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LPIC取得(レベル1〜3)までの道のりと得られたこと

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目次

1.はじめに
2.lpicレベル1
3.lpicレベル2
4.lpicレベル3
5.まとめ

はじめに

私は2018年〜2020年頃、業務でのLinux案件への活用を目的にLPICレベル1〜3を取得しました。今回の記事では、LPIC取得までの道のりと実際に取得してみて何が得られたのかをまとめていきます。これから、LPICの取得を目指している方、業務でLinuxを使用する機会のある方などへの参考になれば幸いです。まずはLPICとは何か?というところから触れていきます。

LPICとは「Linux Professional Institute Certification」の略であり、OSの1種である「Linux」の技術力を認定する資格です。「LPI」というNPO法人の日本支部によって運営されています。資格のレベルとしては1〜3まであり、各々で必要となる技能は大まかに以下の通りです。 ※ 2021年11月現在。詳細は公式HPをご参照下さい。

     
レベル 必要となる技能 試験内容
1 Linuxの基本操作とシステム管理■101試験
・システムアーキテクチャ
・Linuxのインストールとパッケージ管理
・GNUおよびUnixコマンド
・デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準
■102試験
・シェルとシェルスクリプト
・インタフェースとデスクトップ
・管理タスク
・必須システムサービス
・ネットワーキングの基礎
・セキュリティ

※レベル1の認定を受けるには101試験、102試験の両方に合格する必要があります。どちらから受験しても大丈夫ですが、両方合わせて5年以内の合格が必要です。
2 Linuxシステムの企画・導入・保守・トラブルシューティング・キャパシティプランニング■201試験
・キャパシティプランニング
・Linuxカーネル
・システム起動
・ファイルシステムとデバイス
・高度なストレージデバイスの管理
・ネットワーク構成
・システム・メンテナンス
■202試験
・ドメインネームサーバー
・ウェブサービス
・ファイル共有
・ネットワーククライアント管理
・電子メールサービス
・システムセキュリティ

※レベル2の認定を受けるにはレベル1の認定および、201試験、202試験の両方に合格する必要があります。どちらから受験しても大丈夫ですが、両方合わせて5年以内の合格が必要です。
3 各分野における最高レベルのLinux技術力■300試験 -混在環境-
・Sambaの基本
・SambaおよびActive Directoryドメイン
・Samba共有構成
・Sambaクライアント構成
・LinuxID管理およびファイル共有
■303試験 -セキュリティ-
・暗号化
・ホストセキュリティ
・アクセス制御
・ネットワークセキュリティ
・脅威および脆弱性の評価
■304試験 -仮想化と高可用性-
・仮想環境
・高可用性クラスタ管理
・高可用性クラスタストレージ
■305試験 -仮想化とコンテナ化-
・完全仮想化
・コンテナ仮想化
・VMの展開とプロビジョニング
■306試験 -高可用性システムとストレージ-
・高可用性クラスター管理
・高可用性クラスターストレージ
・高可用性分散ストレージ
・シングルノード高可用性

※レベル3の認定を受けるにはレベル2の認定および、上記の試験、いづれか1つに合格する必要があります。また、301、302試験は2014年に終了。2022年6月に終了予定の304試験に代わり、305、306試験がリリース予定。

それでは、私がレベル1〜3まで取得した道のりと資格を通して得られたことをまとめていきます。

lpicレベル1

LPICレベル1取得までの道のりと得られたこと

■学習期間

101、102試験の両方合わせて学習期間は約2ヶ月間でした。
・101試験の合格日:2018年8月18日
・102試験の合格日:2018年9月29日

■学習方法

①参考書/問題集
私が学習に使用した参考書/問題集は以下の通りです。
・参考書:3週間完全マスター LPICレベル1 リリース3
→他の参考書は使用していないので比較はできませんが、学習は進めやすかったと思います。

・問題集:徹底攻略LPIC Level1問題集[Version 4.0]対応
→黒本で有名な本書。問題数が充実しています。実際の試験よりもやや難易度が高めであったと思います。

②実機操作
書籍だけでの学習はイメージがしづらいので、私の場合は、自宅PCのHyper-V上にLinuxの仮想マシンを作成し、コマンドの動作確認を実施していました。※VirtualBoxを使用したり、パブリッククラウド上にLinuxマシンを作成したりといくつか方法はあるかと思います。

【具体的な学習フロー】
・学習開始から1週間目
参考書をザッと1周する。ここで全て覚えようとはしません。試験範囲を把握し、全体感を掴むことが目的です。自分の場合は1周目で3割程度の理解・定着だったと思います。

・学習開始から2〜3週間目
全体感を掴んだところで、参考書の2周目を実施します。ここでは理解・定着を3割から7割くらいにあげる感覚で少し期間を設けます。この期間で自分が理解しやすい分野とそうでない分野が明確になってきます。

・学習開始から4週間目
参考書を2周した上で自分の理解・定着が低いところを重点的に復習していきます。また、この期間に問題集を一気に終わらせます。

※ 実機操作は参考書/問題集を進める上で気になるコマンドが出てきたら適宜実施していました。

■取得して得られたこと

→Windowsを操作する時と同じような感覚でLinuxを操作できるようになった

私がLinuxに初めて触れた際は、得体の知れない黒い画面という印象で、操作をするのにもどうしたら良いか分からず戸惑うという感じでした。しかし、レベル1の取得を通じて、OSとしてのWindowsとLinuxの違いを理解し、WindowsのGUIで何気なく行っている以下のようなことをLinuxでもスムーズに操作できるようになりました。

・ファイルやフォルダの作成/参照/編集/削除/移動/検索/圧縮/アクセス制御など
・シェルスクリプトの作成
・ユーザ管理
・ジョブ管理
・ネットワーク基本設定など

lpicレベル2

LPICレベル2取得までの道のりと得られたこと

■学習期間

201、202試験の両方合わせて学習期間は約2ヶ月間でした。
・201試験の合格日:2019年3月2日
・202試験の合格日:2019年3月31日

■学習方法

①参考書/問題集
私が学習に使用した参考書/問題集は以下の通りです。
・参考書:Linux教科書 LPICレベル2 Version 4.5対応
→あずき本で有名な本書。試験に必要な知識の大半はこの書籍で習得可能ですが、一部の細かい知識は以下の黒本やスピードマスターで補強する必要があるかと思います。

・問題集:徹底攻略LPI問題集Level2[Ver 4.0]対応
→問題数が充実しています。実際の試験よりもやや難易度が高めであったと思います。

・問題集:Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.5対応
→こちらも有名な書籍。本番の試験と同等の問題がいくつかこの書籍から出題されていたような記憶があります。

※ 202試験はレベル1〜3を通して難しいという情報が多く見受けられたため、問題集は2冊実施しました。

②実機操作
レベル2は試験範囲が広く、習得が必要な知識も多いため、レベル1を取得した時と比較して、実機操作に割けた時間は少なかったです。

【具体的な学習フロー】
上記、レベル1を取得した際と同様。

■取得して得られたこと

→業務でLinuxシステムの設計/構築/保守をスムーズに推進することが可能になった。

LPICレベル2ではLinuxの基本操作だけではなく、業務に活用できる少し踏み込んだ知識を習得できると感じています。実際に、私は2019年〜2020年頃、業務で初めてLinuxサーバの更改案件に従事しましたが、LPICレベル2の取得を通し、スムーズに案件を推進することができました。

・リソース(CPU/メモリ/ディスク)管理
・ルーティングやファイアウォールなどのネットワーク設定
・トラブルシューティングなど

lpicレベル3

LPICレベル3取得までの道のりと得られたこと

■学習期間

私は数種類あるレベル3の試験の中でも300試験を受験しました。300試験ではLinux、Windows、Unix等の数種類のOSが混在するシステムにおける設計/構築/保守の知識が習得可能です。学習期間は約1ヶ月間でした。

・300試験の合格日:2020年5月24日

■学習方法

①参考書/問題集
私が学習に使用した参考書/問題集は以下の通りです。
・参考書:Linux教科書 LPICレベル3 300試験
→レベル3でも安定のあずき本を使用しました。

・問題集:徹底攻略LPI問題集Level3[300]対応 徹底攻略シリーズ
→レベル3でも安定の黒本を使用しました。

②実機操作
レベル3の内容を全て実機確認することは少しハードルが高かったです。OpenLDAPをインストールし、コンシューマ/プロバイダのレプリケーションを確認したり、LinuxからWindowsマシンにリモート接続したりと、部分的に実機確認をしました。

【具体的な学習フロー】
上記、レベル1、2を取得した際と同様。

■取得して得られたこと

→WindowsシステムとLinuxシステムにおけるユーザ/認証/ドメイン関連の連携について、仕組みを理解できる

上記で「仕組みを理解できる」と記載しましたが、ここでの理解度はどれだけ実機で触れる経験があるかによって大きく変わってくると考えます。私の場合は業務でこれらの知識を必要とする機会がなく、資格取得の過程においても実機確認を十分にできなかったため、理解度は低めだと感じています。ただ、Windows、Linuxシステム間の連携について、全く想像が付かなかった状態からは脱却し、概念を把握できました。

・LDAP
・Samba
・ActiveDirectory

まとめ

LPICレベル1〜3を取得してみて思う、全体としての感想は次の2点です。

業務でLinuxを設計/構築/保守していくにあたり、レベル1〜2の知識で大抵は何とかなるかなと思います。レベル3は必須だとは感じず、必要に応じて各分野の中から選択して取得するのが良いかなという感覚です。

②私はレベル1〜3までを通し、上記の学習フローで一発合格できましたが、もっと効率の良い方法はあるかも知れません。私は使用しませんでしたが、「Ping-t」という有名な学習サイトもあります。いづれにしてもLinuxの習得にあたり、実機で手を動かすことは非常に重要だと感じます。

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました!

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