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2018年ウィキペディアタウン参加記録(前半)

Last updated at Posted at 2019-01-02

はじめに

もともとの投稿目的であったWikimedia Advent Calendar 2018は終了しましたが、せっかくなので2018年に参加したウィキペディアタウンを振り返ってみます。
実際には年間で7箇所のウィキペディアタウンに参加しましたが、その中で5箇所について振り返ります。
本エントリでは前半の3箇所について紹介します。

ウィキペディアタウン in 瑞穂

2018年3月17日(土)開催
主催:名古屋市瑞穂図書館
協力:にんげん図書館、みずほ史跡ウォーカー
会場:名古屋市瑞穂生涯学習センター、名古屋市瑞穂図書館(愛知県名古屋市)

ウィキペディアの編集項目

当日の概要と感想

名古屋市図書館では2017年からウィキペディアタウンに取り組んでいて、これが3回目の開催でした。図書館が主催ではありますが、3回とも「にんげん図書館」という本を通じたコミュニティづくり活動を行っている方がコーディネーターとなって、図書館やまち歩きガイドの方と調整しているようです。

集合場所の瑞穂生涯学習センターでまずガイダンス的な説明を受けてからまち歩きにでかけ、お昼休憩をはさんで午後は図書館に集合してウィキペディアの編集をするという流れでした。
受け付け時には30円を支払ってまち歩き保険に加入しました。個人的には、保険に入れるのは安心できてありがたいです。

午前中のガイダンスの際、ウィキペディアやウィキペディアタウンの解説は図書館司書の方、本日の流れの説明は「にんげん図書館」の方、当日執筆対象となった区のゆかりの人物「藤原師長」の解説とまち歩きのコースについての説明は「みずほ史跡ウォーカー」の方、と役割がきっちり分かれていました。

まち歩きは、グループごとに全員同じ所を見るパターン。自分が編集する項目は後で決まるため、どの場所もしっかり見ておく必要があります。開催場所によっては、先に編集対象ごとにグループに分かれて、自分たちが編集する項目の見学しかしない場合もあります。
名古屋市には区ごとにボランティアのまち歩きグループが存在しているそうで、このときもまち歩きの際にガイドをして下さるのは「みずほ史跡ウォーカー」の皆さんでした。各グループにガイドの方がついて、時間差で見学していきました。全体としては大きな団体でしたが、そんなに目立っていなかった(と思う)。

午後は各自昼食をとった後、瑞穂図書館に集合しました。受付で、あらかじめ主催側によって決められたグループに4つに分けられます。
最初に、まずアイスブレイクとしての自己紹介タイムが設定されていました。運営側により紹介内容に個人差が出ないよう工夫がされていて、やりやすかったです。
グループごとに編集対象項目を割り振り(じゃんけんで勝った順)、決まったところで、あらためてウィキペディアやウィキペディアタウンの説明がありました。
文献調査と編集の時間は、グループの中で作戦や役割を決めていきます。参加経験のあった方が初心者やシニアの方をフォローしながら進めていく感じでした。
編集時間終了後は、各自が紙に感想を書いてグループ内で「振り返り」を行い、その後、全体でも代表の方が成果発表を行って、イベントは終了となりました。

その他報告・レポート

第3回ウィキペディアタウン in 東久留米

2018年3月24日(土)開催
主催:東久留米市立図書館
会場:東久留米市郷土資料室、東久留米市立中央図書館(東京都東久留米市)

ウィキペディアの編集項目

当日の概要と感想

東久留米市立中央図書館でのウィキペディアタウンは、2016年9月の第1回、2017年3月の第2回に続き3回目の開催です。
参加者が集合したところで、市郷土資料室の学芸員の方から郷土資料室や縄文時代の遺跡の宝庫である東久留米の地の説明があり、その後全員で郷土資料室を見学しました。

まち歩きは、原武史氏や古田足日氏の作品でもとりあげられた滝山団地を通り抜け、編集対象となる八幡神社や落合川を散策しながら中央図書館をゴールとするコースでした。神社をはじめ今回の見学地は無人の場所ばかりでしたが、図書館のスタッフの方による説明やエピソード紹介などがありました。

図書館に着いてから各自昼食を取った後、午後はウィキペディアやウィキペディアタウンについての講義があって、文献調査と編集の時間に移りました。
私が入った編集グループには、オーストリアから来日されたウィキペディアンの方が参加されていました。申し込みがあってから、図書館スタッフが外国人に対する日本語学習支援や生活支援を行う団体に依頼し、通訳ができてウィキペディアの編集のできる方に声をかけていたということで、日本語が分からない/ドイツ語が分からない者同士でも、通訳の方の英語を通じてウィキペディアの共同編集や交流がスムーズにできました。
グループ内の手順としては以下の方法をとっています。

  • 項目全体の編集方針をまずディスカッションする
  • 「要出典」や「独自研究」がたくさん貼られてしまっている部分に出典をつけたり、内容を確認して内容を修正する方針に決定。
  • 出典をつけるための文献調査。
  • 日本語で内容を考える→英訳する→ドイツ語訳する
  • 日本語版に書かれる内容をドイツ語版にもドイツ語で加筆・修正する

海外のベテランウィキペディアンの方の提案や、英語を通じた議論は傍で見ていてとても興味深かったです。他の言語のウィキペディアタウンが編集されるのを目にしたのも初めてでした。
編集後は成果発表に加え、講師による講評もありました。

その他報告・レポート

ウィキペディア・タウン in 静岡市

2018年5月26日(土)開催
主催:静岡市市民自治推進課
会場:静岡市立中央図書館(静岡県静岡市)

ウィキペディアの編集項目

当日の概要と感想

ガイダンスでは、主催の静岡市市民自治推進課の方から挨拶があり、続いてウィキペディア日本語版管理者の方からウィキペディアについての解説がありました。
ウィキペディアタウンの説明は、実施協力をされていたCode forふじのくにの方から受けました。

まち歩きで訪れたところは下記の場所です。

  • 中央図書館
  • 富春院
  • 元英和女学院院長住宅
  • 静岡薬園跡石碑
  • Run&Refresh Station(休憩)
  • 駿府公園
  • 家康公お手植え蜜柑
  • 駿府城天守台の発掘現場
  • 静岡学問所石碑
  • 静岡市役所本館

市役所本館からは路線バスで中央図書館まで戻りました。

昼食後に書きたい記事の方を選んで2グループに分かれ、文献調査と編集に取り組みました。このときは中学生も数名参加していましたが、彼らを含め、まち歩きで見聞きしてきたことをウィキペディア上に反映させようという気持ちが参加者全体にあったような気がします。

その他報告・レポート

まとめ

以下、2018年の前半に参加した中で感じたことです。

  • まち歩きのコースについて、最初に図書館に集合してまち歩きをし図書館に戻るのではなく、まち歩きをしながら図書館を目指すコース取りが増えていると感じました。取材対象によっては図書館スタートだと時間的・距離的に厳しくなる場合もあるので、今後も増えていくと思われます。

  • 70代以上の方では、日常的にパソコンを利用していない方も多いですが、ウィキペディアの編集に携わらなくても文献の存在を知る、その文献で調べるということで「調べることの奥深さ」を知ることができた、と喜ばれていました。

  • 細かい字や図面が見えにくい方、また日本語に堪能でない外国人のため、拡大鏡や自由に使えるタブレット端末があればいいなと思ったことがありました。

  • 信号機や電柱、往来の車などが多い場所での写真撮影は難しいと実感しました。事前に写真撮影については見学先への確認が必要と思っていますが、「できないこと」を共有するのはもちろん、「できること」も考えていけたらいいなと思いました。

  • 成果発表の時に「どの部分をやり残したか」「それはどの資料なら書けるか」ということを振り返る回がありました。そうした「宿題」の確認があると、次回の開催や、継続したウィキペディア編集につながると感じました。

  • 図書館が協力している場合、当日も図書館司書の方がヘルプで入ってくださるといいなと思いました。一緒にまち歩きなど体験していただいた時は、必要な資料がイメージしやすくなるようで、編集の時間帯にどんどん資料が追加されるということが多かったです。

  • 数年ぶりにウィキペディアの編集に復帰されたという方にお会いしました。実際に人と会って編集してみたいということがきっかけだったようなので、イベントとして開催するとこうしたこともあるんだなあと思いました。

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