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この記事は、株式会社カオナビ Advent Calendar 2024の8日目です。

はじめに

スクラムを採用する開発チームではデイリースクラムやレトロスペクティブなどのスクラムイベントはファシリテーター(以下、ファシリ)が重要ですが、その負担は意外と大きいものです。特にスクラムマスターが不在のチームではありがちですよね。そこで今回はファシリが頑張らなくても良いようにするための工夫や、その結果得られるチームの成長について書きたいと思います。

ファシリテーションは難しい!

誰もがファシリテーションに難しさを感じるはずです。議論を盛り上げるために質問を投げかけてもなかなか意見が出てこなかったり、時間配分がうまくいかなかったり、思ったより参加者からのリアクションが薄くて疎外感を感じたりなど。会議が終わった後はどっと疲れて「これは毎回やるのキツイなぁ」と思いますよね...

ただ、チームにとっては有意義な会議へ導いてくれるファシリの存在は必須です。ファシリが有意義な会議へ導くことに専念できるように、少しでも楽にするような工夫をチーム全体で実施していくことが大事だと考えています。

ファシリテーターを楽にするための工夫

ファシリテーターのローテーション

おすすめしたいのはファシリをメンバー全員でローテーションすることです。ファシリが特定の人に固定されないことで、一人に負担を集中させず、チーム全体でイベントや会議を支えます。

ローテーションを通じて得られる最大のメリットは、ファシリの難しさをチームメンバー全員が体験できることだと思います。この体験から、ファシリがどんな時につらさを感じるのかをリアルにイメージできるようになります。そして、ファシリテートされる側になった時には自然とファシリがファシリテートしやすいように立ち回ることができるようになります。ファシリを経験する前よりは圧倒的に。

もしそのつらさを知っているのにファシリテートしづらい環境を自ら作ってしまうのであれば、それはもはや会議に参加していない、会議に貢献できていない、会議を妨害する存在になってしまう、ということを気づけるようになります。

ファシリテートされる側としての意識

ファシリにとってありがたいものは、多様な発言・豊かなリアクションです。

これは発言しても良い内容なのだろうかと思うことでも、ファシリを信じて発言すべきです。万が一不必要な発言であれば、軌道修正してくれたり、意図を確認してくれたりするはずです。迂闊に意見を出していっていいと思うのです。

もしリモートワークで会議をしているのであれば、間違いなくリアクションが枯渇しているはずです。特に、音声だけで会議をしている場合はもっとです。
リアルの場での会議では、意見を投げかけた相手がたとえ真顔でも「真顔」であるというリアクションをキャッチできます。それが音声のみの場では、どんな顔をしているのかもまったく知り得ません。なので、もし意見が出ない時は、「意見が出ないなぁ」という表情や声を出すでオーバーに表現することが大事なのかもしれません。

ファシリテーションが不要なプラクティスの採用

私たちのチームでは、レトロスペクティブ(振り返り)においてファシリがしやすいようなシンプルで効果的なプラクティスをよく採用しています。

  • Lean Coffee: 話す話題をみんなで決めるので、時間管理をするだけで良い議論につながりやすい
  • Fun Done Learn: 時間さえ測っておけば、アイデアをたくさん発散できる
  • 象、死んだ魚、嘔吐: 率直的な意見が出やすく、自然と盛り上がってくれる

これらの方法は、ファシリが苦手なメンバーでも進行しやすいと思います。
他にもたくさんあるので、こちらのリンクを参考にしてみてください。

ただし、これらのプラクティスの注意点としてはファシリ以外の参加者が積極的な意見出しをかなり求められるようになります。とはいえ、ファシリに頼らず意見を出し合う練習にもなるし、ファシリをカバーすることに繋がります。毎回これらを採用するというよりはタイミングを見て採用することが大事だと思います。

ファシリテーションに感謝

ファシリの大変さを全員が経験することで、ファシリへの感謝の気持ちが自然と生まれるはずです。この感謝の気持ちが、チーム内の良い人間関係を築く一助となります。会議でファシリを快く引き受けてくれたメンバーに対してはなるべく感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

まとめ

ファシリが頑張らなくても良いようにするためには、チーム全員の協力と工夫が欠かせません。ローテーションによって役割を共有し、参加者としての意識を高めることで、ファシリの負担を軽減しつつ、チーム力を向上させることができます。

私たちのチームでは、これらの取り組みを通じてより良いコミュニケーションと協力体制を築けています。もし同じような課題を感じている方がいれば、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
ファシリはチームにおいて重要ですが、それを一人で抱え込む必要はありません。全員で役割を共有し、お互いにサポートし合うことで、より良いチーム作りが可能になるはずです。

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