プログラミング言語の人気度ランキングのTIOBEを調べていたところ、不思議なことが起こっていた。Pythonがうなぎ上りなのは周知の事実だが、なぜかFORTRANとVisual Basicがじりじりと人気を獲得しているのだ。FORTRANやVisual Basicは過去のものだと思っていたのに、何か変なことが起こっていると直感し、ChatGPTに聞いてみた。
高機能コンピュータの需要のためFORTRANが人気に
SDGsの影響もあるかもしれないが、宇宙開発、気象シミュレーション、流体力学、材料工学の大量の計算が必要となっている。
私自身以前、東京大学で計算材料学の研究プロジェクトがあり関わっていたので、そこではFORTRANを使っている人をよく見かけた。計算材料学とはコンピュータで分子のシミュレーションを行って、新しい材料を作っていこうというものだ。研究者たちは、FORTRAN派とC言語派の2派に分かれていた。計算量が必要なため当時は京などのスパコンを使ったり、GPUを使って大量計算を行おうとする研究者が何人もいた(懐かしー)。
FORTRANも昔とは違ってオブジェクト指向など現代風なプログラミング手法を取り入れ、アップデートされたため数理処理に強い面が見直されて人気が出てきているらしい。
コロナ禍でリモートワークが増え、業務効率化のためVB利用者が増えた
数のVisual Basicの変遷を見てもらうと、2020年3月ごろに急激な上昇がある。コロナ禍の安定共に下がったものの、徐々に上昇しているのがわかる。
コロナ禍でリモートワークが増えた会社員が家での業務を効率化するためにVisual Basicを使い始めたのきっかけである。コロナ禍が安定してきてもVisual Basicの利用に気づいた会社員がその後も使い続けた結果、徐々に人気が増えているようだ。
メジャーな流れに惑わされない
PythonやC系(C, C#, C++)などのメジャーなプログラミング言語の変遷の裏で実は、見えない大きな流れが見ることができる。別にFORTRANやVisual Basicをやり始める必要ないが、何が世の中で求められてきているのかを把握することは必要であろう。