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C# でシングルバイナリアプリケーションを作成する

Last updated at Posted at 2020-07-04

.NET Core 3.0 でシングルバイナリを作れるようになるオプションが追加されました。自分的には、シングルバイナリを作りたいときは今までは常にGoでプログラムを書いてきました。それはリリースやインストールが圧倒的に楽だからです。これがC#でできるようになることはうれしいことです。以前から存在は知っていましたが、試したことはなかったので、実際に使ってアプリを作ってみました。

image.png

Self Contained アプリケーション

最初は名前からしてこれが該当設定と思っていました。.NET Core のコンソールアプリケーションを Self-Containedにしてみます。csproj ファイルに次の設定を入れてみましょう。ちなみに Self Contained は DotNet のランタイムを成果物に含むという意味で1つのバイナリファイルという意味ではありません。Self Contained を1つのファイルにパッケージすることで、シングルバイナリのアプリケーションが出来上がります。

  <PropertyGroup>
    <OutputType>Exe</OutputType>
    <TargetFramework>netcoreapp3.1</TargetFramework>
    <RuntimeIdentifier>win10-x64</RuntimeIdentifier>
    <PublishReadyToRun>true</PublishReadyToRun>
    <PublishSingleFile>true</PublishSingleFile>
  </PropertyGroup>
Property Description Possible Value Default
OutputType 出力タイプのフォーマット Library, Exe, Module, Winexe Library
TargetFramework アプリケーションを実行するのに必要な .NET のフレームワーク netcore3.1 等 詳細 N/A
RuntimeIdentifier Publish で使われるランタイム識別子、OSの種類やアーキテクチャを指定する win10-x64 詳細 N/A
PublishReadyToRun ILに加えて、ネイティブにコンパイルされたコードを含む。現在のところクロスプラットフォームビルドはサポートされていない。詳細 true/false false
PublishSingleFile アプリケーションを1つのExeにまとめる true/false false

この設定をしてdotnet publishコマンドを実行するとwin10-x64用のアプリケーションができます。

$ dotnet publish

PublishReadyToRun をするとすでにネイティブにコンパイルされているバイナリを含むので起動時間が早くなります。ただし、現在のところクロスプラットフォームビルドはサポートされていません。具体的にはWindows10で、Linuxのビルドをするときにこのオプションは現在のバージョン(3.1.301)では使えないようです。CIでビルドする場合は、ビルドしたい対象のプラットフォームのビルドを使うとよさげです。ただ、このオプションの指定はサイズを増加させるようです。リリースのコマンドでオプションを指定して試してみましょう。

PS > dotnet publish -c Release -r win10-x64 -p:PublishSingleFile=true -p:PublishReadyToRun=true
PS > ls C:\Users\tsushi\source\repos\KafkaSpike\KafkaSpike\bin\Release\netcoreapp3.1\win10-x64\publish\
Mode                 LastWriteTime         Length Name
----                 -------------         ------ ----
-a----          7/4/2020   1:32 PM       76303080 ProducerSample.exe
-a----          7/4/2020   1:32 PM           1588 ProducerSample.pdb

PS > dotnet publish -c Release -r win10-x64 -p:PublishSingleFile=true -p:PublishReadyToRun=false
PS > ls C:\Users\tsushi\source\repos\KafkaSpike\KafkaSpike\bin\Release\netcoreapp3.1\win10-x64\publish\
Mode                 LastWriteTime         Length Name
----                 -------------         ------ ----
-a----          7/4/2020   1:32 PM       75643254 ProducerSample.exe
-a----          7/4/2020   1:32 PM           1588 ProducerSample.pdb

思ったより大したことなさそうですね。ちなみに、2つのコマンドの間には、Remove-Item -Path .\bin -Recurse などでbinを削除してからやるほうがよさそうです。しないと同じ結果になりました。

Linuxもビルドしてみましょう。ただし、この場合は、PublishReadyToRun Windows10だと使えませんので、

PS > dotnet publish -c Release -r linux-x64 -p:PublishSingleFile=true -p:PublishReadyToRun=false
PS  > ls C:\Users\tsushi\source\repos\KafkaSpike\KafkaSpike\bin\Release\netcoreapp3.1\linux-x64\publish\

Mode                 LastWriteTime         Length Name
----                 -------------         ------ ----
-a----          7/4/2020   1:38 PM      137016076 ProducerSample
-a----          7/4/2020   1:38 PM           1588 ProducerSample.pdb

サイズでけぇなぁw でも、Linux 用のビルドもできるのはありがたい。137MB で、Windows の 75MB の倍ぐらいですね。

Visual Studio

最後に、Visual Studio でも設定ができますので、見てみましょう。Project ファイル右クリック > Publish を選択します。

image.png

これで、一通りのシングルバイナリ系の設定が理解できたと思います。次が、シングルバイナリにほしくなる、コマンドラインパーサーの調査をしてみたいと思います。

参考までにリソースのパートに私が実際に使ったサンプルのURLを張っておきますね。

リソース

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