大人のLチカとは
『大人のLチカ』とは要するに『クソお金のかかる上にクソでかいLチカ』のことです。
適当に今考えましたが良い単語じゃないでしょうか。流行らせましょう大人のLチカ。
今回自分はこんなのを作りました。
調達方法も含めて書きます。
AlibabaでDMX制御できるLEDバーを購入
大人のLチカは秋月電子でもスイッチサイエンスでもなく、Alibabaあるいはサウンドハウスから始まります。
知り合いでリアルタイムグラフィックアーティストの中田さんが『1本17ドルで1mのLEDバーが買えるアリババやばい』とInstagramのストーリーでつぶやいいていたのが購入のきっかけです。
実際にAlibabaで調べると確かに1本17ドル・・・!
しかも知り合いが動作確認済みと言うことはちまちまと検証用に1本だけ・・・とかもする必要がない。
1stオーダで20本一気に購入し、その後追加購入したり割れたりして現在手元には約30本あります(が、今回のサンプルは16本で事足ります)。
ちなみにこのLEDバーはSPIという通信形式で制御できるのですが、大人なのでArduinoプログラミングなどを使わずお金で解決します。
最近はSPI制御のLEDはDMXやArtNetなど、照明制御プロトコルで制御するためのコンバータが多く売られています。
今回、PC制御で光らせるのにはLEDバー以外に、
- LEDバー用の電源
- SPI-DMX変換機
- DMX-ARTNET or USB変換
が必要になります。森岡の場合、
- LEDバー用の電源 → 24Vスイッチング電源4つ
- SPI-DMX変換機 → SPI-DMX Decorder 3つ
- DMX-ARTNET or USB変換 → ArtNet ODE 3つ
を用意しました。
が、SPI-DMX変換機とDMX-ARTNET変換はケーブル長など設置上の問題さえなければPixliteがおすすめです。
これならSPIから直接Artnetに変更可能な上、1台で16,320ピクセルコントロールできるのでかなり使いまわせるのではないでしょうか。
ちなみに今回のサンプルを組むだけなら電源、SPI-DMX変換、DMX-ArtNet変換どれも1台で十分です。
何故ArtNetか
結構高い機材を買わないと利用できないArtNet(およびDMX)ですが、色々メリットがあります。
もっとも大きいのが『舞台演出系でデファクトスタンダードな規格である』ということです。
LEDのみならず、ムービングライトやスモークマシン、あるはファイアマシンなども全てDMXで制御可能なものが多くあります。
つまり、ArtNet機材とArtNet通信に関するノウハウは「使い回し」ができます。
一方、Arduinoなどでマイコンプログラミングする場合、書き捨て、作り捨てをやっている限りは「新たな試作のたびに作り直し」が発生します。
大人なのでロングスパンで見て減価償却を考えましょう。
オマケ
あ、ちなみに今回JSTというコネクタをSPI-DMX DecorderとLEDバーの間の配線で使いましたが、最近1-10ではワゴのワンタッチコネクタを利用することが多いです。こちらだと付け外しもワンタッチですし、圧着工具も必要ありません。
取り付け用にアルミフレームを購入
機材が届き、Lチカにはすぐ成功しました。
ちなみにSPI-DMX Decorderにサンプルパターンが入ってたので動作確認はPCにつなぐ前に終わってます(こういうサンプルがサクッと出せる機能も重要です)。
Lチカ自体は成功したのですがどうにも設置するには座りが悪い。
ケーブルが防水仕様のために硬いのもあり、良い感じになかなか設置できません。
まぁただの棒ですからね・・・。
試しにイベントで若手がテグスで釣ってたりしてたのですが、なかなか大変そうでした(格好良かったけど)。
そこでLEDを簡単に取り付けられるパーツを用意することにしました。
早速CADでデザインして3Dプリントをする・・・・ことはせず、大人らしく汎用機材を購入して済ませます。
今回は重量もそこそこあるのと、形をしっかり保持したいのでアルミフレームにしました。
アルミフレームは普段大手で当日発送もあるミスミで購入することが多いのですが、今回はソフトデバイスさんにオススメされたユキ技研のレコフレームを購入してみました。
通常のアルミフレームだと直角に取り付けるのにタップ加工が必要だったり、2点構成用と3点構成用で角のパーツの種類が違ったりと結構面倒なのですが、ユキ技研のレコフレームのTロックは金具一個と専用のボルトだけで接続できます。
金具とアルミフレームに『向き』の概念が発生してしまうため、慣れが必要ですが一度慣れると少ない機材、少ない工数でアルミフレーム工作ができそうです。
アルミフレーム工作のコツ
アルミフレームでの工作ですが、森岡はズボラなので、もといまだプロトタイピングの段階なので適当に手書きでポンチ絵を書いて、部品リストを作ります。
また、森岡は車に全然乗らないため、この手の機材はだいたいタクシーか宅急便で送ってしまいます。
そのため、基本アルミフレームを宅急便で送れるサイズに梱包できる寸法で分解できるように構成してます。
クロネコヤマトは3辺の合計が160センチまでなら受け取ってくれるのですが、今回は余裕を見て最大1mのフレームにしています。
フレームサイズは25mm角にしました。
これはなんとなく見た目からです。
また、LEDバーの固定方法も結構悩んだのですが、まだガッチガチに金具などを自作したり、3Dプリンタで作るほどじゃない(あとサクッと作れるほどスキルが熟練してない)と判断したので結束バンドで行くことにしました。
このタイタックというアルミフレームに後入れで結束バンドが通せるパーツも購入しました。
なかなか使い勝手良かったのでこれもおすすめです。
組み立て
おもむろに組み立てます。半日作業。
タイタックも良い感じですが、結束する作業が思ったより時間がかかったので設置時は何か工夫が必要かもしれません。
あと配線の始末が微妙ですが、これは配線を結束する前に力尽きたためです。
TouchDesignerで制御システムを作る
プログラミングします。
今回ディスプレイ状に並べているのですが、ケーブルを短く済ませるためにLEDバーの向きが1本ごとに上下逆になってるのが地味に曲者です。
コードはこちら。
LEDをマッピングするプロジェクトは今までも何度か作っていて、今回のが一番Touchらしく書けているような気がしているのですが、もっと良い書き方があるかもしれません。
できた
総額15万円の大人のLチカ(サンプルは7万ぐらいでできると思います)。みなさんもしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに最初クリスマスネタとして書いていたのですが、深センからの宅配期間を考えると間に合わない可能性が大だったので急遽Lチカにテーマを変更しました(LEDバーは大体月曜朝に出荷され、木曜に
到着、という大体4営業日のパターンでした)。