本記事は アプレッソAdvent Calendar 第9日目の記事にするつもりで書いていたものです。
当初はこちらを公開する予定でしたが、他に書きたいことができてしまったのでお蔵入りとなっていたものです。
せっかく書いたものですし、世の中の多くの営業マンに対して発信したいことでもあったので公開させていただくことにしました。
###営業に求められるスキル
ソフトウェア業界の営業にとって大切なスキルはどういったものでしょうか?
「コミュニケーション力」「業務知識」「提案力」など、人によって答えは異なると思いますし、正解は1つではないと思います。
今回はその中でも「技術力」についてお話したいと思います。
※決して「技術力」が一番大事だと思っているわけではありません。
「営業には技術力は必要ない!」「営業は技術を持ったエンジニアをアサインしたり段取りすることが仕事」とおっしゃる方もいらっしゃるとは思います。
私もデモや製品紹介のために技術力が必要だと言っている訳ではありません。
(それぐらいはメーカーの営業ならできて当然です)
では、なぜ私が技術力が必要だと思うのか?
理由は大きく3点あると思っています。順にお話したいと思います。
###製品を作る
まず 1つめの理由は「製品を作るため」です。
製品の機能を理解しお客様の課題に対する解決策を提案する、これは営業として当然できないといけないことです。
では、お客様の求めることが自社の製品ではできない場合、どうしたら良いでしょうか。
私が SIer の営業であればスクラッチ開発で補う、商社の営業であれば解決できる商品を探してきて提供する、それで良いと思います。
しかし、私はソフトウェアメーカーの営業です。したがって、「お客様の求めるものを正しく把握し、開発にフィードバックする」というのがとても重要な仕事です。
お客様が「こんな機能が欲しい!」と言ってる場合、営業は「その機能があると何故嬉しいのか?」「他の機能では何故いけないのか?」を正しく把握し、開発に伝える必要があります。
(このあたりの話は去年土岐さんが書いてくれましたので、詳しくは触れません)
ということで、「製品を作る」ためには営業が技術を理解していることはとても重要になります。
###社内を牽制する
2点目は「社内を牽制する」ということです。
こう書いてしまうととても感じが悪いですが、営業・開発間にかぎらず常に社内で刺激し合える関係というのが健全な組織だと思います。
ソフトウェアメーカーで仕事をしていると、当然のことですがそのソフトウェアに関しては自分たちが一番詳しくなります。そのため、お客様が自身の意図した通りにソフトウェアが動かない、と言ってきた場合には「お客様の使い方が理解できていないからだ」などとお客様の言っていることを疑いがちです。(もちろん、そういうケースもあります)
営業は社内ではお客様に一番近い場所にいます。そのため、お客様の状況を一番正しく把握できている可能性が高いです。
しかし、技術的なことが全くわからないと、お客様の言うことを社内へ、社内の開発・技術メンバーの言うことをお客様へ、そのまま伝えることしかできないため、伝言ゲームとなり結果として認識の齟齬が生まれ得ます。
ここで営業が技術的なことを理解できていると、
・お客様の言ってる情報は正しいのか?
・社内の開発・技術が言っていることはお客様への回答になっているのか?
を精査できるためトラブルを未然に防ぎ、早期の問題解決に繋がります。
先程書いたように 開発=>営業 の間でも同じことが言えると思っています。営業が行っている活動が適切なのか、もっと良い販売方法・提案方法があるのではないか、というのを開発側が助言できる組織はとても強くなると思います。
###顧客の課題を発見する
最後になりますが、これが一番大きな理由になります。
「お客様自身が気づいていない課題を発見する」という点が一番重要だと思います。
1番目の話とも通じる部分はありますが、「データ連携をしたいです」と言っているお客様に DataSpider を買ってもらうことは簡単です。
(「簡単ならもっと売り上げ伸ばせ」とか言わないでください・・・)
営業の本当の価値は「こんなところがデータ連携できるとこんなに便利になるのか」「言われてみればこんなことで無駄に時間を取られていたんだ」という、お客様自身が気づいていなかった課題に気づき、気づかせてあげることにあると思います。
これをやるためには、お客様の業務を良く理解することも当然必要ですし、その課題を解決するための方法についての知識が不可欠になります。
###最後に・・・
今年はハッカソンやハンズオンなど多くのエンジニア向けのイベントに参加しました。
「技術より営業の方が楽しいと思って営業をやっているのになんでこんなにイベントに出てるんだろう?」「技術的な知識が深まるとなんでこんなに楽しいんだろう?」と思い、振り返りながら書いてみました。
偉そうなことをたくさん書いてしまいましたが、アプレッソの営業はこんな気持ちで日々活動しているんだ、ということを知っていただけますと幸いです。