こんにちは
ここでは
iOSアプリである、RICOH Image SyncとPENTAX K-3 Ⅲとの組み合わせ利用において、Image Sync Ver.2.1.9における留意点を記録します。
なお、この記事においては、Image Syncの機能の中のGPS情報をカメラと連携させる点にのみ限定して述べます。
1.検証環境
(1)スマートフォン
・iPhone SE(First)
・iOS 15.2
(2)スマートンフォンアプリケーション
・Image Sync
・Ver.2.1.9
(3)カメラ
・PENTAX K-3 Ⅲ
・Firmware Ver.1.31
2.使用方法
・アプリImageSynをフォワードにし続ける(常に画面に表示)
・iOSをロックさせない(Auto-Lock設定を解除)
・Image Sync設定
Store location information -> ON
Automatic Bluetooth connection -> ON
Background location information transmission -> For 3 hours
Wireless LAN setting for Camera -> OFF
・撮影中スマートフォンの操作(Image Sync含め)を行わない
・カメラの電源(メカニカルスイッチ)は常にONの状態
3.現状認識している課題
・上述状況で利用中にBluetooth接続が意図せず切れており、アプリとカメラとの再接続が自動的に実行されない。
4.気づいたこと
・K-3 ⅢにおけるAuto Power Off設定にてカメラの電源が切れると、Bluetooth接続も切れている。そして電源が復帰してもiPhoneとのBluetooth接続は再確立しないこと。
・K-3 ⅢにおけるAuto Power Off設定にてカメラの電源が切れた後、メカニカルスイッチにて電源のOn/Offを行ってもBluetooh接続を再確立しないこと。
・メカニカルスイッチで電源をOffにして再度Onにしたあと、Bluetooh接続は再確立しないこと。
5.(想定する)原因
・アプリ側からの能動的な接続操作が無い限り、カメラ側でBluetooth接続(意図するしないに関係なく)を切ってしまうとカメラ側でどのような操作をしても、Bluetoothの再接続はできない。(なお、本状態はどのデバイスでもいえることであると思慮する)
6.対処方法
アプリ側での操作を行わないことを前提とするならば、カメラ側では以下の対処方法があると考える。
・K-3 ⅢにおけるAuto Power Off設定を解除(Off)する
・K-3 ⅢにおけるAuto Power Off設定を10min.30min.などの長めの時間にしてAuto Power Off機能が働く前に撮影を続行する。
7.検証結果
上述の対処方法の1つである、Auto Power Off設定を10min.に設定することで、自動的に電源が切れることを防止できた。
これによりBluetooth接続が切れる事もなくなり、つねにGPS信号をカメラと連携することができた。
特筆すべき点として、Image Syncがバックグラウンド状態、および、iPhoneがロック状態であっても当該機能は、実行され続ける。
そのため、iPhoneをロック状態にすれば、iPhone側のバッテリー消費は最小限のもので機能させることができる。iPhoneの誤動作防止にも役立つ。
他方、カメラ側は、Auto Power Off設定を解除もしくは、電源が入ったままの時間を長くするため、通常よりもバッテリー消費が多く、使用状況にもよるが2〜3倍のスピードでバッテリーを消耗していくかもしれない。(Auto Power Off設置 1min.時と比較して)
8.その他、関連する検証
(1)アプリ起動からカメラがBluetooth接続を認識するまでの時間
本環境においては4secで確立した
(2)アプリ起動からのBluetooth接続待ち時間
アプリ起動後15sec間、接続待ちをするようだ。カメラ側を先に起動しておけば(1)のとおり、アプリ起動後4secで接続は確立する。
なお、15sec以上経過してからカメラとのBluetooth接続をしたい場合は、Image Syncを一度インアクティブにして、再度アクティブにすることで自動接続される。(一度ホームボタンを押して、再度Image Syncアイコンをタップするといった操作を指す。 ※Image Syncの設定で「Bluetooth自動接続」をONにしておくことが前提。)
(3)カメラ側アイコン表示について
Bluetoothがインアクティブであるが、GPS情報がアクティブの状態を表示することがある。
この状態で撮影すると、EXIF情報にGPS情報は記録されている。最後にロギングしたGPS情報が書き込まれているようであり、現在地でない場合がある。
Bluetoothが切れているのに、GPS情報がONという表示は不自然に感じるが、この状態はBluetooth接続が切れてから60sec間続く。
9.Image Syncにおける"Automatic Bluetooth connection"設定とは何ぞや。
Image Syncの設定画面に、"Automatic Bluetooth connection"(Bluetooth自動接続)というものがある。
わたくしの勝手な解釈で、常に一定間隔でビーコンなりを発して、Bluetooth接続が切れても接続し直すような機能であると解釈していたが、これはまさに「勝手な解釈」であった。
自分なりに検証した結果、このAutomaticとは、「アプリを再度アクティブにした時」に動作するようだ。Image Syncが常にアクティブになっていたら動作するということではなく、たとえば、Image Sync起動中に、一度ホーム画面に遷移しその後Image Syncをアクティブにした瞬間にBluetooth接続が試行される。(この検証結果は正しくないかもしれない)
それが故、カメラ側とのBluetooth接続が切れた状態になった場合は、「Image Syncアイコンを再度タップしてあげればよい」ということになる。
たしかに当該機能によって、カメラとの接続操作を手動で行う必要はなく「自動で接続」されるわけで、機能名としては全くもって適切である。ただし、どのような行為によって「自動で接続」されるかをユーザーが理解していなければ、「自動で接続」という表現は誤解を生じさせてしまう可能性がある。
10.バッテリー消耗への対処方法案
(1)スマートフォン側
Image Syncがバックグラウンド状態、およびデバイスのロック状態でも機能することが分かったため、ロック状態で利用する。
加えて、省電力モードにしても当該機能は適切に機能していたため、省電力モードにて駆動させることも有効。
(2)カメラ側
・メカニカルスイッチによる、こまめな電源のOn/Off操作を行う
・Auto Power Off設定の時間はできるだけ短くしつつも、自動的に電源が切れる前にカメラ操作を行うようにする。
11.結論
GPS機能を搭載していないPENTAX K-3 Ⅲにおいて、Image SyncでのGPS情報連携機能は非常に有効であるが、アプリケーションを連続でかつフォワード状態で使用していても、カメラ側の設定によっては、Bluetooth接続が切れてしまうことが分かった。
・カメラ側のAuto Power Off設定にて電源が切れたあと、Bluetooth接続は自動的に確立しないこと
・カメラのメカニカルスイッチにて電源を入り切りしたあと、Bluetooth接続は自動的に確立しないこと
・iPhone(アプリ)とカメラとのBluetooth接続が切れてしまった場合は、アプリケーション側にて再接続の操作が必須となる。
・Image Syncの設定にある"Automatic Bluetooth connection"は、アプリを一度バックグラウンドに移動し再度アクティブにした際に、カメラとのBluetooth接続を自動的に試行するもののようだ。
12.考察
・あくまでもBluetooth接続の確立は、親機(今回でいえばスマートフォン)からデバイス(今回でいえばカメラ)へ行うもので、その逆の通信はペアリング時以外はないと思われ、これは一般的な動きであるが、電源が常時ONでないことが多いと思われるデジタルカメラにおいては不便を感じる。
・最もベストなのはPENTAX K-1カメラのようにGPS機能が内蔵されており何の意識もせずともGPS情報が撮影と共に記録されることが望ましいが、外付けGPSユニットを取り付けるよりもスマートフォンにて対応できるならば、スマートフォン連携を選びたい。しかし、そこで連携状況を常に心配したりバッテリー消耗を気にしながらの撮影は本望ではない。現状のところカメラ側のAuto Power Off設定を調整しながらBluetooth接続が切れないようにして使っていきたいと思う。
以上。