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【参加報告レポート】INEVITABLE ja night 9:デベロッパーカンファレンスから読み解くテクノロジーの不可避な流れ

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イントロ

Presented by Google Cloudってことで、2年前からやっているmeetupイベントに初めて参加してきました。今回で第9回目とのことです。INEVITABLE 対談ということで元Googleの及川卓也さんがお話しされていたのですが、興味深いお話だったのでレポートしたいと思います。

当日のスライドは、こちらにあります。
自分が気になったところをピックアップして以下記載です。

※対談の内容については、自分が話を聞いて理解した、受け取った内容をベースに書いているので、対談された方々自身の発言ではないことを留意いただければと思います。

プラットフォーマーと言われているが、本当のエコシステムではない

対談の内容自体は、「2019年前半のテック系大型カンファレンスの動向から見えてくること」に焦点を当てたものでした。最初の方で話しがあったのですが、AWS, Microsoft, Facebookなどがやっているカンファレンスって何なのか。

それは、「ベンダーロックイン、囲い込みのためのイベント」、関連して「プラットフォーマーと言われているが、彼らがやっているのは、本当のエコシステムではない」という見方をしていたのが、印象的でした。

確かに「プラットフォーマー」「エコシステム」という言葉がIT界隈だとよく出てきますが、言葉の本当の意味合いからするとやってることが合ってない。それぞれ基盤とか生態系という言葉が日本語だと紐づくと思いますが、「特定ベンダー内での」というカッコ付きが事実ということは、言われてみるとナルホド感がありました。

AI×プライバシー

F8でザッカーバーグが、昨今Facebookがいろいろ批判されている事情が絡んでいるものの、プライバシーに関する企業姿勢について話していたのが印象的でした。

そこからAIにおけるプライバシーやフェアネスがより存在感を増している、という話が展開されました。プライバシーについては、AppleがPR動画を作っていたり、各企業で最近重要視されている感覚はあります。

フェアネスの話の方が個人的に実感がなかったので、特に印象に残りました。「AIの手法よりwell-being」であるには、どうしたらいいか。そういった視点が重要視されてきている、という話です。

例として、GoogleのPeople + AI Guidebookを挙げられていました。

This Guidebook will help you build human-centered AI products. It’ll enable you to avoid common mistakes, design excellent experiences, and focus on people as you build AI-driven applications.
Welcome to the People + AI Guidebook

人間にとってより良いAIプロダクトを作る上でのガイドラインであり、よくあるミスを防ぐことが出来るようになる。よくデザインされた体験を提供できるようにもなるし、人間に配慮したAIドリブンなアプリケーションを作ることが出来るようになる。

そういった目的のためのもののようです。

医者とナースの話がAIにおけるフェアネスの例として上がってました。例えば、医者とナースという言葉自体に性別は、本来含まれてないはずなのに「医者=男性」「ナース=女性」というある種の偏見がある。

何にも考えずにデータを集めて、機械学習のモデルを作ってしまうと世の中にあるバイアスがそのまま反映されてしまい、結果的に偏見を助長してしまう。昨年、アマゾンの採用AIツールが女性差別していたということで問題になりましたが、そういった困った事態が起きてしまう、という話です。

Conversation design(=会話の設計)

decodeの基調講演でアレックス・キップマンがHoloLensのデモをしていましたが、そのデモから今後のUI/UXの方向性といった話になりました。デモは、キップマンが「自分自身のアバターにリアルタイムに日本語をしゃべらせる」といったものです。

音声でも文章でもそうですが、自然言語処理のレベルが上がっていることがポイントです。自然言語処理によってプロダクトのデザインが変わる。Google Homeだったり、Amazon Alexaもそうですが、人間の発話をインプットとして受け取り動作します。チャットボットは、テキストベースですが同様だと思います。

Acceptance(=受容性)をキーワードに挙げていましたが、適切にConversation design(=会話の設計)がされることで、場合によっては、人が対応することより機械が対応することが好まれることも増えていくんじゃないか。

そういった話が展開されました。

確かに自分も電話で何か問い合わせるのは、抵抗感があります。QAのやりとりがスムーズに行くのであれば、相手が機械であっても構わないと思いますし、むしろその方が自分自身のユーザー体験としては、人より機械の方が好ましいかもしれません。

自然言語処理をベースにした対話型のプロダクトに可能性を感じたお話でした。

コンテンツを見に行くのではない、他の人がどう反応するかを見に行く

及川さんがカンファレンスに行くのは、なぜか。それは、コンテンツを見に行くこと自体はあまり重要視していなくて、他の人がどう反応するかを見に行く。どんな話に観客が驚いたり、興味を示していて、また逆に興味を示していないのか。

会場にいないと感じられないことがあって、まさにそういった反応に価値を感じている、という話でした。確かにAWS Summitだったり、de:codeもそうですが、最近ストリーミングで見ることも可能なコンテンツが増えています。

今年は、自分もどちらも行きましたが振り返ってみると、どんなことに価値があるのか。その肌感覚の体験は、会場にいたから味わえたものだな、というのを思い出しました。

吐いてから吸う

最後の方に日本で行われているカンファレンスだと、海外と比べて受け身感を感じるという話をされていました。質問するつもりで聞くとインプットのレベルが上がるし、スピーカー側も観客の積極性を感じられると気持ちも上がる。

能動的な姿勢が重要、アウトプットする姿勢が重要ということで理解しました。確かに「質問するつもりで聞く」ということを明確に意識すると、ただ聞いているよりも「どこがポイントなのか」「どこが重要なのか」を意識することになると思います。

自分もQiitaで色々書き始めてみると、書くために調べることになるし、書きながら内容を整理するし、必然的にインプットの質が上がっている感覚はあります。

スピーカー側も観客の積極性を感じられると気持ちも上がる。

当日、会場で質問はできませんでしたが、この記事も対談されたお二方への良いレスポンスになれば幸いです。

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