ゆめみのやめ太郎さんによって問題提起されたQiitaの組織票問題。
大きな賛否両論を巻き起こすも、組織票については今後も残ると考えられます。
そんな中、Qiita個人ユーザーたちはどう生きるのか?
組織票を抱える組織所属ユーザーに対し、個人ユーザーはどう立ち向かえばよいのか戦術を練ってみました。
Qiitaの組織票問題が明らかに
Qiitaの恒例イベントとも言える「Qiita Engineer Festa」の開催最終日に、ゆめみのやめ太郎さんが大きな波紋を巻き起こす記事を投稿しました。
「ゆめみが不正しているのか?」というタイトルでいきなり所属団体の批判かと思いきや、Engineer FestaのOrganization対抗戦での組織票の問題提起をされています。
同じ組織のユーザーから多くのいいねを獲得することで、組織所属ユーザーが投稿した記事がデイリートレンドの人気ランキングを独占している状況に警鐘を鳴らしました。
記事では所属されているゆめみでも組織票していることを発表しつつも、もっと組織票でいいねしている組織の存在を明らかにし、さらに同じ組織ユーザーのいいねは集計対象外にすることを提言しました。
「自分たちもやってたけど、ほかはもっとえげつないし、やめにしない?」
という、メディアに多数取り上げられたことのあるゆめみならではの巧みな広報術です。
組織票自体はルール違反ではない
ただ、組織票自体はルール違反ではありません。
Qiitaヘルプページの「いいね機能」の項目では下記のように書かれています。
いいねとは、記事やコメントを読んで「いい!」「技術的に役立った」と思った時や、書いた人を「応援したい」という気持ちを表現できる機能で、Contribution の算出にも用いられています。
書いた人を応援したい気持ちを表現できる機能ゆえ、同じ会社の人を応援するのはルールの範疇といえます。
一方、Qiitaのコミュニティガイドラインには「Qiita表彰プログラムの受賞を目的として、ガイドラインにそぐわない活動でContributionやいいね数を増やさない」があり、組織票はこちらに抵触する恐れがあります。
いわばかつて消費者金融で行われていたグレーゾーン金利のような状態です。
※グレーゾーン金利はWikipediaにまとめられてます。
借金返済に苦しむ人を救うため、国が最終的に低い金利を正としましたが、Qiitaの組織票の是非はあくまでQiitaさんが判断するため、どちらに転ぶのかわかりません。
組織票によってQiitaが盛り上がっている側面も否定できません。
それゆえに経営的な判断にもなり、個人的には組織票は残すのではと推測しています。
ただ組織票に個人で立ち向かうのは非常に困難。
しかし、組織票にQiita個人ユーザーが立ち向かうのは非常に難易度が高いです。
組織票はやろうと思えば組織内で 「同じ会社の人がQiitaに記事を投稿したら、すぐいいねしましょう」 と業務命令を出せるからです。
会社としてもQiitaで知名度を上げることは、ブランドイメージ向上やエンジニア採用にも貢献するので大きなメリットがあります。
さらに組織ユーザーの場合は業務として記事を書けるため、業務時間を執筆に充てられます。
一方、個人ユーザーは仕事以外の時間で書く必要があり、時間捻出するのも一苦労です。
組織の目的に沿った恵まれた環境で執筆できることに加え、組織票でトレンド入りしやすい組織所属ユーザーは大きなアドバンテージを持っています。
※「私は組織ユーザーだけど、業務で書いてない」という意見もあるかもしれませんが、企業名を背負ってるのに業務じゃないのはブラックな香りが漂うので要注意です。
個人ユーザーは組織ユーザーにどう立ち向かうか?
では、Qiitaの個人ユーザーは組織ユーザーにどう立ち向かえばよいのでしょうか?
「君たちはどう生きるか?」に触発されて、個人エンジニアとしての発信戦術を考えてみました。
個人でOrganizationを作る戦術
組織票と同じように個人同士で連携してOrganizationを形成し、お互いにいいねし合う方法です。
Organizationは企業だけでなく、コミュニティでも作成できるので、個人が集まるグループという形で作成できそうです。
まさに相手の土俵に上がるやり方ですが、組織ユーザーと違って統率が取りにくいデメリットがあります。
個人ユーザーで投稿記事にいいねし合うグループで、きちんといいねしているかチェックするのは大変です。
仮にいいねをチェックしても、個人ユーザー間の弱い紐帯で繋がったグループではいいねしていないユーザーに指摘するのも難しいです。
結果的に最も得するのがグループに入っていいねはしないけど、他の人からいいねをもらう人になり、囚人のジレンマによって裏切りの選択に収束し、いいねしなくなります。
一方、組織ユーザーは所属企業からいいねするよう業務指示も出すことができます。
こうした点から、個人ユーザー同士でグループを作る戦術は、統率力の違いから組織ユーザーに敗北する可能性が高く、得策ではありません。
組織票が増えるEngineer Festaの時期は記事投稿を避ける
これが個人ユーザーがデイリートレンドに載るための有効な戦術ではないかと考えます。
Engineer Festa期間中はバンバン組織ユーザーが投稿するし、組織いいねが飛び交います。
通常時のデイリートレンドよりも掲載されるために必要ないいねの数が多いです。
(通常なら2,3いいねで載ることもあるのに、イベント時期は10いいね近く必要)
それならば、Engineer Festaの時期は個人ユーザーは記事投稿を避けるのがおすすめです。
これはスタートアップ企業が取るニッチ戦略と同様です。
スタートアップ企業は大企業とは真正面で勝負せず、大企業が取り組めていないところで勝負します。
だからこそ、組織ユーザーが少ないタイミングを狙うのがおすすめになります。
例えば、お盆などのタイミングは組織ユーザーの記事投稿は少なくなります。
夏季休業で企業は休みになっていますし、予約投稿を使って投稿して記事に不備があった場合に修正が難しいからです。
せっかく時間をかけて書いた記事が、組織ユーザーの記事に埋もれないよう、組織ユーザーがいないところを狙うのは個人ユーザーの発信戦術と考えます。
終わりに
今回、組織ユーザーのQiita組織票に対して個人ユーザーがどう立ち向かうか、Qiitaでの発信戦術を検討しました。
組織票が良い・悪いはおいておいて、組織票がある状態では個人ユーザーの記事は不利な状況にあります。
それゆえに組織票があることを前提に、個人ユーザーはどのようにQiitaで記事を多くの人に読んでもらうか考える必要があります。
個人ユーザー同士の連携では組織ユーザーの団結力にはなかなか難しいため、組織ユーザーの記事が少ないタイミングで記事投稿するのが重要と考えました。
せっかく書いた記事であれば、多くの人に読んでもらいたいのは当然の思いです。
私はQiita組織票を避ける戦略を考えましたが、他にも組織票に立ち向かう方法はあると思うので、組織票に負けない発信を楽しみましょう!