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新米データサイエンティストの日常(架空)|p値編

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はじめに

今回は、「新米データサイエンティストの日常」シリーズの第5弾になります。
新米データサイエンティストが躓きがちなテーマについて、先輩データサイエンティストと会話しているシーンをChatGPTに生成してもらいました。

第4弾はこちら↓


登場人物(架空)

  • 佐藤:新卒1年目の新米データサイエンティスト。
  • 田中:入社5年目の先輩データサイエンティスト。

シーン:プロジェクトのデータ分析を進める二人

(オフィスにて、新米の佐藤が分析結果を持ってきた)

佐藤:「田中さん、先日のマーケティング施策のデータを分析してみました!t検定をしたところ、p値が0.03だったので、有意な差があると言えます!」

田中:「ほう、p値0.03か。それで、有意な差があるって判断したんだね。でも、ちょっと待って。『有意な差がある』ってどういう意味だと思う?」

佐藤:「えっ、p < 0.05 だから統計的に有意、つまり施策の効果があったってことですよね?」

田中:「うーん、惜しい。でも、それはちょっと危ない解釈だな。p < 0.05 だからって、施策の効果が確実にあったとは言えないんだよ。」

佐藤:「え?でも大学では、p値が0.05未満なら帰無仮説を棄却できるって習いましたよ。」

田中:「それ自体は間違ってない。でも実務では、p値だけ見て結論を出すのは危険なんだ。例えば、効果量はどれくらいだった?」

佐藤:「えっと……(慌てて資料を見直す)確認してませんでした……。」

田中:「そうか。じゃあ、仮にp < 0.05だったとしても、効果量がほぼゼロだったらどう思う?」

佐藤:「あ、それだと統計的には有意でも、実務的には意味がないってことですか?」

田中:「その通り!p値は『データが偶然ではなさそう』ってことを示すだけで、効果の大きさは教えてくれないんだ。」

佐藤:「なるほど……。じゃあ、何を見れば施策の効果が本当にあるか判断できるんでしょう?」

田中:「大事なのは、効果量(Cohen's d, 回帰係数 など)や信頼区間を確認すること。それに、p値が0.05ちょうどを境にして、0.049なら『成功!』で、0.051なら『ダメ!』って判断するのは乱暴すぎる。」

佐藤:「たしかに、p値の境目が0.05っていうのも人間が決めたルールですもんね。」

田中:「そうそう。それと、サンプルサイズの影響も考えた?」

佐藤:「サンプルサイズですか? t検定ならnが大きいほうがいいですよね?」

田中:「うん。でも、nが大きすぎると『実際には無視できるほど小さな差』でもp値が小さくなっちゃう。逆にnが小さいと、実際には大きな差があっても検出できないこともある。」

佐藤:「なるほど……。p値が0.03だったからといって、素直に『成功!』って思っちゃダメなんですね。」

田中:「そういうこと。p値はあくまで判断材料の一つ。これからは、p値+効果量+信頼区間+サンプルサイズのバランスを見ながら結論を出す癖をつけよう。」

佐藤:「ありがとうございます! もう一度、効果量と信頼区間を計算して、施策の本当の影響を確かめてみます!」

田中:「いいね。その姿勢が大事。慎重に分析していこう!」


シーン:翌日、効果量や信頼区間を再分析した結果を確認

(佐藤が前日の指摘を踏まえて分析し直し、田中のデスクに向かう)

佐藤:「田中さん! 昨日のご指摘を受けて、効果量と信頼区間も計算してみました!」

田中:「お、いいね。どんな結果だった?」

佐藤:「まず、p値は0.03で変わらず有意でした。でも、Cohen's dを計算したら0.15で、ほとんど効果がないレベルでした……。」

田中:「おっと、0.15か。それだと実務的な意味はほぼないかもしれないな。」

佐藤:「はい……。それに、信頼区間も確認したんですが、効果の範囲が -0.02 から 0.32 でした。つまり、効果がないどころか、場合によってはマイナスの影響すらあり得るんですよね?」

田中:「そういうこと!信頼区間がゼロをまたいでるってことは、『本当に効果があるのか、ないのか』まだはっきりしないってこと。」

佐藤:「昨日の時点では、p値が0.03だから施策が成功したって思い込んでました。でも、実際は『統計的には有意だけど、実務的には微妙』な結果だったんですね……。」

田中:「そうそう。そして、サンプルサイズはどうだった?」

佐藤:「n = 5000 です。結構大きめですよね?」

田中:「それだと、ほんのわずかな差でもp値が小さくなりやすい。つまり、『有意だけど、効果は実質ゼロ』の典型パターンだったわけだ。」

佐藤:「うーん……。これだと、施策の改善にはつながらないですよね?」

田中:「そうだね。このデータだけで『施策が成功した』って言ったら、マーケティングチームを誤った方向に導いちゃうかも。」

佐藤:「じゃあ、この結果をどう伝えるのがベストでしょうか?」

田中:「例えば、こう伝えるのはどうかな?

  • 『統計的にはp < 0.05で有意だが、効果量は極めて小さい』
  • 『信頼区間がゼロをまたいでおり、効果が確定的ではない』
  • 『サンプルサイズが大きいため、微小な差でも有意になった可能性が高い』
  • 『施策の影響は限定的と考えられるため、追加の分析や別の指標での検証が必要』」

佐藤:「確かに、これなら『統計的には有意だけど、実務的には要再検討』というニュアンスが伝わりやすいですね!」

田中:「そういうこと! 実務では、ただp値を見て『有意だった!』と喜ぶんじゃなくて、『その結果がビジネスにとって意味があるか』を考えるのが大事なんだ。」

佐藤:「分かりました! じゃあ、この分析結果を整理して、マーケティングチームに報告してみます!」

田中:「いいね。こうやってデータを深く見ていくと、p値の意味が本当に分かってくるよ。」


シーン:マーケティングチームへの報告

(会議室にて、データサイエンスチームの佐藤が、マーケティングチームの担当者・高橋に施策の分析結果を報告)

高橋(マーケティング):「お疲れ様です! 先日実施したマーケティング施策の効果分析、どうでしたか? p値が0.03だったって聞いたんですけど、それってつまり『成功』ですよね?」

佐藤(データサイエンス):「結論から言うと、統計的にはp < 0.05で有意でしたが、実務的には『効果がほとんどない』という結果になりました。」

高橋:「えっ? でも p値が小さいなら、施策が上手くいったってことじゃないんですか? だって、前に『p < 0.05ならOK』って聞いたことありますよ?」

佐藤:「そう思いますよね。でも、p値は『偶然ではない』ことを示すだけで、『効果が大きい』ことは保証してくれないんです。」

高橋:「……うーん、ちょっとよくわからないです。」

佐藤:「では、わかりやすく説明しますね。たとえば、あなたがサイコロを振ったとします。6が出た確率を調べるために、100万回振るとしましょう。」

高橋:「はい。」

佐藤:「100万回振ったら、6の出る回数はすごく正確に測れますよね。でも、仮に6が出る割合が『16.67%』になったとします。このとき、p値が0.03だったら、『このサイコロは普通のものと違う可能性がある』と判断できる。」

高橋:「はいはい、なるほど。」

佐藤:「でも、たった**0.17%**多いだけですよね? 実際にサイコロを使うとき、この違いって気になりますか?」

高橋:「……あんまり気にしないかも?」

佐藤:「そうなんです! つまり、統計的には違いがあっても、それが実際に影響を与えるとは限らないんです。」

高橋:「なるほど……。でも、今回のp値が0.03ってことは、それなりに影響があるんじゃ?」

佐藤:「いえ、それが違うんです。実際に効果の大きさを示す『効果量』を計算したところ、Cohen's d = 0.15で、ほとんど影響がないレベルでした。」

高橋:「えっ、それってどういうことですか?」

佐藤:「効果量を簡単にいうと、『どれくらい差が大きいか』を示す数字です。今回の施策の影響は、ほぼ誤差レベルということなんです。」

高橋:「ええ……。でも、p値が0.03なら成功って言ってもいいんじゃ……?」

佐藤:「では、もう一つ例を出しましょう。たとえば、あなたがマーケティングのキャンペーンをして、売上が『1円』増えたとします。サンプル数が10万人なら、統計的に『この1円の増加は偶然ではない』と示せるかもしれません。でも……」

高橋:「あ、それでも1円しか増えてないなら、ビジネス的には意味がないってことですね!」

佐藤:「その通り! だから、今回のp値が0.03という結果を見て『成功』と判断するのは時期尚早なんです。」

高橋:「じゃあ、どうしたらいいんでしょう?」

佐藤:「今回の結果を踏まえて、以下のように判断するのが妥当です。」

  1. 『統計的には有意だが、実務的な影響はほぼない』
  2. 『施策の影響が確実とは言えず、追加の分析が必要』
  3. 『別のKPI(クリック率以外の指標)もチェックすべき』

高橋:「なるほど……。でも、上司には『施策の効果があった』って報告しちゃったんですよね……。これ、どう説明すればいいですか?」

佐藤:「『統計的には差が出たが、実際の影響は限定的』と正しく伝えれば問題ないと思います!」

高橋:「うーん、なんか統計って難しいですね……。でも、意味のない施策を『成功』と報告しなくてよかったです。」

佐藤:「そうですね。今回の結果を活かして、次の施策をどう改善できるか考えていきましょう!」

高橋:「わかりました! ちょっと頭を整理して、社内に正しく報告します。ありがとうございました!」


会議後のフィードバック

佐藤:「いやー、p値だけで『成功!』って思い込んでたみたいですね。」

田中:「うん、でもそれは普通のことだよ。マーケティングの人は統計が専門じゃないし、p < 0.05という基準を単純に覚えていることが多い。」

佐藤:「なるほど……。でも、説明したらちゃんと理解してくれましたね!」

田中:「そうだね。こういうときは、実生活の例やビジネスの話に落とし込んで説明すると納得してもらいやすい。」

佐藤:「たしかに! サイコロの例とか、売上1円アップの話とか、分かりやすかったです。」

田中:「これからも、相手の理解度に応じて説明を調整することを意識してみよう。」

佐藤:「はい! じゃあ、次のデータ分析に取り掛かります!」


まとめ

p < 0.05 でも、効果量が小さいなら実務的に意味がない
サンプル数が多いと、小さな差でもp値が有意になりやすい
マーケティングの人には、身近な例を使って説明すると理解しやすい
データサイエンティストは、p値の解釈だけでなく『次にどう活かすか』を考えるべき

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