレビュー誌で説明されているように、カスタマーエクスペリエンスとは「顧客があなたの会社やブランドにどのようにエンゲージするかの総和であり、特定の期間だけでなく、顧客である間全般に関わってくるもの」なのです。
顧客の認識は、スタートアップ企業と顧客とのインタラクションに影響されるため、タッチポイントすべてについて慎重に検討する必要があります。
コミュニケーションAPIがどのようにカスタマーエクスペリエンスを変革できるのか、オンライン診察アプリを例にとって見てみましょう。
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顧客がアプリケーションをダウンロードし、認証APIを通じて、本人確認のためのワンタイムパスコードをSMSで受信し、アカウントを作成します(安全性とセキュリティが向上するなどのメリットがあります)
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次に、VoiceBotを使用して基本情報を収集します(医師にとっての効率性と患者にとっての快適性が増すというメリットがあります)
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アプリで予約のオプションを提供し、予約後はSMSまたはWhatsAppでリマインダーを受け取ります(時間節約などのメリットがあります)
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患者は、ビデオAPIを利用したアプリを通じて、自宅にいながら診察を受けることができます
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診察が完了すると、患者は携帯電話から次のステップに関する通知を受け取ります(SMSまたはソーシャルメッセージAPI)
患者は、アプリケーションを通じて、安全で最新の情報を受け取りながら、シームレスに診察を受けることができました。これは、APIを利用して顧客との接点を管理し、顧客がメリットを享受できるサービスを設計する方法の一例です。
スケーラブルな製品を開発する
一般的なスタートアップ企業のジャーニーは、数人のユーザーにMVP(Minimum Viable Product:必要最低限の機能だけを搭載した製品)を試してもらうことから始まり、そこからユーザーと対話を重ね、製品のイテレーションを実施し、理想的には製品が市場の強い要求を満たすPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成することです。これは通常、一夜にして実現するものではありませんが、スタートアップ企業は、ユーザーが10人であろうと100万人であろうと、同じ機能とエクスペリエンスを提供する製品の開発を目指しているはずです。
先ほどの流れから、オンライン診察アプリの例で説明しましょう。製品の普及が進むにつれて、アプリケーションでさらに多くの認証、アプリ内での音声通話、スケジュールメッセージ、ビデオ診察に対応できるようにする必要があります。
コミュニケーションAPIの大きなメリットは、テクノロジーの実装内容をほとんど変えることなく、1人の顧客でも1,000人の顧客でも10万人の顧客でも、同じように簡単にコミュニケーションができることです。そのため、コミュニケーションインフラに早期に投資することで、スタートアップ企業は手間をかけずに規模を拡大し、より多くの顧客にリーチすることが可能になります(もちろん、クラウドインフラなど他の要素も考慮しなければなりませんが、それはまた別の話です)。また、製品の普及が進むと、規模の経済を享受することができます。つまり、ユニット数の増加に伴い、ユニットあたりのコストが減少するということです。
改良を重ねつつ素早く開発する
新機能のリリースから採用まで、スタートアップ企業は非常に迅速かつ効率的に行動する必要があります。さまざまな製品のイテレーションと絶え間ないフィードバックループは、効果的なスタートアップチームの糧となるものです。イテレーションやユーザーとの対話を繰り返すことで、初めて次に何を構築するべきかが見えてくるのです。
すぐに使えるコミュニケーションAPIは、コミュニケーションのタッチポイントの適切な組み合わせが見つかるまで、コミュニケーションチャネルの追加、テスト、削除をシームレスに行うことができます。これにより、スタートアップ企業は一から構築することなく、迅速に開発を進めることができ、製品やサービスをより早く市場に投入することができます。これらのメリットにより、より迅速かつ効率的に製品を変革し、アーリーステージでも競争力をつけることができます。
総括すると、コミュニケーションAPIを活用することで、スタートアップ企業は製品の迅速な開発、容易な拡張、コストの削減、そして優れたカスタマーエクスペリエンスの創出を実現し、最終的に最も重要なことに集中できるようになります。
Vonage for Startups(スタートアップ企業向けサービス)
Vonage for Startupsでは、アーリーステージのスタートアップ企業がコミュニケーションAPIの力を理解し、これらのツールをよりよく活用できるように支援したいと考えています。私たちは、スタートアップ企業の個々のニーズに応じてコミュニケーションAPIのメリットを受けられるように、必要な教育リソースとサポート環境を提供します。
提供しているプログラムは、創業者の視点を元にしたアプローチによって構築されています。スタートアップ企業はそれぞれ異なるニーズを持っており、さまざまな方法でコミュニケーションAPIを活用できると私たちは認識しています。本プログラムは、4つの柱に基づいて設計されています。
ラーニング
スタートアップ企業は、Vonageのテクニカルリソースや厳選されたスタートアップコンテンツにアクセスし、当社のAPIの使用方法を学ぶことができます。このように、スタートアップ企業はエキスパートから直接学ぶことで時間を節約できるだけでなく、私たちのAPIを使用して、拡大し続けるCXを成功させた他の企業の方法も学ぶことができます。
構築
スタートアップ企業は、クレジットパッケージとテーラーメードのテクニカルセッションを通じて当社製品を活用することで、MVPを構築し、より多くの顧客にアプローチすることでビジネスの成長につなげることができます。クレジットパッケージを利用することにより、スタートアップ企業はコストを抑えつつ、より早く製品を利用することが可能になります。
サポート
選ばれたスタートアップ企業は、それぞれのニーズに応じたVonageのリソースを活用し、直面している課題を解決することができます。これは、コミュニケーションAPIをより効果的に活用することで、スタートアップ企業が独自のセールスポイントに集中できるようにすることを目的としています。
つながり
スタートアップ企業は、私たちのコミュニティに参加し、他の創業者、開発者、支援者と関わる機会を得ることができます。最後に、Vonageではコミュニティを特に重要視しており、私たちのプログラムに参加することで、誰もがつながり、助け合うことができる環境の一員となっていただきます。
参加方法についての詳細は、Vonage for Startupsで確認することができます。
開発者様向け
【アカウント作成】 無料でVonage APIをお試しいただけます。テストクレジット付与中!
Video API (tokbox)
Video API 以外のAPI
【デベロッパーセンター】 Vonage APIの使い方についてはこちらをご覧ください。
Video API (tokbox)
Video API Tools(開発・デバッグツール)
Video API 以外のAPI
連絡先
Vonage Japan合同会社
Mail: sales-japan@vonage.com
URL: https://www.vonagebusiness.jp/communications-apis/
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