2022年10月中旬にGoogleモバイル検索の検索結果にサイト名が表示される機能が正式に実装されました。
サイト名を検索結果に表示すること自体は、サイトの認知向上に繋がります。
しかし、ブラックハットSEOとも言われる 「サブディレクトリ寄生」 サイトだと、寄生先の病院名が表示される表示誤認が起きています。
その結果、信頼性を逆に高めてしまうというか、表示誤認を招く詐欺的な事象を招いています。
※個人的には2016年に起きたDeNAのWELQ問題以来の衝撃と感じています。
本件についてYoutubeに解説動画をアップしました↓
Googleモバイル検索結果にサイト名が表示
スマホのGoogleアプリやChromeで検索した際、検索結果にサイト名も表示する機能が2022年10月14日に実装されました。
iPhoneやAndroidでGoogle検索すると、検索結果の各要素のアイコンの右側にサイト名が表示されるようになっています。
ドメインへ注意を払うことが少ないモバイル検索結果では、サイト名を表示することでユーザーがサイトを識別して、検索結果の判断基準になります。
例)知っているサイトだから検索順位は3番目だけど閲覧する、このサイトは好みでないから見ないetc
サブディレクトリはサイト名が表示されない
ただ、サブディレクトリで運営しているサイトがGoogleモバイル検索結果に表示された場合、サイト名がサブディレクトリの名前が表示されません。
サブディレクトリ運営サイトは本体ドメインのサイト名が表示されます。
例えば、地元情報を扱う「ジモコロ」というメディアがあります。
このジモコロは求人サイトのイーアイデム(株式会社アイデム)が、自身のドメイン配下のサブディレクトリで運営されています。
ジモコロを検索してモバイル検索結果に表示させると、サイト名部分はジモコロではなく、イーアイデムと表示されます。
ジモコロの場合はイーアイデムが運営しているため、サイト名に表示されていることに問題はありません。
しかし、サブディレクトリ運営サイトの場合のサイト名表示は、ある問題と結びつくことで、衝撃の問題が発生しています。
サブディレクトリ寄生サイトは寄生元サイト名が表示
その問題というのはサイトのドメイン貸しによるサブディレクトリ寄生サイトです。
日本におけるSEOの第一人者ともいえる辻正浩さんが、警鐘を鳴らしているSEO業界の大きな問題です。
ドメインパワーが強い大手サイトまたは、YMYL(Your Money Your Life)分野で優遇表示される病院やクリニックのサイトを借りて、第三者がそのサブディレクトリ上でサイトを運営する手法です。
その中でも、病院・クリニックのドメイン貸しは横行しており、ドメインを借り受けたSEO業者が医療関連のアフィリエイト誘導の記事を量産し、検索結果上位を独占しています。
これだけでも十分な問題なのですが、前述で紹介したGoogleモバイル検索結果のサイト名表示で、さらにヤバすぎる問題に発展しています。
美容医療のワードでおなじみの「エラボトックス おすすめ」をGoogleモバイル検索結果をしてみます。
自由が丘ファミリー皮ふ科や吉岡医院といった病院名がサイト結果に表示されています。
記事タイトルがあれ?と思いつつ、病院ページだから信頼できると思ってアクセスしてみます。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「病院ページだと思ってアクセスしたら、アフィサイトだった」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
ダークウェブや怪しいサイトではなくGAFAの一角、世界一のGoogle検索で起きてるのです!
Googleが忌むべきサイトの信頼性を逆に高める結果に
病院やクリニックと関係ない第三者がドメインを借り受け、サブディレクトリに寄生してアフィリエイトを構築して検索上位に表示するのは、Googleが嫌うブラックハットなSEOです。
しかし、サブディレクトリ寄生サイトについてはGoogleも対策が講じられずにいました。
そうした状態だったにもかかわらず、サイト名表示機能の実装によって、表示誤認まで起こしている事態です。
Google検索が無料サービスとは言え、「消防署の方から来ました」 がオンライン上で起きてしまっています。
皮肉にもGoogleの新しい機能が、そうしたグレーな手法の信頼性を高める後押しをしている状態です。
サブディレクトリ寄生・サイト貸し・Googleの三者の対応が求められる
現在のGoogle検索で起きている問題では、関係ないドメインのサブディレクトリを使ってアフィリエイトサイトを運営している事業者が最も悪質と言えます。
ただ残念ながら、現在の検索アルゴリズムでは上位表示によって稼げているため、抑制が効いていない状態です。
そのため、関係ない第3者にドメインを貸している運営者も対応が求められています。
このまま放置すれば、本体サイトの信頼性を失う上にGoogle検索でもペナルティも受けかねません。
直近でサイトのドメイン貸しの提案を受けた場合は、得られる利益よりも大きい損害を受けるので断りましょう。
さらに、Google検索も無料提供のプラットフォームとは言え、表示誤認を招いている状態を放置してはいけません。
Googleのミッションは 「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできるようにすること」 と謳っています。
けれども、現状の誤った表示でユーザーがアクセスすることを看過すれば、ミッションを放棄することに繋がります。
サブディレクトリ寄生サイトはもちろん、それと契約するサイトを貸している事業者、さらにGoogleの対応が求められます。
終わりに
今回、サブディレクトリに寄生するサイトをGoogleモバイル検索で表示すると、サイト名で寄生先の本体サイト名が表示されることを紹介しました。
病院やクリニックではサイトドメイン貸しが横行し、サブディレクトリでアフィサイトが多数作成されています。
その結果、Google検索結果上は病院ページに見えるのに、訪問するとアフィリエイトページだったというヤバイ状態が起きています。
これはGoogle検索結果の信頼性を失墜してしまうほどのインパクトをはらんでいます。
「病院ページにしか見えないのにアクセスしたら、広告ページ」 というのは表示誤認です。
サイトドメイン貸し自体の根絶も求められますが、Google検索側も一刻もはやく対応されなければなりません。
【次に書いた記事はこちら↓】