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ビジネスに数字は大事だけど、数字の前提条件と計算式に騙されないように

Last updated at Posted at 2022-11-01

エンジニアはもちろん、ビジネスにおいて数字を活用するのは不可欠です。

数字は人の認識を共有し、説得が必要なケースで大いに役立ちます。

特に近年データサイエンスやデータ分析を扱うデータサイエンティストの職業も増えてきています。

しかし、数字によって、人々は誤った判断を招きかねません。

数字を見る上で、前提条件とその数字を算出した計算式に注目することが大切です。

ビジネスに数字は不可欠

あらゆる仕事・ビジネスにおいて、数字は不可欠な存在です。

  • すごく頑張った
  • 大盛況だった
  • 前年より売上が上がった

こうしたワードを使うことは問題ありませんが、これだけでは他人には情報が伝わりません。

  • すごく頑張って生産量をノルマ30%超え
  • 大盛況で約5万人を集めた
  • 前年より売上が150%上がった
    image.png
    このように数値化できるものについては積極的に数字を用いる必要があります。

数字で人は判断しやすく

人は子どものころから色々な数字に触れてきているため、数字が判断基準になっています。

テストの点数を見てガックリし、お年玉の大金ぶりに驚いてきました。

かつてドラゴンボールのフリーザ様が放った 「私の戦闘力は53万です」

今では某掲示板やツイッターでもコピペネタとして使われますが、当時読んでいた子どもたちは戦慄を覚えました。

悟空の兄であるラディッツが地球にやってきた時、その辺りにいたモブおじさんを戦闘力を測るスカウターでチェックしたところ、「戦闘力…たったの5か…ゴミめ…」 と言い放ちました。

そう、一般的な成人の地球人は戦闘力5しかなく、我々もその水準と推測されます。

悟空との死闘を経て、パワーアップしてナメック星についたベジータの戦闘力は最大出力して2万4000でした。
image.png
戦闘力という指標で見れば、フリーザのセリフが一般人の10万6千倍、あのベジータでも23倍の強さを誇ることに畏れ慄いたのです!

このように数字を見る感性は子どものころから育まれています。

不適切な数字は誤解や間違った判断を招くことも

これまで紹介してきた通り、我々人間はビジネスにおいて数字で判断することが多いです。

数字が適切なものであれば、きちんとロジックに従い論理的な決断をすることができます。

しかし、数字には不適切なものも混ざっています。

そうした不適切な数字から判断すると、誤った決断を導く恐れがあります。
image.png
それゆえに出てきた数字をそのまま鵜呑みしてしまうのはとても危険です。

正直不動産の名言「数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使う」

記事を書いてる途中に、正直不動産というマンガを読んでいた時に、まさに今回の記事にも重なる主人公のセリフを発見しました。

主人公・永瀬財地 『数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使うんだ。』

これは、投資用不動産に手を出そうとした部下をたしなめる際に出た名言です。

このようにできた数字は偽装をしない限り、嘘ではありません。

ただ、中にはこうして悪意を持って数字を活用してくるため、数字をそのまま信頼するのはとても危険です。

数字を見る上で大切な2つのポイント

数字が偽装でない場合に、数字のどこに着目するとよいのでしょうか。

数字を見る上で大切なポイントは以下の2つであると言えます。

  • 数値データの前提条件
  • 数字を算出する計算式

アウトプットとなる数値を出す上で、必ず ①入力→②処理→③結果 という流れをたどります。
image.png
結果の数字だけ見ていても、数字自体の妥当性は見えてきません。

それゆえに前処理部分の前提条件と計算式に着目する必要があります。

①数値データの前提条件

数値データの前提条件のチェックポイントになるパターンとして、以下の例が挙げられます。

「東京の道行く人にアンケートした結果、平均年収2000万円だった。なので東京は年収が高い」
image.png
これは世の中的なデータと明らかに違和感を感じるので、おかしいと分かると思います。

「東京の道行く人」と書かれていますが、どのように調査したのか?

  • 高級な外資系企業がある場所でその会社から出てきた人にアンケートした
  • 経営者が集まるイベント会場の前でアンケートした

上記のようなやり方をすれば、平均年収を高く出すことができます。

本来、このパターンは東京のあらゆる場所でランダムに必要なサンプリング数をアンケートして統計的に正しい数値が出せるものの、平均年収を高く見せたい場合にこうした前提条件をおかしくする手法が使われます。

②数字を算出する計算式

集めたデータは正しいものだったとしても数値を算出する計算式がおかしくて、不適切な数字になることもあります。

計算式の中で、係数や重み付けのパラメータを調整することで、結果の数字をいじることができます。

その他にも計算式を適切に理解しないと、判断を誤るケースもあります。

例えば、Googleの検索アルゴリズムが大幅に変更されるコアアップデートの影響を、サイト受けたかどうか判定するため、以下の判断基準を考えました。

「Googleサーチコンソールを確認して平均掲載順位が下がっていなければ、アップデートのマイナス影響はない」

※サーチコンソールは自分のサイトの検索順位を確認できるウェブマスターツールです。

一見、書かれている内容を見ると、もっともらしいように感じます。

コアアップデートによって検索順位が下がれば、サイト全体の平均掲載順位は下がるはずです。

しかし、実は上記は誤りで、サーチコンソールの平均掲載順位が下がっていても、アップデートのマイナス影響はないとはいえません。

サーチコンソールの平均掲載順位が上がったのに検索順位にマイナス影響、下がったのに検索順位にプラス影響は起こりえるからです。

というのも、サーチコンソールの平均掲載順位では、各ワードごとの順位から平均を算出します。

ただ、コアアップデートを受け、検索順位がかなり下がると検索結果ページ後方のため、表示もされなくなります。

サーチコンソールの平均掲載順位の算出では、検索結果に表示されなくなった検索ワードの順位は計算式に含まれていません。

そのため、アップデート影響で検索順位が下がったワードは平均掲載順位に影響しません。

逆にコアアップデートがプラス作用すると、これまで圏外だったワードでも順位が上がって表示されます。

「圏外→40位」になったパターンでは、圏外だと平均掲載順位に含まれなかったのが、40位になると含まれるようになります。

すべてのワードごとの検索順位の平均が正しく算出されていれば問題ありませんが、計算式の中で含まれていない数値によって、コアアップデートの影響有無の判断を誤ってしまうことがあります。

※コアアップデート時はサーチコンソールの平均掲載順位をサイト全体ではなく、個別記事単位で捉えるのが重要です。

終わりに

ビジネスにおいて、数字を扱うのは必要不可欠で、数字に基づく判断が大切です。

しかし、数字自体は問題ないけれど、前提条件や計算式によって、誤った判断を招くことがあります。

大人気マンガ「正直不動産」でも「数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使うんだ。」という名言セリフにもある通り、数字を使って判断を誤らせようとする人はいます。

そうした際には出てきた数字の前提条件と途中の計算式をチェックすることが大切です。

前提条件として問題なく妥当性があるか確認し、アウトプットの数字を算出する計算式でおかしなところがないかチェックしましょう。

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