この記事はCode for Japanのシビックテックチャレンジイベントにて取り組んだ子育ての悩みをITで解決することを目標とし、2か月後のNHKでの発表までにアプリを作成する開発軌跡です。
作成したもの
子育てスナック ひぐまさんの相談部屋
「子育てが辛い。けど、相談する相手がいない…」
「ちっちゃな子育ての悩み、どこに相談すればいいの…」
「これから子育てにむけて何を準備しておけばいいのか漠然と不安…」
そんなことを思ったことはないでしょうか?
子育ての悩みは本当に多種多様、その中には想像以上に深い悩みもあります。
我が子を愛するからこそ悩みが尽きることはないでしょう。
悩みの種類・深さによらず、子育ての悩みをすこしでも軽くしたい、そんな思いから生まれたプロダクトです。
思いのたけ(お悩み)をあなたの言葉でひぐまさんにとにかく吐き出して下さい、
解決の助けになるかもしれないヒント(情報)をひぐまさんが探してきてくれます。
要件定義
子育ての課題をいくつか話し合う中で、子育ての相談方法にフォーカスして深堀りしました。
- 誰に?
- 深刻な悩み
- 夫や家族に
- 子育て中の人、または子育て経験者
- それ以外
- 家族や知人、友人
- 深刻な悩み
- いつ?
- 困った時に
- 話すタイミングがある時に
- 何を?
- 子どものこと
- 発育
- 病気
- 子どものこと
- 相談方法は?
- 対面で話す
- 電話をかける
- テキストメッセージ(LINEやメール)
- なぜ?
- アドバイスが欲しい
- 愚痴りたい
悩みの種類はたくさんありました。個人差もあります。
悩みはたくさんあるのに相談できる相手がいない、
相談したい人に気軽に相談できない、
困った時に相談できない状況や誰に相談したらいいかわからない状況
を課題とし、
これをITで解決する方法の検討を始めました。
課題への取り組み
子育ての悩みをいつでも相談できるアプリの開発に着手しました。重視したことは下記の3点です。
- 傾聴する姿勢をアプリで実現すること
- 解決のヒントをアプリから提示すること
- 人以外に相談することへの不信感をなくすこと
1.傾聴する姿勢を実現すること
悩みを相談したい人は自分でも何に悩んでいるのかわからない状態に陥ることや
イライラなどの心理状態から言語化することが難しいこともあります。
また具体的な悩みを解決したいではなく、自分の気持ちを吐き出したい状況もあります。
1リクエストに対して機械的にレスポンスを返す、
そんなシステムっぽい対応をするのではなく、
音声入力した結果をアプリが受け付けるようにして、人と話すような状況をアプリで再現できるようにしました。
また音声で利用できないシーンにも配慮して、テキストメッセージにも対応しました。
2.解決のヒントを提示すること
ユーザーの音声から悩みを受け付けたところで解決できる銀の弾丸はありません。これは対人であっても同じです。
それで、悩みの内容から検索した結果を数件提示することを実装しました。
類似の事例や同じ悩みを抱えている人の情報を選択式で表示することで
ユーザーは自身が欲しいものだけを選ぶことができます。
もし該当しなかった場合は再度話しかけることで検索内容を調整することできます。
3.人以外に相談することへの不信感をなくすこと
アレクサなど音声操作することはありますが、
アプリに向かってモヤモヤしたままの心情を話しかける利用シーンは日常生活でほぼありません。
またプライバシー情報を受け付けるので不信感を持たれないような配慮が必要となります。
人以外に話かけるものとしてぬいぐるみのようなキャラクターが必要となり、ひぐまをモチーフとしました。
なぜひぐま?
エゾヒグマは、冬眠している1〜2月に、一度に2〜3頭を出産します。
クマの子育ては、出産から独り立ちまでの約3年間を全てを母グマだけが行う完全な「ワンオペ育児」を行うそうです。
子育て経験者に相談したい相手として完全に一致したのが採用した理由です。
最後に
このアプリは2022年の3月~5月に取り組んだ開発しました。
私が担当した部分はほんの一部分でしたが、優秀なエンジニアやデザイナーと一緒に開発でき、大変有意義な時間でした。
まさか、このアプリの半年後にChatGPTが登場するなんて...
今の技術を用いると簡単に構成できるので、これからもITでの解決を目指して個人開発を続けようと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。